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夏休み・盆休み・夏季休暇を取る法律上の権利は無いって本当?

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投稿者:中尾 哲也
夏休み,盆休み,労働者

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

世間が盆休み盆休みという同調圧力をかけてきます。その世間が安倍さんの自民党の同調圧力に屈しつつある以上,法的安定性の観点から,私も盆休みの同調圧力に屈するほかないと考えている司法書士の中尾です。本日も宜しくお願いします。

ということで,まずは当所,つまり明徳司法書士事務所のお休みの日をお知らせします。ただし,タイトルに偽りありとの批判をよしとしませんので,続いて夏休み・盆休みの法的な位置づけについても書いておきたいと思います(も,じゃねーよ)。

 

明徳司法書士事務所の平成27年の盆休み

8月13日から16日までお休みをいただきます。ただし,15日,16日は土日なので,正味13日,14日だけです。少なすぎませんか?(誰に聞いとんねん)

 

夏休み・盆休み・夏季休暇は法律上の権利じゃ無い件について

さて,おまけに入ります(いや,だから,,)。

◎結論

夏休み・盆休み・夏季休暇を取るのは法律上の権利じゃありません!!
ただし,普通は休めるけどね。

これが結論です。

おっとどっこいそれはどういうことですかい?じゃあその理由などを説明していきます。

◎そもそも何から考えればいいか

休みっていうからには普段働いているんでしょうw働いているっていうのはどういうことか,労働しているってことです。会社と契約して労働している。

夏休み,盆休みなどを取る法的な権利があるかどうかを考えるのなら,労働することについて書いてある法律を調べればいい。わんぱくでもいい労働法を調べればいい,ということです(古い)。

◎じゃあ労働法を勉強するか,,

それは無理です。あきらめましょう。真面目に細かいことを言い出すと,半年くらい経ってしまうので,今日の問いに答える範囲でお話しすることにしましょう。

◎まず図解してみる

いきなり説明から入るとますます分からなくなるので「図」から入ります。あとで説明するので書いてある言葉が分からなくてもOK!

所定労働日(働かないといけない日)    労働者が決める! 休暇 法定休暇(法律で決まってる) 年次有給休暇/生理休暇/産前産後休暇/育児介護休業/子の監護休暇
法定外休暇(契約などで決めた) 病気休暇/慶弔休暇/リフレッシュ休暇など,なんでもいいよ!
欠勤  しんどいから,だるいから,やる気でないから,,尾崎豊みたいに無断欠勤はやめてねw
会社が決める! 休業  臨時休業/一時帰休/自宅待機のほか/天変地変/ストなど,会社の責任じゃいのもある
所定休日(働かなくてもいい日)  法定休日(法律で決まってる) 最低毎週1回又は4週間に4日
法定外休日(契約などで決めた) 自由に決めていいよ!

※枠線が上手く出なくてごめんなさい。ちょっと見にくい。

◎図について説明してみる

さて説明します。

まず,図の左端から行きます。働いている人(労働者)の1年は当然ですが365日あります。この365日は,働かないといけない日(労働義務のある日)と,働かなくてもいい日(労働義務の無い日)に分けられます。働かないといけない日のことを,「所定労働日」といいます。働かなくてもいい日のことを「所定休日」といいます。いいですか?

次にその右の列。下から行きましょう。働かなくてもいい日は二つに分けられます。一つは,働かなくてもいいと法律(労働基準法)で決まっている日です。これを「法定休日」といいます。これくらいは最低休ませてあげてねと法律が労働者を守っているのです。もう一つは,会社との契約や会社の就業規則で決まっている働かなくてもいい日です。これを「法定外休日」といいます。これは契約などで自由に決めていいものです。

休みや休みでもそもそも働かなくていい日のことを「休日」といいます。労働局のモデル就業規則(下の枠内)では,休日について次のように書いてあります。おっと役所からしてアバウトで,だいたいやね(竹村)。

就業規則労働局モデル

そのうえは,「休暇」などについて書いてあります。これらは全部,本当は働かないといけないと会社と契約している日に働かないことについてのルールです。

大きく分けると二つ。労働者が自分で決めて働かない場合と,会社が決めて働かない(働けない?)場合です。

労働者が自分で決めて働かない場合は,さらに細かく分かれます。

自分で決めるといっても,そもそも法律に根拠が書いてあって,その権利を使うという決定を労働者がする,労働者がその権利を使うと決める,という意味のこと。これを「法定休暇」といいます。年次有給休暇などが有名ですね。

ほかに「法定外休暇」というのがある。これは労働者が休暇を取る!という権利の根拠が,法律ではなくて,個別の労働契約とか,就業規則によって決められている場合です。契約で,労働者にはこういう休暇を取る権利があるよ,と事前に決めてある。不幸ごとの慶弔休暇とか,最近だとリフレッシュ休暇などがあります。

法定休暇にしても,法定外(契約)休暇にしても,労働者が宣言して,つまり労働者の意思で,働かないと決めることです。ただ,その正当性の根拠が,労働法の法律にあるのか,会社との取り決めにあるのかの違いです。

同じく労働者が働かないと決める場合でも,「欠勤」というのは一味違います。分かりますよね,,働かないといけない日に,法律上の根拠も,契約上の根拠もなく,自分で会社に行かないことです。

最後に,本来働かないといけない日だけど,会社の都合で働かない(働けない?)場合があります。こういうのを,法律上,「休業」といいます。

◎休む場合について言葉を整理

ちょとややこしくなってきたので整理します。

  • 法律上,本来働かなくていい日を,法定休日といいます。
  • 契約上,本来働かなくていい日を,法定外休日といいます。
  • 法律上・契約上,本来働かないといけない日だけど,法律上,労働者が望めば働かなくていい日のことを,法定休暇といいます。
  • 法律上・契約上,本来働かないといけない日だけど,契約上,労働者が望めば働かなくていい日のことを,法定外休暇といいます。
  • 法律上・契約上,本来働かないといけない日だけど,理由なく,労働者が働かない日のことを,欠勤といいます。
  • 法律上・契約上,本来働かないといけない日だけど,理由はともかく,会社などの都合によって働けない日のことを,休業といいます。

あれ?もっとややこしくなりました?もうちょっと絞ります。

  • そもそも働かなくていい日を休日という。
  • そもそも働かないといけない日だけど,休みが取れる制度がある。これを休暇という。
    ほかは省略しましょう。

休みが休日になるか休暇になるかで法的な位置づけが変わります。だから,その日に働いた場合に賃金がどうなるかなど,違いが出てきます。違いがでるから分類してるんですね。ただし,ここでは本題じゃないので,そのへんは省きます。

◎さて,答えを出していこう

夏休みって,会社によって,位置づけが異なります。結構グレーに運用している会社が多いんです。

いっぱい休めば,その中に,法定休日が含まれますね。週1がそうなので。でもこれは普段から休んでいる日なので,普通夏休み・盆休みとはいえないですね。

じゃあ,法定休日以外の日に休んでいる夏休み・盆休みなどの法的根拠は??以下の二つに絞られそうです。

  • 契約や就業規則で決めてある「法定外休日」
  • 契約や就業規則で決めてある,労働者が望めば働かないでいい「法定外休暇」

つまり,どちらにしても法定外です。契約や就業規則で,個別に決めてあるものに過ぎないってこと。法定休暇には夏休み・盆休み・夏季休暇は含まれていません。夏休み等については,法定休暇としての法律上の規定がないんです!

※ただし,中には何にも決まりがなくて,休暇なのか休日なのかわからないケースも。夏休みをくれるにはくれるが,その位置づけがよく分からないケースがあります。そういうの困るなあ,,

◎結論くり返し・まとめ

つまるところ,,

労働者に,夏休み・盆休み・夏季休暇を取る「法律上の権利」は無いのである!

ただし,普通は就業規則等によって法定外休日や法定外休暇に指定されているので,だいたい休めるけどねっていう重大なおまけ付です。

契約等してれば「法的根拠」はあるので半分釣りですけどね,,法定の権利は無いわけですよ,ごめんなさいw

◎おまけ

あなたの夏休み。勤め先の会社では,法的にどういう位置づけになってるか知ってますか?会社に聞いてみたらどうですか?「社長社長!俺の夏休みって法的にどうななのよ?え?えええ???」って。

そんなこと言えたら苦労しないですよね,,ひっそり契約書とか,就業規則とかチェックしてみてください。実は給料計算間違ってる(いや故意か)かもしれませんよ(そこを判断するにはもうちょっと労働法をやらないといけないんですが,,また今度)。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

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