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六法って何?というのが5分で分かるブログ 憲法・民法・刑法編

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投稿者:中尾 哲也
六法全書

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

今日は「六法」5分で説明します。六法って何かわからない人多いのじゃないですか?これを読んで,飲み屋でこう切り出してください。「六法って知ってる?そんなことも知らないの?簡単にいうとやな,,,うふふ」

モテることはないと思いますが(ないんかい残念),酒の肴くらいにはなるでしょう。10分くらい間が持ちますよw(嫌なら飲まなきゃいいのさ)

さて,時間がないので急ぐぞおおお。六法というのは六法全書という本のことじゃありません。そういう使い方をするときもありますが,本来違う。そうじゃない(ちがうちがう,そうじゃ,そうじゃなーいー♪鈴木です)。

六法というのは一つの法と,五つの法律のこと。あわせて六法という。具体的には次のとおり。

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法
  • 商法(会社法)
  • 民事訴訟法
  • 刑事訴訟法

「何やそんだけか?そんだけで六法全書はあんな分厚いんか?」

違います。ほかにも法律がたくさんのってる。全部じゃないけどたくさんのってる。そもそも法律って

日本の法律

こんなにある(Wikipediaより)。じゃあなんで六法だけえこひいきするんじゃい!顔が可愛いからかい!って言われても,法には顔はないので関係ありません。大事だからです。実力あるからです。基礎の基礎だからです。

日本にはいっぱい法律があるけど,全部この六法のうえに乗っかった仕組みです。六法の手のひらのうえで踊ってるのです。足し算引き算の算数ができないと高等数学は分かりませんよね?それと一緒です。ただ,法の場合は,基本法になるほど難しいので,算数とは逆ですが。

つまり法の王様が六法です。だから今日はこいつがどういう王様なのか城を眺めて説明します。遠くから城を眺める程度にどえりゃああ簡単にいきます。まずい,もう1分経ったw

 

憲法

何や!

憲法なくして日本なし。日本の仕組みを決めて日本を存在させている法です。土地があって,人がうじゃうじゃいても,ルールがないと国じゃないでしょ?共通のルールと,まとまるための仕組みがないと。ほら,規約がないと自治会とはいえないでしょう。それと一緒です。日本を日本たらしめているもの,それが憲法だ!

それはそうなんですが,,歴史的に国家権力が国民を苦しめた悲しい時代がある。だから,憲法を書くときには,逆にその国家ができないこと,国民が守ってもらえる最低限の権利(基本的人権)をメインに持ってくるようになった。国家の仕組みはこう。しかし国民の権利はこうだよ。ここだけは侵されないよ。なんていう形で日本の存在を書いていくのが憲法なのだ。

ワードを三つだけ

  • 自由の基礎法
    うえに書いたように,国民の権利,自由について書いてある。
  • 制限規範
    何を制限するの?国家でしょ!国の横暴から国民を守るのが憲法でもある。
  • 最高法規
    法のキングオブキングス。憲法は法律じゃないよ「法」だよ。別格だと思ってください。憲法に違反する法律などはぜーんぶ無効だよ。法律は国民を縛るルールだけど,憲法は国や法律を縛るルールなのだ。王の中でも序列があるでしょ。王の中の王の命令には,小国の王は絶対服従です。五摂家といえども天皇には逆らえない(憲法の中でこれいうのどうかと思うけど)。とにかくすげえのが憲法!

どんなイメージや!

憲法城を遠くから眺めると

統治機構(お役所の仕組み)

※上から目線(国家権力)

人権規定・基本的人権(国民がぜったい侵されない権利)

※下から目線(人権)

人権規定にフォーカスしてみると

幸福追求権
法の下の平等
自由権  精神的 思想良心の自由/信教の自由/学問の自由/表現の自由
経済的 営業の自由/居住移転の自由
身体の自由  適正手続,罪刑法定主義など
受益権  国家賠償請求権/裁判を受ける権利など
参政権  選挙権など
社会権  生存権/教育を受ける権利/労働基本権

※ぜったい侵されないといっても「根本的には」という意味。いろんな目的のために合理的な範囲で制限されるよ(制限される基準を考えるのが憲法学の大事なところ)。

※統治機構のほうは,国会とか内閣とか裁判所とか地方自治とか書いてあるよ。あと,平和主義の問題があるけど,これはいまTVがやってくれるのでそっちを見てねw

重要ポイント

国の仕組みを決めているのが憲法。だけど,近代的には,その中で,国民の自由がどういうふうにどの程度守られるかを考えるのがメインになってるよ!というところを押さえる。こういう,憲法によって国家権力の横暴を制御しようという考え方を,立憲主義(近代立憲主義)といいます。憲法を立てて,国民を守るってこと。

 

民法

何や!

文字通り民の法律。民間人と,民間人との間の取引の仕組みなどが書いてある。国家が上にあるとすると(偉いということじゃなく),下に民がいる。民は民と取引をして生活している。その民と民のルールが民法。

凄いこといいますよ。あなたがいま日常生活を送っている。人とやり取りする。物を使う。これ,全部民法で解析できます。それぞれの行為のすべてに民法的な意味がついているってこと。物理学者が見ている世界が独特であるように,法律家が見ている社会もまた独特なものです。

ワードを二つだけ

  • 財産法
    社会って,物に対する権利(物権)と,人に対する権利(債権)でできている。そうでしょ?こういう権利のでき方・内容・消え方まで全部書いてある。
  • 身分法(親族相続法)
    結婚とか親子とか,どうやって社会を作っていくかが書いてある。あと,死亡による財産の引き継ぎのことも決めてある。

どんなイメージや!

国家と市民の関係

国家
市民(民法の世界)

民法の世界(人の日常生活)はこうなっている

← 「債権(請求権)」 →
↓ 「物権(支配関係)」 ↓ これらの相関関係   ↓ 「物権(支配関係)」 ↓

財産法の仕組みって

物権(物に対する権利)  占有権
所有権/地上権/抵当権など
債権(人に対する権利)  契約によるもの
不法行為/不当利得/事務管理によるもの

※人の物(ぶつ)に対する権利を物権といいます。「物件」ではなく「物権」です。物権は,人の,物に対する,直接的・排他的支配権だと説明されます。例えば物の所有権を持っている人は,その物を,他人の意を介さず直接的排他的に使用し,収益し,処分することができます。人が物に対して権利行使をするには,それ相応の物権を持っていなければいけません。

※人から人へ何か請求できる権利を債権といいます。もう少し厳密には,「特定人から特定人に対する行為請求権」と表現できます。つまり法的に他人に何か言うためには債権を持っていないといけません。債権は勝手に発生しない。債権を発生させる原因は原則として四つだけです。これ重要。債権がないのに他人に何かの行為を強制することはできないのです。

  1. 契約(約束したから守れ)
  2. 不法行為(故意過失で悪いことしたから賠償せい)
  3. 不当利得(理由なくお前が手元に持ってるものを返せ)
  4. 事務管理(最低限のおせっかいには手当を)

重要ポイント

市民と市民との間の横の関係が書いてあるのが民法。あらゆる民間の出来事を実は法的に分析して意味づけしている法律。

 

刑法

これはイメージしやすいですね。殺人とか,死刑とか。犯罪と刑罰。刑法は,民法とは違って,民と国家の関係が書いてある。民が犯した犯罪について,国家が刑罰を与えるという意味。民法が横の関係だとすると,刑法は縦の関係(縦の関係には租税法なんてのもあるね)。

刑法は大きく分けると犯罪(論)と刑罰(論)になる。犯罪論とは,殺人罪とか窃盗罪とかいう犯罪のリスト。刑罰論とは,それぞれの犯罪にどういう刑罰を与えるかという結果論的な部分(刑罰論は,どいういう罰にしたら犯罪が減るかっていう「刑事政策」に直接関係している)。

ワードを二つだけ

◎自由保障
刑法にはいろんな犯罪のリストが書いてある。殺しちゃいけない,盗んじゃいけない,騙しちゃいけないなんてふうに。なんだなんだ,がんじがらめじゃのう,息苦しいのう,,とういうのは勘違い。書いてあるのは,書いてなくても,普通やらんでしょ?という悪いことばかり。むしろちゃんとリストにして書いてることにこそ意味がある。

何の意味?それはねええ,書いてあること「以外」はやっていいってことだよ!!そうか!書いてあることはやっちゃいけないんだから,書いてないことはやっていいんだ。それがはっきりするんだ。このことの意味が大きいわけです。

というのも,民法にしても刑法にしても,これが間接的に国民の行動を決めていくルールになるからです。法律がどうなっているかによって,国民がおおらかに活動できるのか,それとも萎縮して自粛自粛になっていくのか,それが決まります。

大きな考え方として,この近代の社会というのものは(日本が近代社会かどうか疑いないではないですが),人々が自由に,おおらかに,活発に活動して,その結果として経済取引もふくらみ,国民が豊かになり,精神も豊かになっていくことを目指しています。ルネサンスを思い出してください。自由になって楽しくなって芸術だって盛んになる。つまり,自由だと,人間社会がよりよいものになっていくという理想があるんですね。

とはいえオールフリー(キリンじゃないよ)ではいけない。やっぱり秩序も必要。規制も必要。アナーキーもまた逆に不自由ですからね。悪い奴におびえるというのでは困る。外にも出られないから。

このバランスが大事なんです。自由と規制のバランス。バランスは法の生命さ!!

話を戻す。刑法に書いてないことは逆にやっていいとはっきりする。このことによって,むしろ自由に活動しやすくなる。そういう自由保障機能というのが刑法にあります。ううう,,,長くなっておる,,

◎法益保護
これは文字通り,法律によって守られるべき利益を守るために刑法はあるってこと。人の命とか,人の財産とか,公共の危険とか。分かりやすいですよね。でもほんとは難しい問題。何が守られるべきかっていうのは極めて思想的であり哲学的である。だから長いことかけて学者が議論するんですね。まあそこはいいです。

どんなイメージや!

犯罪論と刑罰論の関係

要件
犯罪論(犯罪のリスト,殺人罪とか)
効果
刑罰論(10年以下の懲役とか)

犯罪論をちっとだけ詳しく(個別のリストではなく総論部分。犯罪になるかどうか判断する方法)

上から下に判断するよ ↓ 構成要件該当性(犯罪リストに一応当てはまるかどうか) 実行行為があったか
結果が出ているか
因果関係はあるのか
違法性(一応当てはまっても違法じゃないこともあるよ) 正当防衛/正当業務行為など
責任(最後に,その人を非難できるかどうか考えるよ) 泥酔者の責任能力など

学説によりけり

重要ポイント

刑法は何も,取り締まりたいだけでやってるんじゃない。逆に自由のために「も」やってるんだってこと。これが重要。

あと,犯罪を犯したかどうか判断するのは,超緻密(てきとーはダメ)に,極めて謙抑的(ひかえめに)にやらないといけない。いや理屈上はやっている(と信じたい)。

なぜなら,失敗すると,国民の人権を侵害してしまうからですね。無実の人を拘束したり,犯罪人にしたりしてはいけない。10人の真犯人を見逃すほうが,1人の冤罪を出すよりましです。すでに起きてしまった事件の犯人を捕まえても被害者の被害は回復しませんが(感情は別として),無実の人を捕まえると将来に悲劇を生み出してしまうからです。

まずい,,,そろそろ5分過ぎたようです,,六法全部いくつもりが,無理でした。仕方ないので二つに分けて,残りは別にします。

小まとめ

 

憲法,民法,刑法のイメージ

民法 刑法
憲法王国の中で,約束を守って律儀に活動する民法国と刑法国なのであった,,
憲法様!!キャー素敵!ロイヤルだわ

後編(商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)はこちらから

訴訟や裁判所関係の業務はやっていますか?相続放棄や成年後見の申立てはできますか?簡裁代理権の認定司法書士ですか?

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

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