所長BLOG

「不動産」という言葉の意味を知っていますか?

« »

カテゴリ 
投稿者:中尾 哲也
不動明王

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

「君は不動産を知っているか!」「いまこそ青年は不動産を知るべきではないのか!」「労働者よ立ち上がれ!不動産を知らないでおかれるか!!」

こんなふうに熱く迫られること,普通に生きていると1回や2回はあるんじゃないかと思います(いやないはず。むしろ絶対ないと私が保証しよう)。

そんなに不動産のことを知る必要はじっさいないわけですがw不動産不動産いうけど正味不動産って何のことって疑問くらいはあるんじゃないですか。この点,不動産といえば土地とか建物に決まってるだろ!それ以外にあんの?って反論も予想されるところです。

そこで今日は,法律上不動産ってどういう意味なのかを説明します。早速ですが,不動産とは,端的にこれです。

Yellow_Fudō

あれ,間違いました。これ不動明王でした(キャッチ画像で絶賛ネタバレ中)。おかしいなあ不動(明王)さん、なんだけど。親しみをこめてさんづけです。

すみません,正しくはこれです。

fudou

これは山のフドウ。いやむしろフドウ山と呼ぼう(念のために説明すると北斗の拳というレジェンドな漫画に出てくる人だよ。北斗の券公式WEBサイトよりお借りしました)。

やっぱり違う。

ならこれか。

https---www.pakutaso.com-assets_c-2015-05-OZPA_oitawoshitesimattadansei-thumb-1000xauto-15745

お父さんでしたね(ニッポンの平均的お父さんです。クールジャパン!)。ちょっと無理しすぎたようです。気を取り直して,真面目に説明します。

 

そもそもさー

世の中にはいろんな物があふれかえっていますよね。モノ余り時代,消費社会の昨今であります(何の話や)。そんな世の中の「物」。法律上物のことは財産といいかえてもかまわないと思います。財産には何があるか。

  • まさしく文字通りの「物」。法律では「ぶつ」なんて呼んだりします。ひぃえーーかっこわりぃーー。
  • それから「債権」。「さいけん」なんて読みます。人に対する請求権ですね。お金を返してもらう権利とか。
  • あと,「地位」とか立場ってものがありますよね。大家さんの地位とか。権利義務のパッケージ(カックイィイ)ですね。
  • それから「知財」なんていうのもあります。工業所有権4法(特許・実用新案・意匠・商標)のほか,著作権など。厳密には物じゃないんだけど,是非所有したいよねこの権利,的な権利ですね。

このうち「物」にフォーカスしよう。物は次の二つに別れる。

  • 不動産
  • 動産

民法86条
1 土地及びその定着物は,不動産とする。
2 その他の物は,すべて動産とする。
3項省略

ぬぬ,,不動産とは土地と定着物か。その他の物はすべて動産なのか。すべてか!すげえざっくりいきよったなというのが法律の規定です。

簡単にいうと,文字通り動かない物が不動産,動く物が動産です。土地を動かすのはちょっと難儀ですね神じゃないとw削るくらいはできるけど,削っても削っても下から土地が出てくるからね地球ってものは(地球このヤロー)。建物もちょっとやそっとじゃ動かない。壊せるけど簡単にはそのまま動かせない。住宅くらいならなんとかなっても東京ミッドタウンや丸ビルや渋谷ヒカリエは無理だ。あべのハルカスだって無理なのだ(近鉄さん,関西人のよしみで入れときました。王寺駅から激しく近いし)。

不動産ね,動かせない物ね,土地は分かったよ。じゃあ定着物ってなに?

はい。定着物に話を進めます。土地についても念のため少し付け加えますよ。

 

土地と定着物って?

土地

土地は土地でしょ!今でしょ(あ,関係なかった)土地は分かりやすいですよね。しかし,もうちょっと考えてみてください。土地って地下はどこまで土地なのか。なんかトートロジーになってきました。

基本的にはまあどこまでもってことになります(理論的には中心点まで。裏側のブラジル人が怒る)。とはいえスーパーヒーローじゃない限りそんなに土地を地下に掘り進めないので(もしできたら三菱地所とか三井不動産に就職できますよ),常識的な範囲になりますね。あんまり行くと熱いしねw暗いし(もうええわ)。

どこまで土地かっていう話は,どこまで自分で使えるか,所有権が及ぶかって話と関連する話です。さっきいったとおり,基本的にどこまでもなんですが,大都市に限っては,地下40mから下は,公共のために制限を受けます。お国が使えるようになってるのです。常識的に考えて個人が地下40mの土地を使うことがないので,この制限も仕方なしです。

img_01

ホーム・メイトリサーチ お役立ち情報より

理由は地下鉄通したりするため。地価が高いので,いちいち地権者の承諾取れないですから。根拠になる法律は,「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」

定着物

さて定着物の話。定着物という日本語のとおり,土地にくっついて容易にとれない物(とったら壊れる)のことです。具体的には次のとおり。

  • 建物
  • 登記されていない立木(りゅうぼく)
  • 立木法によって登記された立木
  • 各種の財団関係法によって登記登録された財団
    ※これ以外にでも土地の定着物と評価されると不動産になる。ただし,普通はこれくらいかな。

建物

建物はいいですね。完成して登記できる状態になっていなくても、天井あって雨風しのげれば不動産になります(床、天井が貼ってなくても)。なお建具は建物から取り外せるので動産です。ただし従物(主たる物のおまけ)になるので建物を処分したら一緒についてきます。

建物は土地の定着物として不動産になりますが、土地とは別個独立した不動産です。だから別々に取引することができます。

立木

立木っていうのは木です。木を舐めてはいけませんよ。ちっちゃい木でも根っこがはるとなかなかはがせませんから。雑草ですら抜くのサボるとなっかなか抜けないです(だから自治会のクリーン作業のときは抜いた振りしてごまかすのですw)。立木は二つに分かれます。登記されたものと、されていないもの。立木も法律によって登記して取引する仕組みがあるんですね。

登記されていない立木は、土地の定着物として不動産になる(土地の一部,土地そのものといっていい)。登記した流木は土地とは別個の不動産とみなされます。どちらもあくまで不動産です。

財団

財団というのは工場とかひとかたまりになっているいろんな財産をまとめて権利化して取引の対象にする特別な制度です。要件を満たして登記するとそういうふうにできます。これも、土地とは別個の不動産とみなされます。

  • 工場抵当法第9条の規定により登記された工場財団
  • 鉱業抵当法第3条の規定により登記された鉱業財団
  • 漁業財団抵当法第6条の規定により登記された漁業財団
  • 観光施設財団抵当法第7条の規定により登記された観光施設財団
  • 港湾運送事業法第26条の規定により登記された港湾運送事業財団
  • 道路交通事業抵当法第6条規定により登記された道路交通事業財団
  • 自動車交通事業法第38条の規定により登録された自動車交通事業財団
  • 鉄道抵当法第28条の2の規定により登録された鉄道財団
  • 軌道抵当法(軌道ノ抵当ニ関スル法律)第1条の規定により登録された軌道財団
    運河財団(運河法)
    Wikipediaより

小まとめ

不動産は,土地と定着物だ。定着物とは建物と,登記してない立木と、登記した立木・財団だ。あ,話が終わりました。これで終わってはあっけないので,ちょっと関連ばなしでもしましょうか。

 

不動産を扱ううえで気をつけること(とでもお題目しましょう)

不動産を取引したら登記しないとチョー危険

民法177条
不動産に関する物権の得喪及び変更は,不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ,第三者に対抗することができない。

ん?物権?得喪ってなんや,喪中のことか?対抗ってなんぞ?

物権というのは物に対する権利。所有権とかそういうのです。得喪とか使わないですよねw得たり喪ったりすること,例えば所有権を売ったり買ったりです。対抗というのは「主張する」こと。争いに勝つことですね。

つまり,不動産の権利をやりとりしたら,登記しないと,他人に勝てないよ。二重に売買したりされると,先に登記したもんがちねってこと。

登記というのは簡単にいうと,お山に旗を立てることです。尖閣諸島おらーーーっていうふうに(時節柄控えましょう)。ただリアルな旗じゃ弱いので,法務省民事局の法務局っていう役場の登記簿に名前とかを書き込むってことです。これが登記。法務局に先に登録したほうが勝利者なのです。だから登記するんですね。

不動産はいうなれば相当に価値の高い財産なので,争いを防ぐ必要がある。だから登記制度ですべて決めることにしてるんです。本当の売主かどうかとか,変な権利が付いてないかとかも登記を調べて確認します。不動産をやりとりしたら登記。国民的標語です。

国家資格がないとこういうことできないよ

そんだけ不動産は貴重なんで,不動産関係にタッチするにはいろんな国家資格がないとダメなことになっています。知識がない人がしゃしゃりでるとろくなことがありませんからね。

  • 売買とか仲介とかするには,宅地建物取引業の免許,取引士の資格
  • 登記をするには司法書士とか土地家屋調査士
  • 建物を建てるには建築士
  • 値段を決めるのは不動産鑑定士
    など

不動産の値段はどう決まる

「いったいわしの土地なんぼやねん」

お答えします。あなたの土地の値段は次のとおり基準がありまして,よりどりみどり,お好みに応じて選択いただけます。自己決定権の尊重です。

「なに訳分からんこというとんねん!どないやねんしかし!往生しまっせ」

以上,あるある会話を司法書士事務所から実況してみました。そうなんです。不動産の値段は一つじゃないんです。目的に応じてたくさんあります。

不動産は個性が強い(唯一性などといいます。特定の物だし,動かせないから,替えの効かない大事な財産ということ)ので,相場といってもあってないようなもの。その土地が欲しい!という人は他の場所は欲しくないんです。例え同じ形と面積でも。

ただまあ,だいたいどのくらいの価値があるのか知りたいということなら「路線価」あたりを基準に考えたらどうでしょうか。相続税(贈与税)を計算する財産評価基本通達が採用している値段です。

よしこれでいきましょう。ぜひそれでいってください!ただし自己責任でw

参考 不動産の値段いろいろ

  • 公示地価
    地価公示法にもとづいて,国土交通省の土地鑑定委員会が,毎年1月1日現在の値段を,3月中旬に発表するものです。基本的には,全国の都市部(都市計画区域内)の土地が対象になります。
    公共事業で国が土地を取得するときの参考にされます。
    取引の参考にしてほしいと国が考える値段です。
  • 基準地価
    国土利用計画法にもとづいて,都道府県が,毎年7月1日現在の値段を,9月中旬に発表するものです。都道府県内の都市部以外の土地も対象になります。
    地価を調べて公表する目的は公示地価と同じです。
    取引の参考にしてほしいと都道府県が考える値段です。
  • 路線価
    相続税法にもとづいて,財務省の国税庁が,毎年1月1日現在の値段を,7月1日に発表するものです。全国の主要な路線(公の道路)に対して平米当たりの値段が付けられ,それに面している土地の値段が計算できます。
    路線価は,相続税や贈与税を計算するために使用するものです。
    なお,公示地価の約八割の値段になります。
  • 固定資産税評価額
    地方税法にもとづいて,市町村が,3年に一度,1月1日現在の値段を,3月1日に発表するものです。市町村内のすべての土地や建物が対象になります。
    固定資産税評価額は,固定資産税を計算するために使用するものです。
    なお,公示価格の約七割の値段になります。
  • 取引価格
    じっさいに取引されたときに決まった値段です。取引するときの事情によって,値段は変わってきます。この値段は,取引が決まるまで分かりません。
  • 鑑定価格
    不動産の値段を決める国家資格である不動産鑑定士が評価した値段です。公的な値段を決めるときも不動産鑑定士が参加しているのですが,個別に不動産鑑定士に依頼をして値段を出してもらうこともできます。不動産には個性があって,また日々刻々と相場が変わるので,個別に不動産鑑定士に値段をつけてもらう意味があります。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

「不動産のことで分からないことは私に相談してください。記事にかかわらず?真面目にご相談に応じます」

無料メール相談はこちら。司法書士が2時間以内にお答えします!

 

不動産の登記のことは奈良王寺の明徳司法書士事務所まで!

 

相続登記を自分でする方・したい方はこちら

相続登記(名義変更・名義書換)の手続きを自分で法務局に申請する方法

 

もし不動産を購入されるならご一報を(笑)

【急げ】不動産売買の登記費用や司法書士報酬(手数料)が高いと思っているあなたへのメッセージ

 

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

土地建物の権利書が無くなった件についておさらいしよう!

あれ?もしかして権利書を紛失したときどうするのか調べて見てくださいましたか?今日書くのはそっちのほうじゃなくて,不動産登記法が改正されて紙の権利書が無くなったというほうのおさらいです。 権利書を紛失した場合 じゃなくて […]

権利書紛失

【保存版】家の権利書を紛失したらどうなるか完璧に説明します

いやいやwww死ななくていいです。 司法書士の中尾です。前に,不動産登記法という法律の改正によって,不動産の登記済証(権利証・権利書)がどう変わったかという記事を書き,その中で,「権利書を紛失」してしまった場合について触 […]

権利書を紛失したらどうなる

相続?贈与?離婚?不動産のことが気になったらまずすること(前編)

こんにちは,司法書士の中尾です。今日からブログを再開しますので宜しくお願いします。さて何から始めましょうか,,久しぶりなので,本業のど真ん中から行きましょうか,, 【相続の場合】 俺もそろそろいい年やな,,息子にのこせる […]

不動産のことが気になる

相続?贈与?離婚?不動産のことが気になったらまずすること(後編)

昨日これ↓書きました。今日はそのつづきですっ 相続?贈与?離婚?不動産のことが気になったらまずすること(前編) 【相続の場合】 俺もそろそろいい年やな,,息子にのこせる財産勘定しとかんとあかんな,, あるいは 親父急に倒 […]

不動産が気になる

「とりあえず名義変更して」と依頼されても登記できない理由

  司法書士の中尾です。今日は「あるある」の実務的な話を一つ。よくお問い合わせいただく内容にこういうのがあります。 「とりあえず名義変更したいんですけど」「同居人から私に取り急ぎ登記の名義変更をしたい」 こうい […]

登記できない理由