相続大全集

ちょっと待った!安易に相続した遺産を使ってはいけない理由

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現状)

お父さんが急に亡くなった。お父さんは退職後にちょっとした事業をしていて,少ないかがらもいくらか財産が残っていた。多分借金はなかったと思うが,はっきりしない。友人から少し用立ててもらったという話を聞いたことがある。落ち着いたらゆっくり調べて相続をどうするかを判断しようと思う。

検討事項)

  • 葬儀代を自分で立て替えたくないから,キャッシュカードを使ってお父さんの銀行口座から100万円を出してきて支払おうと思う。
  • 四十九日が終わって大変疲れた。お父さんの名義の自動車があるので,それを使って
    近くの温泉に骨休めに行こうか考えている。
  • 家を片付けていたら有名な日本画家の絵が出てきた。身内は絵に興味が無いが,知り合いのギャラリーが10万円で引き取ってくれるらしい。
  • お父さんが1人ですんでいた住宅を売ろうかと検討中。ローンが残っていてちょうど残債務と同じくらいらしい。維持費がかかるので処分したい。

お父さんの相続が「現状」のような感じだったとします。そのようなときに,相続人であるあなたが,「検討事項」のようなことをしようかどうか考えているとします。さてあなたは,どういうふうに考えて,どんな行動をとったらいいでしょうか。

一つの選択肢はこうです。
「とりあえずできることから片付けていこう」とか「これくらいのことはかまわないだう」という理由で,どんどんやってしまう。

もう一つの選択肢はこうです。
「いやちょっと待てよ,相続をどうするのかちゃんと決めてからまとめてしよう」ということですね。

結論からいうと,あとのほうが正解です。お父さんの相続に関して,ちゃんと相続人としてすべてを引き受ける覚悟ができてからやるべきです。

なぜそのようにしないといけないかという理由をお教えします。それは何も,葬儀なんてしなくていいとか,しばらく旅行になどいくべきじゃないとか,絵は値上がりするかもしれないので持っておいたほうがいいとか,住宅はもっと高くうれるんじゃないかとか,,そんな理由ではありません。

その理由とは,亡くなったお父さんの遺産を処分してしまうと,相続を単純承認したものと法律上みなされてしまい,今後よくよく調べるとお父さんに大変な額の借金があった場合でも,相続を放棄してそこから逃れることができなくなってしまうからです。

相続の承認及び放棄とは?

相続人は,自分のために相続が開始したことを知ったときから3か月内に,相続を承認するか放棄するかを決めなければいけません。

遺産が多ければ普通相続を承認します。借金のほうが大きければ,特に理由がない限り普通は相続を放棄します。相続を放棄すれば,そもそも相続人ではなくなって,相続とは無関係になるのえ,借金を背負わなくて済むからです。

相続を放棄する場合は,3か月内に,家庭裁判所にそういう書類を提出しないといけません。法律でそう決まっています。書類を提出しないと相続放棄をしたことになりません。

法定単純承認

このように借金が多くて相続を放棄したい場合は,家庭裁判所にその書類を提出すればいいんです。逆にいうと,裁判所に期限内に書類を出さないと,法律上,相続を承認したことになります。これを「法定単純承認」といいます。

「心配ないよ,今回の場合も,3か月内に相続放棄の書類を出せばいいんでしょ?」と思われるかも知れませんが,それができなくなる場合があります。それは,「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」です。

法定単純承認になる理由はいくつかありますが,以上の二つが代表的なものです。確認します。次のような場合には,法律上相続を承認したものとみなされてしまい,相続を承認したことが確定します。だからその後で相続放棄をしようにももう遅いのです。

  • 何もしないで3か月が過ぎる
  • 相続財産の全部又は一部を処分する,使う

まとめ

もうお分かりのように,お父さんの相続のことを後で詳しく調べていって,友人から大きな借金をしているとか,金融会社から借金をしているとかいうことが分かった場合,あなたは相続放棄をしなくていいですか?

どんな借金でも払っていくということなら問題ありません。しかしもしそうでないなら,安易に遺産を処分したり使ってしまうようなことは控えてください。少なくとも,3か月は控えなければいけません。

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