相続大全集

遺言書だけでは死後の問題が解決しない?安心できない?その理由を説明します

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葬儀,納骨,永代供養,役所の手続きは死後事務委任契約で

遺言書があれば安心?

さて将来の遺産相続の紛争を避けるために遺言書を公正証書で作成しました。もうこれで安心,何も心配することはない,となるかといえば,そうとも言えません。え?そうなの?遺言書を作成すれば安心だと言われて作成したのにどういうこと?と思われましたか?いや,遺言書を作成すれば死後のことは安心だ,このことに間違いはありません。しかしそれには但書がつきます。前提条件がつきます。それは,,,

「遺産(相続財産)のことについては」

との前提条件です。遺言書を作成すれば死後の遺産(相続財産)の処分方法が決まり,遺産相続に関する共同相続人の遺産分割紛争を予防できます。しかし,遺言書に書けることは限られている。ご存じのとおり,遺言書には何でも書けるわけではなく,遺言事項として民法に法定されたことに限られます。遺言事項以外のことを書いてその文章に法的拘束力はありません。遺産(相続財産)処分のことは遺言事項であり,これはこれで安心。では何が安心ではないか?財産以外のことっていったい何のこと?このことが問題になります。

これらのことは遺言事項ではない!

それは,以下のようなことです。

  • 医療費などの支払いに関する事務
  • 老人ホームの施設利用料の支払い等に関する事務
  • 通夜や葬式,埋葬及び永代供養に関する事務
  • 市町村役場などの行政官庁への届出等の事務
  • 家の片付け,つまり家財道具や生活用品の整理や処分に関する事務
  • その他人の死後に必要となるもろもろの事務

これらのことの多くは,遺言書に書いても法的拘束力がない。共同相続人の間で意見の対立があったときは,遺言書によって強制的に実行することができないのです(共同相続人全員が合意できれば別)。つまり,仮に遺言書があったとしても,これらのことについては,共同相続人のうち,誰がこれをする権利があり,また誰にこれをする義務があるのか,ということがちゃんと決まっていない状態で相続を迎えることになるのです。誰かがやってくれるだろう,誰も文句は言わないだろう,,,さて本当でしょうか。本当にそれで安心できるでしょうか。もし少しでも不安に感じる方は,以下を読み進めてください。では,どうするか,という内容です。

死後事務委任契約を締結すれば安心

信頼できる相続人受遺者又は司法書士との間で「死後事務委任契約」を結んでください。

死後事務委任契約とは何か(死後事務委任契約の法的性質)

ある人が亡くなったときに,遺言書に書いて指示できる遺産(相続財産)処分など以外のこと,いわゆる死後の事務いっさいについて,特定の人に行ってもらうことができるよう,特定人と特定人が,生前に取り決めをしておく委任契約のことです。ややこしくてすみません。要するに,死んだあとの身の回りのことを誰かに任せる委任契約です。委任する内容は,遺言書に書けないこと,遺言書に書けば足りることを除くいっさいのことです。つまり遺言書に書けることを除く残りの事務処理一切をやってもらえるよう契約するものです。死後事務委任契約のこと,何となく分かりますでしょうか。

ある人が亡くなった場合に備え,以下ように準備しておけば,いっさいのことがカバーできるわけです。安心して亡くなることができる次第です。

  • 死後の遺産(相続財産)処分=遺言書を作成する
  • それ以外の死後事務=死後事務委任契約をする

死後事務委任契約のやり方(死後事務委任契約の締結の仕方)

死後事務委任契約は民法上の委任契約ですから,契約の仕方は自由です。民法には契約自由の原則があるので,誰と契約しようが,どのような内容や方式で契約しようがいいのです。口頭でもOKです(契約の成立要件,有効要件その他の要件を満たす限り)。もっとも,死後,契約の存否や契約内容で揉めては元も子もありません。証拠がないと揉めたときに主張立証がうまくできません。なので,普通は契約内容を書面化して行います。死後事務委任契約書という程度のタイトルを付けた契約書を作成して,委任者と受任者,つまり亡くなっていく予定の人と,仕事の依頼を受ける人がこれに署名押印します。

(委任)
民法643条  委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

(準委任)
同656条  この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

なお,契約内容として,「委任者が死亡したときに契約の効力が消滅しない」とする特約を付けるのを忘れないようにしてください。何も特約をしなければ,民法上の委任契約は,委任者の死亡によって失効します。死後のことを任せる契約なのに死んだら効力がなくなっては元も子もありません。なので,特約をして,死んでも契約が継続するようにしておくのです。おそらく死後事務委任契約を作成するときは,司法書士等に相談されるはずです。司法書士に死後事務を依頼することも多いでしょう。そうすれば,司法書士が確実に有効な契約書を作成するので,この点も心配ありません。

(委任の終了事由)
同653条  委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一  委任者又は受任者の死亡
二  委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三  受任者が後見開始の審判を受けたこと。

死後事務委任契約の見本書式例

最後に見本書式を示しておきます。オーソドックスなものと,死後事務を葬儀等と賃貸物件の退去手続に限定して契約するものです。

オーソドックスな死後事務委任契約

死後事務委任契約書書式1

死後事務委任契約書書式2

死後事務委任契約書書式3

死後事務委任契約書書式4

死後事務の内容を葬儀等と賃貸物件の退去手続に限定するもの

葬儀の死後事務委任契約書書式

遺産相続が専門で得意分野とのことですが、どんな相談や依頼ができますか?

営業エリア・業務地域を教えてください。

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