相続大全集

子供のない夫婦が必ず遺言書を書くべき理由

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子供がいない夫婦の遺言書作成

私達夫婦には子供がありません。お互いに長年仕事をしていたこと,子供がなかったことにより,夫婦ともにある程度の財産を所有しています。さて最近夫婦の間で,お互いが亡くなったときの財産の行き先について話をすることがありました。遺言書を作成しておいたほうがいいのか,そうでないのか,ということが一番のテーマになりました。この点果たしてどうなんでしょうか。私達のような,子供のない夫婦は,遺言書を作成しておいたほうがいいのでしょうか。

結論

はい。夫婦のそれぞれについて,遺言書を作成することを強くおすすめします。

理由は以下のとおりです。

理由

ポイントを整理して順にご説明します。

夫婦が所有している財産は何ですか?

あなた方ご夫婦はどんな財産を所有しておられますか?お住まいの住居はどうでしょう。土地や建物はどなたの名義でしょうか。預貯金はありますか?証券口座にある金融商品はどうでしょう?

各財産が夫婦の生活にとってどれだけ重要なのか。この財産の遺産相続問題が揉めるとどれほど困ってしまうのか。そういうことを考えながら以下お読みください。

夫婦が死亡した場合の法定相続人をしっかり認識しましょう。

夫婦が亡くなった場合の法定相続人は誰ですか?このことは法律で決まっているのでしっかり確認してみてください。法定相続人の順位と法定相続分は以下のとおりです。

夫婦が同時に死亡することはほぼないので,どちらが先に亡くなったとすると,,

  • 相手方の父母(つまり義父母)が存命のときは,あなたと義父母がともに相続人(共同相続)となり,その法定相続分は,あなたが2/3,義父母が1/3(二人ともいる場合は合わせて1/3)
  • 相手方の父母がすでに亡くなっており,その兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっているときはその子)がいるときは,あなたと兄弟姉妹(又はその子)がともに相続人(共同相続)となり,その法定相続分は,あなたが3/4,兄弟姉妹等が1/4となります。
  • ちなみに相手方の父母も兄弟姉妹もその子もないときは,あなたのみが相続人

以上のとおり,夫婦の一方が死亡したときは,残された夫婦の一方とともに,義父母や兄弟等が,共同して,法定相続人になります。ということは,遺産相続の手続きには,それらの方々の全員の協力が必要です。具体的には,遺産の全部をあなたが相続することに同意してもらったうえで,不動産や預貯金や証券口座の相続書類のすべてに実印を押してもらう必要があり,また全員の印鑑証明書を提出してもらわないといけません。そうしないと,財産をあなたが相続し,財産の名義をあなた名義にすることができません。

相手方の父母(義父母)や兄弟姉妹(又はその子,つまり甥っ子や姪っ子)との人間関係は良好ですか?

義父母や義理の兄弟姉妹を完全に信頼していますか?

いま,心を静かにして,以下のようなことに心あたりがないか考えてみてください。あなたについて,そして相手方配偶者について。

  • 義父や義母との折り合いはどうですか?実の親子のような付き合いができていますか?やっぱりそれなりに気を使う関係でしょうか。配偶者が亡くなってからも付き合いを続けていける関係ですか?
  • 自宅不動産を購入するときに義父母から援助してもらったりしてないですか?土地や建物のどちらかの名義が義父母になっていたり,共有持分を持っていることはないですか?
  • 義父母のどちらかが高齢により認知症になってないですか?つまりボケていないですか?そういうことがあると,遺産分割をするのに成年後見制度を利用する必要がありますし,義父母の相続分を無視してあなたが全部遺産を相続するような遺産分割はできません。
  • 義父母が亡くなっている場合,義父母の遺産相続のときに揉めた事実はないですか?遺産相続はどのように処理されましたか?あなたの配偶者の兄弟で,法定相続分で相続していませんか?
  • 義父母の遺産相続のときに,いま亡くなったあなたの配偶者が全財産を相続していませんか?そのことを,配偶者の兄弟姉妹,つまり義理の兄弟姉妹がよく思っていないということはありませんか?
  • 義理の兄弟姉妹やその子と親密に付き合いができていますか?兄弟仲が悪かったり,疎遠になっていたり,そいうことはないですか。
  • 義理の兄弟姉妹からお金を借りたことはないですか?夫婦が事業をするのに出資をしてもらったり助けてもらったりしていませんか?
  • その兄弟姉妹の中に経済的に困っている人はいませんか?生活が苦しい人はいませんか?

何か思い当たる節はありませんか?もし少しでもひっかかることがあれば,必ず夫婦の双方について,遺言書を作成しておいてください。遺言書は公正証書遺言ですることをおすすめします。

うちは大丈夫だ!と思われる方についても,私としては,遺言書を作成しておくことをおすすめします。姻族関係(夫婦の相手方を通じての親族関係)は案外人間関係がもろいものです。いままで仲良くやっていたつもりでも,夫婦の一方が亡くなると関係が一変してドライになることもないではありません。

子供のない夫婦は必ず遺言書の作成をしてください。

営業エリア・業務地域を教えてください。

遺言書の作成は専門の司法書士へ

遺言書の作成を司法書士など専門家に頼むメリットとデメリットをお教えします

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