相続大全集

節税対策(相続対策)は早い者勝ち?その理由について説明します

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節税対策(相続対策)は早く始めるほうが有利

相続対策は早いほうがいい!節税は早いほど効果的!よくテレビや雑誌,インターネットでそのように言われているのを見聞きします。相続税の法律が改正されて,基礎控除額が大幅に引き下げになってから,節税対策についての情報があふれていて,はっきりいってよく分かりません。じっくり法律や資料を見比べて検討するのは面倒で,,一度税理士さんや司法書士さんに相談しないと,とは思っているのですが,,,というのも,父親には相当額の資産があるようなんです。間違いなく相続税はかかりそうだと,そう思っています。相続対策というか,節税対策というか,そういう対策をするには,やっぱり早いほうがいいのでしょうか?もしそうなら,思い切って父親に協力をお願いしようと思います。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

なるほどご相談の趣旨は理解しました。お父さんにはおそらく相続税がかかりそうな程度の資産があるけど,いま対策など何もしていない。そのような話をすることなくここまで来たが,相続税が心配になってきた。対策は早く着手するほうがいいと聞く。それは本当なのか確認したうえで,本当であれば父親に切り出してみたいと,そういうことですね。

結論。

節税対策(相続対策)をするなら早いほうがいいです。

その理由のいくつかを,以下に説明してみます。

 

節税対策(相続対策)のキモは?

「相続対策」にもいろいろあります。あなた含め,共同相続人間で遺産の取り合いなど紛争が起こらないように対策する「争族対策」も相続対策の一つであり,重要です。しかしあなたが一番必要として知りたいのは「節税対策」のほうですね。要するに,相続税を節約したいということでしょう。節税対策でできることは大きく二つ。

  • 相続税の課税財産を減らす(及び増えるのを予防する)
  • 相続税の基礎控除を増やす(孫との養子縁組など)

このうちより重要なのは,相続税の課税財産を減らすことです。そして相続税の課税財産を減らすためには,,,

  • 法定相続人や孫に生前贈与する
  • 生命保険契約をして保険料を支払う(生命保険金の非課税枠を活用)
  • キャッシュを不動産にかえて計算上の財産的価値(相続税評価)を下げる
  • 生前にお墓を買う(祭祀財産は相続税の非課税財産)
    などなど方法があります。

さて,ここまで説明したところで,結局あなたが知りたいのは,これらの行為(節税対策のための具体的な行為)を行ううえで,早く始めるのがいいのか?ということですね。

 

節税対策(相続対策)は早く着手するのが有利である理由

結論としては,冒頭記載のとおり,早く始めるのが有利。早い者勝ちだ,ということです。ではその理由をいくつか列挙してみましょう。ここでは各対策について細かい説明はしません。また種々考えられる技術的な方法にも触れません。少し考えただけでも,早期着手が有利だな,と分かるポイントをお知らせするのみです。

では行きます。

生前贈与の非課税制度を利用するチャンスを逃してはいけない

節税対策のキモ,生前贈与について,これを特別に非課税とする制度がいくつか設けられています。どれも資金使途が限られていて,時期が過ぎると役に立たないか,非課税枠を十分に使いきれずに節税効果が薄れます。節税対策のための生前贈与をするのにとても有利な非課税枠を利用するには,節税対策への早目の着手が大事な所以です。

  • 住宅取得資金贈与(直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税)
  • 教育資金贈与(直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税)
  • 結婚・子育資金贈与(直系尊属っから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税)

毎年110万円ずつ贈与する期間は長いほうがいい

年間110万円までの贈与には贈与税がかかりません。贈与税の基礎控除額は毎年110万円だからです。これ以下の贈与なら申告する必要もありません。この贈与,資産家にとっては少額で,あまり節税のイメージが湧かないかもしれませんがとても有効です。なぜなら,贈与を受ける相手方の身分や人数に制限がないからです。例えば5人の子供や孫に年間110万円ずつ贈与し,10年し続けたらどうでしょう?なんと5500万円もの贈与を贈与税関係の負担なしに実行でき,その分だけ相続税の課税財産が減るのです。これだけで,父親の財産が基礎控除を下回って,相続税の課税がなくなる人も多いでしょう。この贈与は,着実に,長くやらないといけない。贈与を受けられる人が限られる場合は,より長く贈与しつづけることで効果が大きくなります。

収益不動産を贈与するなら早いほうがいい

賃貸アパートや賃貸マンションなど,収益不動産(建物)は真っ先に贈与すべき財産です。なぜなら,これをそのまま父親の所有にしておくと,毎年賃料収入が蓄積して,相続税の課税財産が増えてしまうからです。贈与すれば,今後の収入は,贈与を受けたあなたに帰属します。場合によっては相続時精算課税制度を使って,とにかく高収益の物件を先に贈与するのも有効な節税対策です。早く贈与すればするほど,賃料収入による相続財産の蓄積を予防する効果が高まります。

子供への贈与は3年前までにしなければいけない

孫もいるけど孫には贈与されたくない。とにかく法定相続人で子供であるあなただけが,生前贈与を受けたいと考えておられる場合。こういうケースは結構あります。毎年110万円の贈与,相手方が多いほうが有効と言えど,贈与すれば財産の行き先が確定するので,あなとしては,できるだけ自分が直接もらいたいでしょう。しかし,あなたなど,法定相続人への贈与のうち,3年以内したものは,「みなし相続財産」になって,相続税の課税財産に含まれてしまうのです。直前に相続人に贈与すると,相続税の計算上は戻し計算し,財産を贈与していなかったと同じ取扱いを受けるのですね。なので,推定相続人・法定相続人であるあなたが,自分への贈与を望む場合は,父親が元気なうち,なるべく早期に十分な贈与をしてもらって,みなし相続財産にならない範囲に贈与財産を持っていくことが大事なのです。

不動産を購入するだけで節税になるから

現状,不動産は,購入するだけで節税になります。つまり,相続税の課税財産が減ります。不動産の価格にはいろいろありますが,一般に,市場での取引価格が一番高く,相続税評価として用いる土地の路線価や建物の固定資産税評価額はこれより低く設定されています。なので,簡単にいうと,現金で持っているより不動産を購入して財産を不動産に変え,相続が終わった後に売却して現金化すれば,相続税を節税することが可能です。

また,収益物件を購入して父親もそこに住めば,土地や建物の財産評価はかなり小さくなります。すなわち土地は貸家建付地の評価が,建物は貸家の評価ができます。また小規模宅地等の特例を受けることもできるので,不動産の財産評価を著しく減らすことができます。

もっとも,不動産の売買取引には不動産業者の仲介手数料登記費用等の諸費用・諸経費がかかります。なので,これらを控除しても十分節税効果のある不動産だけが購入対象になります。不動産購入はタイミングが大事ですから,条件の良い物件を購入するためには,早期に計画を立てて,物件情報を収集し,準備をしなければ成功しません。

遊休地に収益物件を立てて節税するために

遊んでいる土地があれば,収益物件を建築して貸し出せばかなりの節税になります。土地や建物の財産評価を相当抑えることができるからです。建物の建築費は借入で賄うこともできるでしょう。ただし,市場調査,ニーズに合致しつつも低コストな建物の設計・建築などなど,利回りのいい収益物件を経営するには相当なノウハウが必要です。なので,法律の専門家や良心的な不動産業者の援助を受けて,時間をかけて取り組むことが肝要です。焦ってはきっと失敗します。繰り返します。このような節税方法を採用するには,早期に着手してゆっくり取り組むことが必要なのです。

地価の高い場所に引っ越して節税する

父親が地価の低い田舎に住んでいる場合,地価の高い都市部に住み替えるのも節税対策に有効です。あなたが同居し,後を継いで住めるような最新の不動産物件にしておくとよいです。そうすると,小規模宅地等の特例の適用が受けられるので,330㎡まで80%減にて当該土地(自宅敷地)の財産評価ができます。不動産の価値を2割まで減じることができるのです。しかし,父親が住み慣れた田舎を離れて,地価の高い都市部に生活の本拠を移し,そしてそこに骨を埋めるには覚悟と準備が必要です。どうせ住むなら環境がよくて利便性が高いところを選びたいです。不動産は一期一会なので,節税対策にぴったりで,かつライフスタイルの観点からビビッとくる不動産を見つけるには時間がかかります。よって早期によい不動産を探し始めることが大事になってきます。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

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