相続大全集

ゴルフ会員権の値段はどうやって計算するのか,相続税の評価方法をお教えします

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ゴルフ会員権の相続税評価

仕事をやめて最近体も弱ってきた父親の財産を整理しています。祖父も認知症で大変だったので,父親については,今後遺言書や任意後見契約などを締結して私が財産管理をしていこうと思います。先日自宅を整理していると,机の引き出しから,ゴルフ場からの案内文書がたくさん出てきました。父はゴルフが大好きで,毎週のように通っていたんですが,確か複数のゴルフ場の会員になっているとかいないとか言っていたような記憶がよみがえってきました。これが,会員向けの案内文書なのでしょうか。ともかく今度連絡先に電話して確認してみようと思います。ところで,もし父親がゴルフ場の会員になっていて,会員権?を持っていたとしたら,これって財産として見られるんでしょうか?父親は相続税がかかりそうなので,財産が増えるのが少し気になっています。

ゴルフ会員権の相続税評価ですね。では今日は,ゴルフ会員権が相続税においてどういった財産評価を受けるのか説明します。しかしその前にゴルフ会員権というものの法的な性質を簡単に説明しておきますね。

ゴルフ会員権の法的性質

簡単にいうと,ゴルフ場の会員メンバーになって,組織としてそのゴルフ場の維持,管理,発展を支えるとともに,何らかの優待をもって当該ゴルフ場でゴルフのプレーをすることができることその他の権利義務の総体とでも言えるでしょうか。ヨーロッパの各種のクラブ制度を模したものでしょう。法的には,一応,以下のとおり分類できます。

社団法人制

ゴルフクラブを経営する社団法人を作って,会員がその構成員となってクラブ運営をする形態です。会員は,法律上,社団法人の社員となります。社団法人の社員の地位は,原則として相続対象になりません。社員の死亡は,社団法人の,法定退社事由になります。

株主会員制

ゴルフクラブ(ゴルフ場)は別組織の株式会社が経営することとし,クラブ会員は,その株式会社に出資して株主となる形態です。クラブを経営する株主会社の株主の地位は株式であり,相続の対象になります。

預託会員制

ゴルフクラブ(ゴルフ場)は別組織の株式会社が経営するが,クラブ会員は,その株式会社に預託金を預けて,ゴルフクラブ(ゴルフ場)の施設の優先利用権等を,その株式会社との契約によって取得するに過ぎないもの。会員の地位は契約によって決まるので,相続の対象となるかどうかも個別約定によります。

ゴルフ会員権の相続税の財産評価

基本的な考え方

上記のゴルフクラブの法的性質は,あくまで民事法的なものです。前にも生命保険金のみなし財産にからみお話しましたが,民法上,民事法上,相続の対象になるかどうかと,相続税法上の課税財産になるかどうかは,「直接には」関係しません(もちろん密接に関係しますが)。

財産評価のじっさい

前置きが長くなりましたが,具体的な評価方法に進みます。まず,最初に,相続税の課税財産として評価しなくてもよいものと,財産評価が必要であるものに分けます。財産評価が必要であるものは,またその性質によっていくつかに分けて評価します。以下,分類と評価方法のポイントをまとめて説明します。

評価しなくてもよいもの(相続税がかからない)

国税庁の財産評価基本通達では,次のようなゴルフ会員権は,その評価をしないこととされます。

「株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等(以下「預託金等」という。)がなく、ゴルフ場施設を利用して、単にプレーができるだけのもの」

つまり,,以下四つの条件を全部満たす場合は,相続税を考えなくても結構です。

  • 会員になるのに株式の所有を必要としない。株式を買わなくてもいい。
  • 会員としての権利を他人に譲渡できない
  • 返還が受けられる預託金等がない
  • 要するに,ゴルフ場でゴルフができるだけの会員権である

財産評価が必要であるもの(相続税がかかる)

取引相場のある会員権

課税時期の取引価格*0.7=取引相場のあるゴルフ会員権の相続税の財産評価額

なお,取引価格に含まれない預託金等があるときは,その返還を受けれられる時期に応じて算出した金額をこれに加算して評価します。

取引相場のない会員権
株主となることが必須の会員権

株式の評価額=取引相場がなく,株主となることが必須のゴルフ会員権の相続税の財産評価額

預託金等を預託すればいい会員権

預託金などの金額=取引相場がなく,預託金等を預託すればいいゴルフ会員権の相続税の財産評価額

株主となり,かつ預託金などを預託する会員権

株式の評価額+預託金などの金額=株主となり,かつ預託金などを預託するゴルフ会員権の相続税の財産評価額

さてどうする?

父親のゴルフ会員権の財産評価を知りたいあなたがとるべき手順は次のとおりです。

  1. クラブに電話して,会員権の権利内容を調べる。具体的には,規約や会則を送ってもらう。
  2. 上記に当てはめて計算する。

といっても,株式の評価や預託金のことは一般の人には計算・理解しがたいでしょう。なので,詳しいところまで知りたければ,やはり専門の税理士に相談することが必要です。お知り合いがいなければ,明徳司法書士事務所にご相談ください。

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