相続大全集

相続税の金額から引くことができる税額控除について知っていますか?

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相続税の税額控除

父親が亡くなって,少し落ち着いたので,遺産整理業務を司法書士さんに依頼しようと遺産をピックアップしていたんですが,どうやら相続税がかかりそうなんです。ところで,相続人がしはらうべき相続税額から引ける税額控除という制度があると聞いたんですが,それはどういうものですか?

相続税の税額控除とは?

はい。相続税法には,「各人の相続税額」から引くことができる税額控除の制度があります。各人の相続税額から税額控除した後に残るのが,「各人の納付すべき相続税額」であり,最終的に支払うべき税金の金額です。

言葉がややこしいですね,,覚えなくていいですよ。

要するに税額控除とは,相続税の計算の最終段階で,税額から直接に所定の金額を控除できる仕組みだと理解しておいてください。

税額控除の位置づけ

相続税額を計算する流れは以下のとおりです。税額控除の位置づけは,最後の最後に強調したところ,クライマックスの段階に出てきます。これまたややこしいので覚えなくてもよく,税額控除がどの局面で出てくるのかイメージだけ持っておいてください。

「各人の課税価格」を計算する

  1. 相続・遺贈によって取得した財産に「みなし相続財産」を足す。
  2. 非課税財産と債務及び葬式費用を引く。
  3. 相続開始前3年以内のの贈与を足す。

「課税遺産総額」を計算する

  1. 各人の課税価格を合計する。
  2. 基礎控除額(3000万円+600万円*法定相続人の数)を引く。

「相続税総額」を計算する

  1. 法定相続人法定相続分に応じた取得金額(課税遺産総額*各法定相続人の法定相続分)を出す。
  2. 各法定相続人の税額(各法定相続人の法定相続分に応じた取得金額*相続税率)を出す。
  3. 相続税総額(各法定相続人の税額の合計)を出す。

「各人の納付すべき相続税額」を計算する

  1. 各人の相続税額を出す。
  2. 身分による相続税の2割加算をする(1親等の血族又は配偶者以外の相続人・受遺者)。
  3. 税額控除をする。 ←これ!!

税額控除の種類

では,税額控除にはどのようなものがあるのかを確認して終わりにします。税額控除には次のものがあります。あなたが相続税額から引けるとして聞かれたのは,どの控除でしょうか?配偶者控除でしょうか?それとも暦年贈与の贈与税の控除でしょうか?

暦年課税分の贈与税額控除
相続開始前3年以内の贈与財産に贈与税が課税されている場合は,その人の相続税額から贈与税額を控除できる。

配偶者の税額軽減
配偶者が遺産分割や単独相続によって実際に取得した財産に限って一定額を限度として税額軽減される。

未成年者控除
日本国内に住んでいる(又は日本国籍を持っていて,相続開始前5年以内に日本国内に住んでいたことがある)20歳未満の相続人がいる場合に一定額が控除される。

障害者控除
日本国内に住んでいる障害を持つ相続人がいる場合に一定額が控除される。

相次相続控除
今回の相続開始前10年以内に,被相続人が相続が遺贈などによって財産を取得して相続税が課税されていた場合に所定の計算式によって算出された一定額が控除される。

外国税額控除
相続や遺贈などによって外国にある財産を取得し,外国において相続税が課税されている場合は,相続税額がその額を控除できる。

相続時精算課税分の贈与税額控除
相続時精算課税制度適用財産に贈与税が課された場合には,相続税額からその贈与税額に相当する金額を控除できる。

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