相続大全集

公証役場に行かずに自分で書いた遺言は無効だと思っていませんか?

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

自筆証書遺言

遺言書を作るなら公証人役場で作成する公正証書遺言にすることをお勧めします。

しかし

公証人役場で公証証書遺言を作らなくても遺言はできます。遺言書は作成できます。

どうやって?

いや,自分で手書きすればいいんです。便箋などの紙と筆記用具,そして認印があれば自分で遺言書を作ることができます。そうやって自分で作った遺言書を「自筆証書遺言」といいます。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

公証人役場で作る公正証書遺言とか,自分で書く自筆証書遺言とか,そういう遺言書の作り方の種類のことを,「遺言の方式」と呼んでいます。遺言は必ず法律にやり方が書いてある遺言の方式に則って作らないと無効になり,そのことを「遺言の様式性」とか「遺言は要式行為である」とかいっています。

少し脱線しますが,民法という法律には次のような遺言の方式が書いてあるんですが,一般的に採用されるのは,公正証書遺言と自筆証書遺言です。

 

遺言の方式

普通方式

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

特別方式

危急時遺言

隔絶地遺言

 

これで分かるように,法律には自分で書く自筆証書遺言の方式が規定されており,自分で書く遺言は遺言の方式として認めらています。よって,例えば両親に手書きで書いてもらった遺言書は無効ではない,つまり有効であるということができます。

 

自筆証書遺言の方式(要件)

ただしここで注意しなければいけないのは,手書きで書いた遺言書は何でも有効!というわけではないことです。手書きで書く自筆証書遺言の方式で遺言書を作る場合,これだけの要件を備えておかないといけませんよ,と法律には書いてある。つまり,もうちょっと突っ込んで「どういう風に手書きで書けばいいか」を押さえておかないといけないんです。

ではそれを見てみましょう。法律の条文はこうです。

民法968条
自筆証書によって遺言をするには,遺言者が,その全文,日付及び氏名を自署し,これに印を押さなければならない。
2 自筆証書中の加除その他の変更は,遺言者が,その場所を指示し,これを変更した旨を付記して特にこれに署名し,かつ,その変更の場所に印を押さなければ,その効力を生じない。

2項は書き間違えたときのやり方ですので置いておいて,1項を見ると,自筆証書遺言を作るときの要件が分かります。箇条書きにしてみます。

  • 遺言者が,全文を自分で書くこと
  • 遺言者が,日付を自分で書くこと
  • 遺言者が,氏名を自分で書くこと
  • 遺言者が,遺言書に印鑑を押すこと

これだけきっちり押さえておけば,自分で遺言書を書いても有効です。両親に自宅で遺言書を書いてもらっても法的に有効になります。つまり遺言書としてちゃんと使えます。

ただし,この要件等についてはいろいろと問題点というか解釈の余地がありまして,,少し考えてみると,この場合どうなの?ってことが出てきます。そのあたりの細かいことは,別の記事でお伝えすることにします。よかったらそちらもご参考にしてください。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

無料メール相談はこちら。司法書士が2時間以内にお答えします!

 

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

父親の事業・家業を相続で継ぐ(事業承継)のに遺言書が必要な理由を詳しく説明します

もし父親が会社の社長やオーナーで,あなたが将来父親が亡くなったときにその事業を継ぐ(事業承継・事業相続)予定をしているなら,父親の元気なうちに,父親に遺言書を書いてもらうことをおすすめします。いや,父親の生前に事業を引き …続きを読む

父親から相続で事業や家業を承継する場合の遺言書

自筆証書遺言を作成する(書く・書いてもらう)スケジュールを具体的にお教えします

遺言者が自分で書く遺言書,すなわち自筆証書遺言を作成するときのスケジュールを具体的に説明いたします。自筆証書遺言は以下のようなスケジュールで作成します。司法書士に相談して作成する場合を想定しています。   遺言 …続きを読む

自筆証書遺言の作成方法,作り方

親の土地を二つ分ける(分割・分筆)と相続税の節税になる理由を説明します。

土地を二つに分けると相続税を節税できる場合があります。それもかなり大きく節税できる可能性が。今日はその理由とやり方について簡単に説明します。   土地を二つに分けると土地の相続税の財産評価を下げることができるか …続きを読む

親の土地を分筆して相続税を節税

遺言書で財産をもらった人が遺言書(遺贈)を放棄する方法を説明します

日本の相続制度は遺言相続が優先することになっています。つまり被相続人が遺言書で遺した遺志が一番大事で,遺言がない場合にはじめて法定相続の法律の規定によって遺産相続が処理されます。また,遺留分など,遺言書によっても奪うこと …続きを読む

包括遺贈の放棄 特定遺贈の放棄

国債とか社債にも相続税が?国債社債の相続税評価についてお教えします

父親は定年まで地方公務員として働いてきて,定年後も嘱託という形でつい先日まで仕事をしていました。しかしいよいよ隠居して老後の生活を楽しんでいるようです。父親は昔から職業柄大変堅実で,浮ついたことには一切縁のない人生でした …続きを読む

国債や社債の相続税の財産評価