相続大全集

法律で決まっている相続分を自分たちで変更してもいいことを知っていますか?

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法定相続分と異なる遺産分割

法律(民法)では相続があった場合に誰が相続人になるか決まっていてこれを法定相続人と呼ぶと。それから,各相続人の取り分も決まっていてこれを相続分と言うらしい,,,正確なことはよく分からないがなんとなくそんなことらしい,,と皆さんご存知のことと思います。

それはそのとおりであり間違ってはいません。亡くなった人が遺言書を作っていなかったら,誰が遺産を相続するのか決まらないので,法律は「遺産を誰々が相続しなさい」とルールを定めています。そして法律は,誰と誰が遺産を相続することになるか,その組み合わせによって,「それぞれがどれだけの遺産を取得するか」という遺産の取り分をも定めています。法定相続分です。

さてそこで問題です。遺言書が作成されていない相続では,相続人は,法律が定めている法定相続分のとおりに遺産分け(遺産分割)をしなければいけないのでしょうか。必ず法定相続分のとおりに遺産相続しないといけないのか。

相続人は法定相続分のとおりに遺産分割をしないといけないか

結論から言うと,答えはNOです。相続人は,必ずしも法定相続分のとおりに遺産分割をしなくてもかまいません。法定相続分を無視して遺産を相続していい。そういえばみなさん,いろんなところで,長男が全部相続したとか,両親の面倒をみた次男夫婦が遺産全部をもらったとか聞いたことがあるはずです。あれは何も違法ではなくて,全く問題のないことです(もちろんちゃんと遺産分割協議などしていれば)。

法定相続分というのは,遺言書がない場合に備えて,法律が相続分の基準を示しているもの。このとおりにきっちり遺産分割をして遺産の最終相続をしなければいけない趣旨ではありません。

つまり,法律で決っている相続分を自分たちで変更してまったくかまわない訳です。

法定相続分のとおりに遺産分割しなくても贈与税などがかからないか

なるほど法定相続分のとおりに遺産分割をしなくていい,遺産分けをしなくていいとしても,そういうことをすると何か税金がかかるんじゃない?と心配される方もあるかと思います。

これまた結論から言うと,法定相続分のとおりに遺産分割をしなくても,特に何か特別に税金がかかったりしません。

ちょっと整理しておきます。法定相続分のとおりに遺産相続しないと言っても,やり方は二つほどあります。ここで説明している「遺産分割」によるものと,「相続分の譲渡」によるものです。相続の流れをごく簡単に確認しましょう。

  1. 相続の開始
  2. 相続人をはっきりさせる
  3. 相続分をはっきりさせる
  4. 遺産分割

相続は人の死亡によって開始します。遺言書がなければ法定相続になります。まず最初に相続人をはっきりさせましょう。家庭裁判所で正式な相続放棄をしたりすれば相続人から除外されます。相続人が決まったら,次に相続分をはっきりさせます。生前贈与をいっぱい受けている場合の特別受益や,亡くなった人の財産の維持増加に特別に貢献している人がある場合の寄与分などがあれば,法定相続分は修正されます。あと,相続分の譲渡といって,自分の相続分を他の相続人に譲り渡すこともできます。これがあると,法定相続分は修正されて,譲渡人の相続分は減るか無くなって,譲受人の相続分は増えることになりますね。相続分が決まったら,その相続分のとおりに具体的な財産を割り振っていきます。相続分のとおりに割り振るといっても,きっちり割り振るのは大変なので,多少は相続分と異なる遺産分けになっているのが普通でしょう。このときに相続分とまったく異なる遺産分け,つまり遺産分割をすることもできます。これは上記でお話ししたとおりです。

共同相続人の意思によって,法定相続分のとおりに相続しないのは次のケース。

  • 相続分の譲渡があった場合
  • 相続分と異なる遺産分割協議をした場合

いずれの場合においても,これによって特別に贈与税などがかかることはありません。

もっとも,以下のようなケースには注意してください。

法定相続人以外の第三者に相続分を無償譲渡した場合

この場合,譲受人には贈与税がかかります。相続人ではない人が財産を無償で譲り受けるのは贈与そのものだからです。

代償分割で,相続財産を相続する代わりに自分の別の不動産を譲渡する場合

代償分割とは,相続財産をある相続人が相続する代わりに,他の相続人には,相続財産を相続する相続人がもとから持っていた財産を譲渡するような遺産分割です。住宅しか遺産がない場合に,長男が同居している住宅をそのまま相続して住み続ける代わりに,二男には自分の貯金からいくらかお金を支払って納得してもらうようなケースのこと。このお金が代償金ですが,代償金はお金じゃなくてもなんでもいい。他の不動産をあてることもできます。もし相続財産を相続する代わりに別の不動産を他の相続人に譲渡すれば,これは資産の譲渡となり,譲渡した相続人に譲渡所得税がかかります。

代償分割で,相続分を超えて代償金等を支払う場合

代償金等は相続分の代価として支払うものです。その限りにおいて問題ありません。ただ,相続分を超えて代償金等を渡した場合,相続分を超える財産の譲渡は相続と関係ありませんから,もらったほうには贈与税がかかります。

こちらでは遺産分割協議(書)の具体的なやり方や作り方を全部説明します!

遺産分割協議のやり方と遺産分割協議書の作り方

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遺産分割調停の話合いを家庭裁判所に申請(申立て)する方法

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