死亡(しぼう)

人が死ぬことです。人が死ぬことと法律との関係をいくつか紹介します。

1 人が死んだら法的にどうなるか
民法上は、権利能力を失います。権利義務を持つことはできなくなります(権利義務の主体ではなくなる)。つまり民法上人ではなくなります。死亡によって、配偶者があるときは婚姻関係が解消し、また相続が開始します。
刑法上は、生きている人を対象とした犯罪の客体となる能力を失います。保護法益が著しく減少し、以降適用される刑罰が死体損壊など一部に限定されます。
その他、一定期間内に戸籍法による死亡届を提出し、各種の私的公的な手続きをする義務が生じます。

2 いつ人が死んだと考えるか
三徴候説(呼吸・心臓・瞳孔)が通説ですが、脳死説も有力です。なお、臓器移植法は、脳死説にもとづいて立法されています。

3 死亡を確認できなくても法律上死んだと取り扱われる制度
民法には、「失踪宣告制度」があります。長い間生死が分からない人を裁判所が死んだと見做して法律関係を整理する制度です。
戸籍法には、「認定死亡制度」があります。災害(水害、火災等の事変)時に死体が確認できなくても、災害によって死亡したことが確実である場合は、捜査機関の認定と市町村への報告によって死亡を推定して、戸籍上死んだと取り扱う制度です。