相続(そうぞく)

一般的には,ある人間が持っている権利や義務を包括的に別の人に引き継いで承継させる法的な仕組みのことです。ただし,現在の日本の法律では,もう少し範囲が狭くなります。つまり,「人の死亡を原因として,亡くなった人の財産的な権利義務を,包括的に一定の範囲の相続人に承継すること」です。以下,現在の日本の法律にいう「相続」について若干説明します。
相続は,人の死亡によって開始します。人が死亡すると,その人の持ってた財産的な権利義務が全部一定の範囲の相続人に引き継がれます。ただし,亡くなった人の一身に専属した権利義務は相続されません。その人しかできないものは引継ぎようがないからです。相続人には,相続分という取り分があります。誰が相続人になるかによって,取り分の割合は変わります。相続人は,遺産分割という遺産分けにより,個別の財産の具体的な分配を受けます。
相続の仕組みは,次のような目的のためにあると考えられています。

・遺族の生活を保障するため
・相続がないと財産が宙に浮くので国がこれを管理して再分配するのが面倒だから

なお,日本の相続は,遺言書があれば大幅に内容が修正されます。遺言による相続を,遺言相続といいます。遺言相続は,法定相続に優先します。
ちなみに,戦前の日本の法律では,財産以外の身分なども相続の対象になりました。「家督」「家」「戸主権」などというのがそれです。