内縁(ないえん)

社会的実体としては夫婦生活共同体の実質を持ちながら,戸籍法による婚姻届をしていないばかりに,法律的な夫婦と認められない男女関係のことです。事実婚という言葉も同じ意味で用いられます。

内縁関係,事実婚関係については,法的な夫婦でないものの社会的には夫婦の実態を備える故,これにどういう法律的な保護(権能)を与えるかが問題になります。裁判所は判例により,さまざまな事柄について法律婚と同様の権利を付与してきました。次のようなものです。

  • 夫婦間の同居・協力・扶助義務
  • 貞操義務
  • 婚姻費用(婚費)の分担
  • 関係解消時の財産分与請求権
  • 相手方死亡による損害賠償請求権
  • 相続人不存在の場合に特別縁故者として考慮すること
  • 相続人がいない場合の建物賃借権の承継
  • 相続人がいる場合の建物賃借権の援用
    など

しかしながら,法律婚という制度がある以上,内縁(事実婚)関係に以下の制度は適用されません。

  • 子の嫡出推定
  • 配偶者相続人としての相続権
    など