法定後見制度(ほうていこうけんせいど)

「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」がある場合に,一定の者の申立てにより家庭裁判所が関与し,この者について後見開始の審判をして,同時に後見人を選任し,この後見人に保護されるべき本人(成年被後見人)の財産管理や法律行為を代わって行わせることにより,本人の権利保護をはかる民法上の制度です。

法定後見制度は,保佐制度や補助制度と並んで,判断能力に問題がある成人の権利を保護するために準備された成年後見制度の一類型です。

成年後見制度においては,判断能力を完全に欠いている成人にはこの法定後見人が,判断能力が著しく不十分な者には保佐人が,そして判断能力が不十分な者には補助人が,それぞれ選任され,制度の適用類型を異にします。つまり,本人の判断能力の残存程度,つまり保護の必要性の程度に応じ,保護者の権限に強弱がつけられているのです。これは,本人の残存能力を活かし,可能な限り本人が自分で自分のことを決めていくべきだという理想にもとづきます。本人の自己決定と,保護の必要性のバランスをとっているわけです。

ちなみに,成人(成年)ではない未成年の者の権利保護は,法定代理人である親権者又は未成年後見人が担います。