株式会社等の会社は,社名(商号)や所在(本店),資本金の額,役員等を,いわゆる登記簿という国の帳簿に記載して公開することが,法律上義務づけられています。
これは,会社と取引をしたい人が,その帳簿に記載された内容を見ることによって,この人は本当に社長で代表権があるのか,資本金は十分にあるのか,会社の業務に含まれた取引と言えるのかといった重要な情報を知り,迅速に取引に踏み切る判断材料とするためです。このようなものがなければ,相手方は,不安で,その会社との取引に踏み切ることが出来ないでしょう。
しかし,会社にもプライバシーがありますので,何でもかんでも登記簿に記載して,公開する義務があるわけではありません。公開内容は,法律で定まった内容に限られていますので注意が必要です。
皆様が,商業登記に関わるケースとしては,以下のようなものがあります。
1. 会社を設立したいのですが?
会社は,会社法という法律にもとづいて設立します。会社には,大きくわけて,株式会社と持分会社があり,このうち持分会社はさらに合名会社,合資会社,合同会社に分類することができます。
法律は,どのような規模で事業をしたいのか,事業の中心メンバーや出資者は誰で,どのように組織を管理するのか,それぞれの利益の配分はどうするのか,責任はどうするのかなど様々な要望に応じて,細かく,かつ自由に会社の種類や内容を設計することができるようになっています。
例えば,小規模な株式会社であれば,資本金は1円から,そして役員は取締役1名から,会社を立ち上げることができます。いずれにしろ,会社設立の目的や会社の規模に応じて,設立する会社の種類や内容を選択しなければなりませんので,ある程度専門的な法律知識が必要になります。
詳しい内容はご相談のうえ決定いたしますが,まずは社名(商号),会社の所在(本店),事業内容(事業目的),役員候補者等を検討して,司法書士にご相談ください。
2. 現在有限会社を経営しているのですが株式会社に変更するには?
ご存知のとおり現在経営しておられる会社は特例有限会社としてそのまま経営を継続することができます。一定の事項を除いては,現在の法律が適用され株式会社としての法的規制に服します。
しかし名実ともに完全な株式会社となるには,一定の手続が必要です。実体法上は,株主総会を開き,特例有限会社の定款を変更して,商号を株式会社にするのみで足ります。しかし手続法(登記法)上は,特例有限会社の解散登記と,株式会社の設立登記を行わなければなりません。
特例有限会社を株式会社に移行する必要が生じたら,司法書士に相談してください。
3. 役員変更登記を怠って,過料の請求がきたのですが?
取締役の任期は通常選任後2年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結のときまで,監査役の任期は,通常選任後4年内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結のときまでとされています。任期が来た際,同じ人が取締役や監査役になる場合でも,法律上は,一旦任期満了によって退任し,新たに選任をするという手続が必要であり,その旨の登記も必要になります。
だから,役員の選任自体を怠ったり,登記を怠ったりすると,過料の対象になりますので,お忘れのないようにお気をつけください。
なお,非公開会社(株式譲渡制限のある会社)においては,上記の2年や4年を,最大10年にまで伸長することができますので,場合によっては定款変更を検討してもよいかもしれません。
4. 会社の営業種目を増やしたいのですが?
会社の営業種目は事業目的として登記されています。会社の事業目的を変更するには,株主総会の定款変更決議を経た上で,登記手続を行う必要があります。会社の事業目的を変更したり,拡大したりする際は,司法書士に相談してください。
5. 会社の資本金を増やしたいのですが?
株式会社が資本金を増やす,いわゆる増資をするには,募集株式の発行という手続が必要です。募集株式の発行をするには,その会社の態様に応じて,株主総会や取締役会において,各種の募集事項を決定する必要があります。
募集株式の発行においては,新たに今まで会社に出資をしていなかった人を株主として招き株式を割り当てたり,現在の株主に新しい株式を割り当てたりして,その対価として金銭等を払い込ませ,資本金を増やします。
募集事項の決定や,募集株式の発行にともなう登記手続には専門知識が必要になりますので,まずは司法書士にご相談ください。














