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遺産分け(遺産分割)マニュアル!「いつ」「どこで」「誰が」「どうやって」

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相続人が誰で,それぞれの相続分の割合は分かったけど,そっからどうしたらいいの?誰がどの財産を相続するのかどうやって決めたらいいのか分からない?という場合があります。

相続人の相続分の割合が分かっただけでは相続の手続は前に進みませんね。そうです,具体的な財産を,その相続分に合うように割り振っていかないといけないのです。この具体的な財産の割り振りをおこなう遺産分けの手続のことを,法律では「遺産分割」といいます。

ここでは,その遺産分割をどうやって進めたらいいのかについて説明します。つまり,「いつ」「どこで」「誰が」「どうやって」遺産分割を進めるのかについて詳しくお教えします。これを読んでいただければ,あなたが何となく分からないと思っていた遺産分割のやり方が分かります。

ところで,遺産分割を,「いつ」「どこで」「誰が」「どうやって」するのかは,法律では四種類決められている遺産分割の方法のうち,どの方法で遺産分割をするかによって変わってきます。ですので,内容に入る前に,法律で決められている遺産分割の四つの方法について,簡単に整理しておきます。

遺産分割の方法が整理できました。では,本題に入りましょう。

 

指定分割の場合

「いつ」

亡くなった人が遺言で指定する方法ですから,亡くなった人が遺言書を作成したいと思った時です。

「どこで」

自分で遺言を書く自筆証書遺言の場合は,どこで書いてもかまいません。公正証書遺言の場合は公証人役場でします。

「誰が」

亡くなった遺言者が自分でします。公正証書遺言の場合は公証人や証人も関わってきます。

「どうやって」

「長男には住宅を,次男には預貯金を」というような感じで,遺言書の中に書きます。

 

協議分割の場合

「いつ」

法律では,遺産分割協議を,いつまでにしないといけないと決まっているわけではありません。だから,相続人は,いつでも遺産分割の協議をすることができます(ただし,亡くなった人が5年以内の期間遺産分割を禁止した場合は,その間はできません)。ただし,遺産分割の協議ができないと,遺産の相続手続がまったくできません。だから,じっさいには,「なるべく早く」遺産分割協議をしたほうがいいです。それが現実的です。

「どこで」

遺産分割協議は契約のようなものなので,どこでしてもかまいません。

「誰が」

「相続人全員」でしなければいけません。遺産分割協議は,亡くなった人の遺産をどうするか決める話合いなので,一部の人だけで決めても無効です。当然,不動産や金融機関も,全員で遺産分割協議をしないと手続を認めてくれません。
行方不明の人がいる場合は,「不在者財産管理人」という代理人を裁判所に選んでもらって参加させないといけません。
また,未成年の子供と親が両方相続人になる場合は,子供と親の利害が対立するので,親は親権者として代理できません。「特別代理人」という人を裁判所に選んでもらって参加させます。とにかくちゃんと相続人全員でしないと無効です。

「どうやって」

さっき書いたように,遺産分割協議は契約のようなものなので,どこでどうやってしてもかまいません。法事の時に相続人全員が寄り合って話し合いをしてもいいし,誰か代表者がし切って,みんなのところを回って話合いをつけても大丈夫です。もちろん人によって内容が違うというのでは駄目ですが,同じ内容で合意さえできればいいのです。直接会ってしなくても,電話でも電子メールでもいいです。
ただし,話合いがまとまったら,「遺産分割協議書」という書類を作って,結果を書類にまとめておかないといけません。これがないと,後々もめごとになるかもしれないし,何より遺産の相続手続ができないのです。不動産も預貯金も,遺産分割協議書がないと手続ができません。遺産分割協議書は書き方が決まっているので,司法書士に相談するといいでしょう。

 

調停分割の場合

「いつ」

相続人で話合いができないとか,話合いをしたけど決裂したときにします。

「どこで」

遺産分割調停は家庭裁判所の調停室でします。

「誰が」

相続人の全員に加えて,裁判官と,家事調停委員がメンバーになって話し合います。

「どうやって」

最初に家庭裁判所に手続を始めてもらうための申立書を出さないといけません。相続人のうちの1人がなんとか頑張って申立人になりましょう。
書類を出すのは,相続人のうちの誰かが住んでいる場所の家庭裁判所です。申立書には,その写しを人数分と,戸籍戸籍などの相続関係を説明するための書類,そして遺産目録というような相続財産を説明する書類を付けて出します。
書類が受け付けられたら,裁判所が申立書の写しなどを付けて,相続人の全員に呼出状を送ります。裁判所が,話合いの日,つまり調停期日を指定してみんなを呼び出すのです
期日が来たら,家庭裁判所に行きます。調停は調停室でしますが,普通は相続人は控え室にいて,かわりばんこに相続人が調停室に呼ばれて話をします。
手続は裁判官が管理しますが,じっさいの調停期日は主に調停委員と話をします。調停委員にあなたの言い分を伝えて,調停委員がそれをほかの相続人に伝えます。ほかの相続人がまた調停委員に自分の言い分を伝えると,調停委員はそれをあなたに伝えます。
調停委員は,法律的なことだけじゃなく,社会的な常識や,その他のいろんな知識経験を相続人に話して,なんとか話合いがうまくまとまるように努力します。
もちろん調停委員は裁判所の人ですので,完全に中立です。相続人のうちの誰かの味方をすることはありませんので安心してください。
なんとか話合いがまとまったら,裁判所で調停調書という書類を作ります。まとまった内容を書いた書類で,裁判所で正式に作成するので,調停証書には法的な効力があります。だから,この書類を使えば,遺産相続の手続を進めることができます。
なお,話合いがまとまらなければ,次の手続に移ります。それが遺産分割審判の手続です。まとまらないからといって,そのままほうっておくことはできないからです。

 

審判分割の場合

「いつ」

普通は,遺産分割調停をやってみたけど,やっぱり相続人の話合いがつかない場合に始まります。つまり,遺産分割の調停が調わなかったときは,裁判書の中で,勝手に,調停から審判に手続が移ります。そのまま置いておいても遺産分割の問題は解決しないからです。ちなみに遺産分割調停をしないで,いきなり遺産分割審判を始めてくれと裁判所にお願いすることもできますが,普通はもう一度話合いからやります。つまり調停から始めます。

「どこで」

もうお分かりのとおり,遺産分割審判の手続は,家庭裁判所でしてくれます。

「誰が」

審判(決定という裁判です。判決のようなものと思ってください)を出すのは家庭裁判所の審判官,つまり裁判官です。相続人の全員で闘う裁判なので,当然,相続人全員もメンバーになります。

「どうやって」

審判の手続は調停のような話合いとは違います。相続人がそれぞれ自分の言い分を裁判官に伝えて,裁判官に最終決定をしてもらう手続です。調停のようにかわりばんこに調停委員に言い分を伝えるのではなくて,普通は相続人の全員が同じ部屋に入ってします。
相続人は,自分が知っている事実や法律的な考えを裁判官に伝え,それに関する証拠も提出しないといけません。
ただし遺産分割は家庭に関する裁判なので,自分たちが出した事実とか証拠だけで判断されるわけではありません。必要だと思えば,裁判官も積極的に事実や証拠を調べたりします。
なお,この裁判の途中でも,話合いができそうになったら調停をすることができます。
さて何回か審判の期日が過ぎて,もうこれ以上やっても結論が変わらないし,話合いで解決する見込みもないなと裁判官が考えたら,手続が終わって,結論が出ます。その結論のことを,遺産分割審判と呼びます。遺産分割審判が出ると,裁判所は,審判書という書類を作ります。
この審判書も,調停調書と同じく,裁判所が正式に作った書類なので,法的な効力があります。だから,これを使って,遺産相続の手続を進めることができます。
なお,審判の内容に納得がいかなかったら,不服申立てをすることができます。不服申し立ては,二週間以内にしないといけません。これを即時抗告といいます。不服申立てをすると,今度は,家庭裁判所ではなくて,高等裁判所がもう一回やり直すかどうか判断してくれます。

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