相続に関するAtoZ 遺産をもらう側

法定相続人でも相続人になれない三つのケースついて説明します

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法定相続人というのは,法律で,ある人が亡くなった場合に,遺産相続の相続人になると決められている人のことです(遺言があればまた別ですが,これは別のところで説明します)。

「身内の関係が近い順から相続するんでしょう?」という感じで,だいたいのことはご存知なのではないかと思います。

改めてごく簡単に説明すると次のとおりです。

第1順位 子
第2順位 直系尊属
第3順位 兄弟姉妹
別格 配偶者

※順位が先の者があればその順位の者だけが相続します。
※配偶者は別格で,常に,順位がトップの者と共同で相続人になります。
推定相続人(相続人になるはずの人)である子か兄弟姉妹が先に死んだりしているときは,その子(推定相続人が子の場合は直系卑属)が相続人になります。

ところで,このルールでいえば相続人になるとしても,次のような場合には,実は相続人にはなれません。??分かりにくいですか?もう少し詳しく言います。

相続人になるには,上のルールに当てはまっているほかに,次のルールに当てはまっていないことが必要なのです。これも法律に書いてあることです。

ここでは,当てはまってはいけないルールのほうを次のとおり説明します。

 

「相続欠格」に当てはまると相続できない

法律に書いてある相続欠格に当てはまると相続人になることができません。相続欠格とは,分かりやすくいうと,「こんな社会的に悪い奴にはとても相続をさせることができない」ということです。

具体的に説明しましょう。相続欠格に当てはまる人とは,このような人のことです。

  • 故意に被相続人や相続順位が有利な人を殺したり,殺そうとしたりで,処罰された人
  • 被相続人が殺されたことをちゃんと知っているのにこれを告訴告発しなかった人
  • 詐欺や脅迫をして,被相続人の遺言書に影響力を与えた人
  • 遺言書を偽造変造したり,捨てたり隠したりした人
    ※分かりやすくするために民法の条文を要約しています。

これは一見して分かりますよね?そんな人に遺産相続をさせるわけにはいきません。こんな人でも相続できるとなれば,世の中がめちゃくちゃになってしまいます。

 

「相続人廃除」に当てはまると相続できない

次に,家庭裁判所で,相続人廃除の審判を受けた人は相続人になることができません。相続人廃除とは,法律に書いている理由があったときに,家庭裁判所が,ある人の相続権を剥奪してしまう制度です。では,どういう理由があれば,家庭裁判所は,相続人廃除の審判をするのでしょうか。それは,次のような場合です。

  • 被相続人に対して虐待をした
  • 被相続人重大な侮辱を加えた
  • その人に著しい非行があった

どうですか?遺産を相続する人が,遺産を残す人に対して,こんなことをしていたらどう思いますか?普通は,「こんな奴に誰が俺の遺産を相続させるか!」と思いますよね。そこで,法律は,このような場合に,個別に,相続人の相続権を奪う方法を認めています。この相続人廃除というのは,実際に虐待や侮辱を受けた人が,こいつにだけは絶対に相続させたくないと思う場合に,裁判所に審査してもらって,個別に相続人の相続権を剥奪する仕組みです。逆に言えば,どんなに虐待などを受けても,「仕方ない,何があっても1人息子だ,遺産は継いでもらおう」と考える人は,裁判所の手続をしないでも言い訳です。

 

「相続放棄」をすると相続できない

家庭裁判所で相続人が自分で相続放棄をすれば,当然のことならが,相続人にはなれません。

相続が開始すると,相続人は,相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に,相続の承認をするか,放棄をするかを決めないといけません。承認とは,「全部引き継ぐ」ということで,「放棄」とは,「全部いらない,相続とは無関係になる」ということです。承認をする場合は何もしなくてかまいません。期間が経過すれば自然と承認したことになります。ただし,放棄をする場合は,家庭裁判所に書類を出して手続しないといけません。

遺産には借金が多い場合もあるし,自分は余裕があるからそもそも面倒なことにはかかわりたくないという人もいるでしょう。そんな場合,あなたは,相続放棄をしたいと家庭裁判所に書類を出してください。法律は,望んでも入ない人に無理やり遺産相続をさせるという仕組みにはなっていません。安心です。

 

まとめ

以上見てきたように,次のような場合には,親族関係では相続人になるけれど,実際には相続人になりません。

あなたが相続人になりたければ,このような理由に該当してはいけません。さすがにあなたが殺人事件を起こすことはないでしょうが,,遺言書を操作するようなことは絶対してはいけません。また,両親などの被相続人を虐待したり侮辱したり,非行が過ぎていると,知らない間に相続権を奪われていることもありますので,注意してください。また,遺産を継ぎたくない人は,家庭裁判所に相続放棄をすれば,相続人からはずれることができますので,これも覚えておいてください。

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