親が亡くなりました。いくつかの銀行に,預貯金の口座があり,いくらかのお金がそこにあります。四十九日の法要も済んだので,この預貯金口座を解約して相続人で分けたいと思います。銀行に聞いたら,預金口座の相続手続きをしないと解約や払戻しはできないと言われました。そして,手続きするにはたくさん書類がいるし,時間もかかるとのこと。これって本当でしょうか。預金を集めるときだけ向こうから何度もやってきて頭を下げていたのに,今度解約して引き出しそうとしたら,「そちら様で相続手続きしてください。それまで出せません」とはあんまりです。とはいえ,不平不満を言っていても始まりませんから,やるべきことをやっていきたいと思います。どうしたらいいのでしょうか。
はい。お疲れ様でした。かしこまりました。では今日は,故人が持っていた銀行の預貯金の相続手続きをして,解約払戻しをする方法を説明します。最初にちょっと理屈の話をして,現状を理解していただいたうえで,具体的な手続きの話をすることにします。
では,宜しくお願いします。
銀行の預貯金を相続するとはどういう意味か
銀行預金の法的な性質
皆さんが銀行にお金を預けたり引き出したりしている行為のもとになる銀行との約束事(預金契約)の法的な性質は,厳密には,「消費寄託契約」だと考えられています。消費というのは,預かった人が,預かった物品を使っちゃっていいということ。寄託とは,預けて託すこと。要は物品を保管してもらって後に返してもらうこと。なので,消費寄託契約とは,ある人がある人に金銭など代わりのきく物品を預け,預かった人はそれを自由に使ってしまうことができるけれども,返還時期には同じものを調達して預けた人に返さねばならない,このようなことを内容とする契約です。
(寄託)
民法657条 寄託は、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。(消費寄託)
同666条 第五節(消費貸借)の規定は、受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合について準用する。
2 前項において準用する第五百九十一条第一項の規定にかかわらず、前項の契約に返還の時期を定めなかったときは、寄託者は、いつでも返還を請求することができる。(消費貸借)
同587条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
預金者は銀行にお金を預けます。銀行はそのお金を他の人や会社に貸し出して利息をとって儲けます。預金者がお金を引き出したいといえば,他のお金を準備して返します。お金は色がついていないし代替ができるので,そのような契約が成り立ちます。つまり預金契約は消費寄託契約として成立しているのです。
さて,預金を引出す行為は,預金者が銀行に対して,預けたお金を返してほしいと請求する行為です。請求権の行使です。つまり,預金者は,銀行に対して,約束したとおりの時期に(普通預金ならいつでも,定期預金なら満期時に)お金を返せと請求する金銭債権を持っていることになります。
銀行預金を相続したらどうなるか
従来の裁判所の考え方(理屈では)
銀行預金の法的性質が消費寄託契約であり,預金の払い戻しを受ける権利が,消費寄託契約にもとづく返還請求権,つまり金銭債権であると分かったところで相続の問題に話を進めます。この金銭債権を,例えば複数の共同相続人で相続したら,それぞれの権利はどうなるでしょうか。
この点従来の判例は分割債権説を採用して,「相続開始とともに右債権は法律上当然分割され,各相続人はその相続分に応じて権利を承継する」としてきました。要は,金銭債権は数字で簡単に分けることができる可分債権なので,相続開始と同時に共同相続人に法定相続分に応じて当然に分割帰属するというわけです。
ということは,各法定相続人は,自分の法定相続分に相当する預金を,それぞれ銀行に請求して,個別に引出しができるという理屈になるはずです。
従来の銀行実務(預金の相続手続)
しかしじっさいの銀行実務はなかなかそうはなっていませんでした。トラブルを防止するために,銀行は,預金の相続手続きに法定相続人全員の協力を求めました。銀行が準備する書類等に相続人全員が署名と実印の押印をして,印鑑証明書を提出しないと,預金の引き継ぎと解約引出しができませんでした(銀行により例外あり)。なので,共同相続人の仲が悪い等により全員の協力が得られないと,銀行預金の相続手続きが進みませんでした。
従来の家庭裁判所実務(遺産分割審判)
ではそういうときに家庭裁判所で遺産分割審判をすればいいかというと簡単にはいきません。遺産分割審判は文字どおり遺産分割審判なので,判例のいうように,相続開始と同時に当然に法定相続分で相続人に帰属が確定してしまった銀行預金については「遺産分割の余地がない」からです。つまり銀行預金は遺産分割審判の対象にならないというわけです。もっとも,家庭裁判所は,銀行預金を遺産分割の対象にすることにつき「相続人全員の合意がある場合」には,銀行預金も審判対象としてくれました。しかし,先の事例のように,相続人の合意が得られないときは否です。銀行預金について遺産分割審判をしてもらい,その審判書をもって銀行に預金引出し請求をすることもできないのです。
したがって,そういうケースでは,相続人自ら積極的に,預金の引出しを求めて地方裁判所等に通常訴訟を提起せざるを得ない,なんていう不都合も起こり得ました。
新しい裁判所の考え方
しかし最近裁判所は従来の考え方を変更しました。
すなわち,平成28年12月19日最高裁大法廷判決は以下ように述べて,銀行預金は遺産分割の対象となるとしました。
「共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。」
また,平成29年4月6日最高裁判所第一小法廷判決は,信用金庫における定期預金、定期積み金についても、「共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである」と判示しました。
つまり,銀行預金債権は,共同相続人の遺産分割が終わるまでは,不動産や動産などと同じように,一つの金融商品として,「共同相続人全員の準共有」となるわけです。
この二つの判例により,銀行等の以下の商品(消費寄託契約による金銭債権)は,全部遺産分割の対象になることがはっきりしました。
- 普通預金
- 定期預金
- 通常貯金
- 定期貯金
- 定期積み金
これから(現在)の銀行実務
従来判例が分割債権説をとっていた当時すら相続手続きに相続人全員の関与を求めていたんですから,今後は当然に銀行預金の相続手続きに相続人全員の関与を要求するはずです。つまり,今後は,必ず,共同相続人の全員の手続きへの協力,関係書類への署名と実印の押印及び印鑑証明書の提出が必要になります。
これから(現在)の家庭裁判所実務
最高裁が銀行預金が遺産分割の対象となると示したのですから,今後,家庭裁判所における遺産分割審判は,「相続人全員の同意を不要として」当然に,銀行預金を審判対象としていくはずです。
大まかな手続きの流れ
さて,銀行預金の法的性質が分かったところで,預金の相続手続きをしていきましょう。まずは大まかな流れやイメージを押さえてください。大きな流れは次のとおりです。
- 銀行に相続の届出をして書類を請求する
- 送られてきた書類に必要事項を書き込む
- 戸籍や印鑑証明書等の必要書類を取得する
- 書類一式を銀行に提出する
- 2週間程度で手続きが終了しお金が振り込まれる
これでは抽象的すぎるので,今度は具体的な手続きの流れを説明します。
個別の手続き例(三井住友銀行)
事例の設定
相続にはいろんな種類パターンがありますので,1番よく見られるケースを想定して話をします。こんな感じでいかがでしょうか。
- 父が亡くなり,母とあなた,弟の3名が法定相続人である。
- 父が三井住友銀行大和王寺支店に普通預金口座(残高1000万円),定期預金口座(残高300万円)を持っており,貸金庫の契約もある。
- 遺産分割協議により預金については解約し,母が900万円,あなたと弟が200万円ずつ相続したい。
- なお,あなたが銀行とのやりとりを任されており,代表で預金を受け取った後母と弟に分配したい。
- 貸金庫に何が入っているのか良く分からないが,こちらも代表であなたが開庫し,中身を持ち帰って3人で3分の1ずつ分けたい。
要するに,お父さんが死んで,妻子が銀行預金等を相続した。遺言書はない。共同相続人で遺産分割協議をして相続したい。こんなよくあるケースです。
相続手続きの前に,先にやっておくこと!
父の口座から振替により払っているものがあれば,振替口座を変更しておく!
相続手続きをするために,銀行に死亡の旨を申し出ると,瞬間直ちに口座が凍結されて,入手金のみならず,公共料金などの振替も出来なくなってしまいます。事前に振替口座を母の口座に変更するなどの手続きをしておく必要があります。
葬儀費用や法事の費用のほか,相続手続きの諸費用を出金しておく!
共同相続人の仲が良くて人間関係に全く問題がなく,遺産の分け方や,遺産の管理等について争いが生じる可能性がない場合には,葬儀費用等を先に出金しておいてもいいもしれません(キャッシュカードを利用するなど)。もちろん厳密に言うと,法的には問題があります。父親はもう死んでしまって,死後に預金を出金することはできないからです。そのあたりはよく考えて行ってください。
三井住友銀行に連絡して書類を請求する
三井住友銀行大和王寺支店又は最寄の支店に連絡
電話で連絡しても,直接行って窓口で伝えてもかまいません。また,口座のある支店じゃない別支店に行って窓口で伝えることも可能です。
電話連絡は,相続センターである相続担当部署(田町相続オフィス 0120-141-611)でも受け付けています。
まずは父が亡くなったことを伝える
故人を特定するため,手元に通帳があれば支店や口座番号を伝えてください。通帳がなければ,住所氏名に生年月日等を伝えて特定してもらいます。亡くなった日やあなたとの関係等も聞かれるかもしれません。聞かれたことには答えてください。
この連絡時点以降,父親の口座は凍結されます。貸金庫の開閉もできなくなりますからご注意ください。
三井住友銀行所定の「相続手続き依頼書」や「必要書類一覧表」を発行してもらう
手続内容により必要書類が変わるので,今回なら以下のようなことを伝えてください。
- 遺産分割協議をして協議書を作成予定である
- 預金は相続人代表が受け取って責任をもって分配すること
- 貸金庫も相続人代表が開披開庫に行くと伝えること
窓口に行って申請したら窓口で書類をもらえます。電話で連絡したら,後日郵便で書類が送られてきます。
相続手続きの前に残高証明書が欲しい場合の手続き
残高証明書(死亡日時点等の預金残高を銀行が証明した書類)をもらって財産目録を作ったりきっちり遺産分割したい場合は,このとき,先に残高証明書の請求もしておいてください。残高証明の請求するための注意点は次のとおりです。書類が揃っていれば,残高証明書はすぐもらえます。
- 必ず預金口座がある支店の窓口に行って申請すること
- 以下の書類を持っていくこと
- 父が亡くなったことの分かる戸籍謄本
- あなたの戸籍謄本
- あなたの印鑑登録証明書
- あなたの実印
銀行から必要書類の一覧が送られて来たら,その書類を揃える
相続手続きのためにどういう書類を揃えなければいけないのかは,三井住友銀行から送られてくる書類の中に書いてあります。次のような書類を集め,書き込み,お手元を探して準備し,すべて揃えてください。
◎相続関係を証する戸籍謄本等
亡くなった父について(被相続人)
出生から死亡までのすべての戸籍,除籍,改製原戸籍の謄本(1年以内に発行されたもの)
母と子の全員について(相続人)
最新の内容の戸籍謄本(1年以内に発行されたもの)
戸籍の読み方や取り寄せ方はこちらに書いておきました。
◎相続人全員の印鑑証明書(6か月以内に市町村役場で発行されたもの)
◎遺産分割協議書
相続人が遺産である銀行預金の分け方を決めた書類です。銀行預金の相続手続きに使用するためには,次のようなことを書いておいてください。
- あなたが相続人代表として預金の解約手続,受領,分配を行うこと
- 貸金庫もあなたが代表で開庫をし,中身を引き取り,解約を行うこと
- 貸金庫の内容物含め,はっきり分からない遺産については,例えば「その他の財産を発見したときは母,あなた,弟で3分の1ずつ分ける」のように書いておくこと
その他遺産分割協議書の作り方等を詳しく説明します。
◎相続手続依頼書
三井住友銀行所定の,正式な,相続の申請書になります。書式は控えますが(順次改定されていきます),要は以下のようなことを銀行に伝えていく書類になります(書いていけば,こういうことを伝えたことになります)。
- 「父が亡くなったので相続手続をお願いします」
- 「相続財産は普通預金,定期預金と貸金庫です」
- 「普通預金は解約し,私が代表して一括受領します。貸金庫も私が代表して開庫します」
この相続手続依頼書にも,共同相続人の全員が署名押印をして,実印を押さなければいけません。
◎当該口座の預金通帳とキャッシュカード
もし紛失している場合は,相続手続依頼書の中に,その旨届け出る項目があるのでチェックしてください。預金通帳とキャッシュカードを紛失しているからといって手続きできないことはありません。ご心配なく。
◎貸金庫のキー
こちらは仮に紛失していると少し問題があります。貸金庫のキーは,銀行といえどもスペアを持っていないので,開庫の手続きに際して,業者にキーを壊してもらう必要性があります。壊すのに実費がかかるので,事前にキーを紛失している旨を銀行に伝えて,かかる金額を確認しておいてください。おそらく数千円程度です。
◎貸金庫の使用料
年払いの場合
年払いの場合は先払いなので問題は生じません。
月払いの場合
父の口座からの振替により支払っていた場合,日割り計算が必要です。開庫時に現金にて精算しますので,事前に金額を確認してください。
◎相続手続きをする相続人代表者の実印
必要書類をセットして,大和王寺支店に提出し,貸金庫を開庫する
預貯金の送金処理
書類の提出
書類が準備できたら銀行に提出します。窓口に持参しても,送ってもいいですが,窓口に持参して手渡ししたほうが不備等の確認ができてよいです。もっとも,窓口に持参しても,後日書類の追加提出等を求められることがあります。
現状,相続の手続きについて,銀行には,あまり体制が整っていない印象があります。支店窓口や相続センターの言っていることが,最初と変わったり,担当者間で齟齬したりすることも往々にしてあります。ある程度はそういうものだと思って順番に(気長に?)手続きしていきましょう。もっとも,法的におかしいことや,相続人に著しく不利なことを指示されたら,それはおかしいと主張します。言うべきは言わないといけません。
↓
届出口座への送金
申請後預金は次のとおり処理されます。
必要書類を窓口に提出した後,数日から数週間内に口座の解約処理がされ,相続人の預金口座にお金が送金されます。銀行の混み具合によって日数が変わるので,必ず何日で送金されるとは言えません。あまりに遅ければ,銀行に電話して確認することも必要でしょう。
送金完了後,後日,次の書類をもらえます。窓口に取りに行ってもよいし,送ってもらうこともできます。これは送ってもらえば楽です。
- 利息計算書
- 振込伝票
- 解約処理済みの預金通帳
など
貸金庫の開庫
貸金庫の手続きは書類を出すだけでは終わりません。書類を出すだけでなく,じっさいに貸金庫に行って銀行立会いのもと開庫する手続きが必要です。貸金庫の手続きは極めてアナログです。預金口座と切り離して考えたほうが良いです。原則として,貸金庫の手続きは,電話,郵便によらず,貸金庫のある支店でのリアルなやり取りが必要です。
貸金庫契約のある銀行支店窓口(今回のケースの場合は大和王寺支店)に書類を提出する
必ず貸金庫のある店舗に行って書類を提出してください。書類のチェックが出来る担当者が不在の場合もあるので,事前に日時を指定して,その日時に行ってください。でないと,場合によっては,何度も支店に出向くことになります。
手続きのために提出した書類は返してもらってください。戸籍謄本や遺産分割協議書等です。その他の手続(預金,他の銀行の相続手続き,不動産等他の財産の相続手続き)にも使用できる書類は返却してもらうよう,必ず伝えてください。そうすると,窓口でコピーをとって,原本は返してくれます。
↓
貸金庫を開庫し,内容物の全部を引き取る
指定日時に銀行に行って,開庫の立会いをします。銀行としても,契約終了時に,中身に置き忘れのトラブルがあってはいけないので,中身が全部持ち出されたことの確認をするためです。なお,注意点を以下にあげておきます。
- 貸金庫は名義変更ができません。つまり,契約名義を相続人に変更して,そのまま使い続けるという処理は不可能です。なので,貸金庫の内容物は,当日,相続人がそのまま持ち帰らないといけません。貴金属や宝石など持ち帰るのが不安なものがあってもそれは銀行の関知しないことです。必ず持ち帰りが必要です。
- もし持ち帰りが不安なのであれば,事前に同支店に相続人名義の貸金庫を契約(かつ使用可能な状態にしておく)しておいて,そこに移す方法があります。他の銀行支店の貸金庫に運んでもよいですが,途中で盗難にあっても,それは相続人の自己責任です。当然のことですが,貸金庫の開庫の立会い後は,銀行は内容物保管の責任をとってくれません。
遺産分割協議書で決めたとおりに遺産を分ける
預金が相続人代表者の口座に送金され,貸金庫の中身を引き上げてきたら,いよいよ遺産の分配をします。遺産の分配は,必ず遺産分割協議書のとおりに行ってください。
預金は口座から直接送金するのがいいでしょう。貸金庫に入っていたものは,中身が何なのかによって手続きが変わります。場合によっては,それ自体,改めて名義変更等の相続手続きが必要になります。
以上で,三井住友銀行の相続預金や貸金庫の処理は終わりです。
他の銀行の相続手続きもだいたい同じです
三井住友銀行以外の以下ような銀行における預貯金の相続手続きも,およそ似たような手順になります。
もっとも,銀行は民間の金融機関であり,必ずも全銀行が同じ手続きを採用しているわけではありません。財務省や全国銀行協会の指導もと,また一般の法解釈と法律実務の通例により,およそ手続きは統一されていますが,各行手続きに微細な違いあることをご承知ください(書式などはオリジナルなので全然違います)。また,記事作成日以降,法改正や判例動向,ITの進歩により手続きが変更になることもありますからその点も留意とご容赦をお願いします。
例えば奈良王寺の明徳司法書士事務所の近くにある銀行の例)
都市銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- りそな銀行
- みずほ銀行
- ゆうちょ銀行
地方銀行
- 南都銀行
- 京都銀行
- 紀陽銀行
- 近畿大阪銀行
- 関西アーバン銀行
信用金庫
- 奈良中央信用金庫
- 大和信用金庫
- 奈良信用金庫
その他信託銀行,農協等
- 三菱UFJ信託銀行
- みずほ信託銀行
- 三井住友信託銀行
- 信用組合
- 農業協同組合 JA
- 労働金庫
など
面倒なら司法書士に依頼してください(遺産整理業務の相談や依頼)
いかがでしたでしょうか。面倒くさい,時間がない,しんどいなどと思われましたか?
そういった相続人の方は,銀行等の預貯金や貸金庫の相続手続きを,司法書士に任せてしまうことができます。また,銀行の手続きだけではなく,証券会社での株式等の相続手続きや,法務局でする土地家屋といった不動産の相続登記手続きなど,遺産相続に関するいっさいの処理を司法書士事務所に依頼していただくこともできます。
司法書士法施行規則31条 法第二十九条第一項第一号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。
一 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
二 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務
三 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務
四 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第三十三条の二第一項に規定する特定業務
五 法第三条第一項第一号から第五号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務
そのように遺産相続手続きを一括して任せること,司法書士からすれば請け負うことを内容とする業務のことを,「遺産整理業務(いさんせいりぎょうむ)」と呼びます。当事務所は遺産整理業務を日常的に行っておりますので,相続処理のいっさいを任せていただき,ご依頼人である相続人のご負担を著しく減らしていただくことができます。要は,司法書士に遺産整理業務を依頼すると,手続きをしなければならない不安と負担から解消されます。
遺産整理業務について以下に少し紹介してこの記事を終わりとさせていただきます。
遺産整理業務の対象となる相続人の方
遺産をもらう相続人の方、特に以下のような方におすすめします。
- 相続手続に不慣れで大変だと感じる
- そもそも何をしていいかまったく分からない
- 仕事が忙しいのでいろんな相続手続をしている時間がない
- 都会に出ているのでなかなか帰れない
- 相続人がたくさんいる
- 相続人も高齢で相続手続をするのは負担
- 遺産がたくさんあって把握できない
- 遺産の分け方についてアドバイスしてほしい
- 遺産を処分してお金でわけたいと思う
- 相続税の申告が必要
- きっちり漏れなく手続できるか自信がない
など
遺産整理業務の概要(遺産整理業務って何のこと?)
遺産相続の手続は大変ですね。特にある程度財産がある方が亡くなると、遺産を調査するだけでもひと苦労です。相続手続をするためにたくさん昔の戸籍謄本を揃えたり、不動産や金融機関ごとに出向いて手続したりと、多忙な方や、法律知識のない方には、相当な負担であることは事実です。「遺産整理業務は、このような相続人であるお客様に代わって、すべての財産の相続手続を代行するサービスです。 明徳司法書士事務所は、お客様に代わって、遺産を調査し、戸籍謄本等を収集して相続人を確定し、相続関係図や財産目録を作成します。相続税がかかりそうなら税理士を手配します。つづいて遺産分けについてアドバイスをし、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書ができたら、順番に、すべての金融機関や法務局で相続手続をしていきます。遺産売却のご希望があれば、それも手配します。 このように、遺産整理業務をご依頼いただくと、お客様は複雑な相続手続の負担から開放され、適正確実に、かつ迅速に、相続手続を完了することができます。
遺産整理業務をご相談・ご依頼いただく時期
「相続開始後できるだけ速やかに」
四十九日が済んだら等,ひと段落ついて落ち着いたらなるべく早く相談いただくのがベストです。財産調査に時間がかかります。手続きにも時間がかかります。期限のある手続きがあります。
遺産整理業務の内容(遺産整理業務に含まれる法的サービス)
- 自筆証書遺言の検認申立(自筆の遺言書がある場合)
- 戸籍調査と相続関係説明図(家計図・系譜)の作成
- 相続財産目録(遺産目録)の作成
- 家庭裁判所への相続放棄の申述
- 遺産分割協議書(遺産分け)の作成
- 不動産の相続登記(名義変更)
- 預貯金の相続手続一式(全銀行支店分)
- 株式や投資信託、公社債の相続手続(全証券会社等支店分)
- 遺産分割調停や審判の申立て(紛争が生じたら。弁護士の紹介も可能)
- 不在者財産管理人選任の申立て(相続人中に行方不明者がいる場合)
- 特別代理人選任の申立て(相続人中に未成年者がいる場合)
- 遺言の執行(遺言書がある場合)
- 所得税の準確定申告をする税理士の紹介(申告義務がある場合)
- 相続税申告をする税理士の紹介(同上)
- 税理士との協働(資料の共通化等によるお客様の負担軽減)
- 遺産を売却する場合はその手配と法律手続きのいっさい(仲介業者の手配,売却に関する登記等)
その他こんなこともご相談いただけます。可能な範囲でアドバイスします。
- 健康保険証を返して葬祭費等を請求したいがどうしたらいいか?
- 年金支給をとめて未支給年金等を請求するにはどうするのか?
- 会社に死亡退職届を出す(現役の場合)のはどうやるのか?
- 生命保険金(死亡保険金)の請求をするにはどうするか?
- ライフライン(電気,ガス,水道,携帯電話,固定電話,ネット回線)をとめたり名義変更をする方法や時期は?
- クレジットカード,会員カードやサービスの退会処理をするやり方が分からない
- 保険の切り替えをする(火災保険,自動車保険,生命保険等)のはどうするのか?
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