相続大全集

相続登記(名義変更・名義書換)の手続きを自分で法務局に申請する方法

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

相続登記を自分でする方法

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

今日は親などが亡くなってその被相続人が生前所有していた住宅その他の不動産の相続登記をする方法,とりわけ相続人の方が相続登記手続きを自分でする方法」を説明します。

とはいうものの,不動産の相続登記や相続手続きには様々なバリエーションや例外があり,そのすべて説明することはできません。よって説明するのはあくまでオーソドックスなケースにおける手順になります。なので,これにチャレンジして途中で挫折したり,最初から専門家に任せてしまいたいと思われる方は,速やかに司法書士に相談依頼してください(ほとんどの方が司法書士に依頼されます)。

営業エリア・業務地域を教えてください。

※相続登記は全国対応可能です

では説明を始めます。最初に相続登記について大きなまとめ(概説)をして,次にじっさいに手続きを進めるための手順を書いていきます。早く手続きを知りたい方は前半を飛ばして途中2.からお読みください。

 

1.相続登記まとめ

(1)相続登記とはいったい何のことか -What?-

「相続登記」という言葉は法律用語ではありません。つまり法律等の条文に相続登記という言葉はでてきません。いわば業界用語のようなものです。ここにいう相続登記は,厳密には,以下ような登記を指します。

「年月日相続を登記原因とする不動産の所有権移転登記」

もっとも,以下のようなものも,広い意味での相続登記と呼ぶことができます。

  • 「相続人からする建物の所有権保存登記」
  • 「年月日遺贈を登記原因とする不動産の所有権移転登記」

なんだかよく分かりませんよね,,,

あんまり細かいことを言っても意味がないので,「相続の開始(人の死亡)を直接的な理由として実行すべき不動産の権利に関する登記一般のこと」と考えておけばいいでしょう。

余計分からなくなったでしょうか。

相続登記とは相続関連の登記のこと,相続の登記のことです。これでどうでしょうか。説明になってませんね,最初に戻りました笑

(2)なぜどうして相続登記をしなければいけないのか又はするのか -Why?-

相続登記をしなければいけないという法律はありません。相続登記をすることは相続人の法的義務ではありません。しかし,相続登記をしなければ困ったことになるし,相続登記をしなければ前に進まないことが出てくるので,やはり相続登記は速やかにすべきです。つまり,相続登記は法律上の義務ではないが,事実上の義務だと言うことができます。相続登記をしないとどのように困るか,その例を挙げてみます。

①相続登記をしないと売却や贈与や担保設定ができない

相続登記をしないと不動産を売ろうと思ってもできません。親の家が不要なのであなたが不動産業者に行って売りたいと言っても「まずは相続の話合いをつけて相続登記をしてください」と言われます。もうその物件は故人の所有物じゃなく,相続人に権利が移っているので,誰が相続したか登記しないとそもそもあなたに所有者としての売却権限があるかどうか分かりません。また売買したら次に買主名義に登記を移しますが,その前に相続登記をしてからでないと売買による所有権移転登記ができない仕組みです。権利が移った順番に登記しないといけないというのが日本の法律の仕組みなんです(「動的公示主義」といいます)。なので,相続登記をしないと不動産を売却できません。これは,次に生前贈与をしたり,お金を借り入れるために担保設定をする場合についても同じです。とにかく,相続した不動産について何かするのなら,先に相続登記しないと無理です。不動産を相続して所有者になったといっても現実問題相続登記をしないと意味がないのです。

②相続登記をしない間に次の相続が発生すると複雑になる

相続登記をしない間に法定相続人に次の相続が開始(つまり次に相続人がさらに死ぬ)すると,最初の相続の問題を処理するのに,次の相続の相続人も加えて,その全員に書類に判子を押してもらう必要があります。その中に連絡をとっていない人がいたり,折り合いが悪い人がいたらどうなるでしょう。また行方不明で音信不通の人がいたら?早く相続登記をしておけば,そのような問題は生じないのです。

③相続登記をしない間に法定相続人が認知症等になるとやっかい

同じような問題に,相続登記をしない間に例えば高齢の母親等が認知症を患ってしまうケースがあります。要するにボケてしまって判断能力がないので,遺産分割協議ができないし,協議書に判をつけなくなるケースです。こうなると認知症の人のために家庭裁判所で成年後見人を選んでもらわないと遺産分割協議ができません。つまり相続登記ができません。さらに,成年後見人がつくと成年被後見人の法定相続分を守る必要から,不動産を誰かの単独名義にして売却するなどということが非常に難しくなります。相続人の中に高齢者がいるときは,早く相続登記を済ますのが鉄則です。

④相続登記をしないと不動産が差し押さえられるかもしれない

親が死んであなた含め兄弟が法定相続人になったとしましょう。あなたが不動産を継ぐのは既定路線なので相続登記は後でいいやと考えたとする。しかしある日登記簿を調べてみたら,勝手に法定相続分で相続登記がされ,さらに兄弟の相続した共有持分に差し押さえの登記が入っている!ということがあります。兄弟が誰かから借金をしており返済が遅れている場合です。こうなってしまうと,債権者の差し押さえを消してもらうため,兄弟の借金の肩代わりを余儀なくなれるケースもあります。相続登記は速やかに処理すべきです。

その他相続登記をしないと困ってしまうことについては次の記事をご覧ください。

家(住宅)の相続登記をいつまでもやらないで放置した場合のデメリット

(3)誰が相続登記の手続きをしなければいけないのか -Who?-

不動産の所有権を相続した相続人です。物件を相続した人です。原則として,物件を相続した人しか相続登記を申請することができません。つまり他人はやってくれません。自分でするしかないのです(又は自分で司法書士に依頼するか)。

国や法務局は勝手にやってくれません。相続登記をするのは相続人の責任です。こういうのを「申請主義」と呼びます。

(当事者の申請又は嘱託による登記)
不動産登記法16条1項  登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。

(4)いつまでに相続登記をしないといけないのか,期限はあるのか -When?-

相続登記自体法的義務じゃないのですから,当然期限はありません。しかし,相続登記をしないと困ってしまう件は先に説明したとおりです。そして,困ってしまう原因となる事実は突然やってきますし,後から気がついてももう遅く,取り返しがつきません。

なので,相続登記は,「なるべく早く」すべきです。

(5)どこで相続登記の手続きをするのか -Where?-

相続した物件の所在地を管轄する法務局又は地方法務局でします。

(登記所)
不動産登記法6条1項  登記の事務は、不動産の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。

(登記)
同11条  登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。

例えば当事務所,明徳司法書士事務所の所在する奈良県内の土地建物の相続登記申請をする管轄法務局は,物件の所在地ごとに,以下表のように決まっています。

例)

  • 北葛城郡王寺町や河合町や上牧町にある不動産の相続登記は,奈良県大和高田市にある奈良地方法務局葛城支局に申請します。
  • また,その周辺や近隣の市町村であっても,生駒郡三郷町や斑鳩町や平群町の土地家屋の相続登記の申請は,奈良市高畑町にある奈良地方法務局本局にすることになります。
法務局庁名 法務局所在地と電話番号 管轄地域・区域(不動産物件の所在地)
奈良地方法務局本局 〒630-8301
奈良市高畑町552
TEL:0742-23-5534 (代表) 
奈良市,大和郡山市,天理市,生駒市,山辺郡山添村,

生駒郡斑鳩町,平群町,三郷町,安堵町

葛城支局

(葛城法務局)

〒635-0096
大和高田市西町1-63
TEL:0745-52-4941
大和高田市,御所市,香芝市,葛城市,

北葛城郡上牧町,王寺町,広陵町,河合町

桜井支局

(桜井法務局)

〒633-0062
桜井市大字粟殿461-2
TEL:0744-42-2896
桜井市,宇陀市,宇陀郡曽爾村,御杖村,

吉野郡東吉野村

五條支局

(五條法務局)

〒637-0043
五條市新町三丁目3-2
TEL:0747-22-2484
五條市,吉野郡吉野町,大淀町,下市町,黒滝村,天川村,

野迫川村,十津川村,下北山村,上北山村,川上村

橿原出張所

(橿原法務局)

〒634-0078
橿原市八木町一丁目6-12
TEL:0744-22-3045
橿原市,高市郡高取町,明日香村,

磯城郡田原本町,川西町,三宅町

(6)相続登記をするにはどのように手順を踏んだらいいのか,結局何をしたらいいのか -How?-

では,どうやって相続登記をしたらいいか。

その具体的な手続きを以下に説明していきます。手続きを進めていく手順にしたがって時系列で記載しますが,必ずしも,すべての部分,この順序どおりに進めなくても構いません。やりやすいように取り組んでください。

 

2.相続登記の手続きを自分で法務局に申請する具体的な手順

最初にも言いましたが相続登記にもいろんなバリエーションがあります。すべてを説明できないので,代表的なパターンを事例として想定して話をします。こんな感じでいかがでしょうか。

事例)

  • 親が死亡して,住宅が遺された
  • 子供複数名が法定相続人となった
  • 親は遺言書を書いてないと思うが,はっきりとは分からない
  • 家をどうするか,だいたい話はできている
  • 長男が単独で引き継ぐ予定である

目次も眺めておきましょう。こんな順です。

目次)

  1. 遺言書の有無(あるかないか)を確認する
  2. 戸籍謄本等を集めて法定相続人を確定する
  3. 登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して現在の登記内容を確認する
  4. 固定資産評価証明書を取得して登録免許税額を計算する
  5. 遺産分割協議書を作って相続人全員が実印を押す
  6. 「登記申請書」を作成する
  7. その他「添付書類」等を整える
  8. 法務局に登記申請をする
  9. 登記が終わったら登記識別情報と登記簿謄本(登記事項証明書)等を回収する

では始めます。

(1)遺言書の有無(あるかないか)を確認する

相続登記は,相続によって被相続人の不動産の所有権が相続人に移転したことを法務局の登記簿(登記記録)に記載してもらう手続きです。相続登記を申請するのは先述のとおり不動産の所有権を取得した相続人です。

さて,もし被相続人が遺言書を書き残していれば,不動産の所有権の相続人であり,相続登記の申請人となるべき人が変わる可能性があります。日本の法律では遺言書による相続が法定相続に優先し,相続人相続分遺産分割の方法等を遺言書で指定することができます。なので,不動産の相続登記に限らず,相続問題の処理で最初にすべきは遺言書の存否の確認です。遺言書があれば相続の内容が根本的に変わり,その後の手続きもそれにしたがって変わるからです。

もっとも,被相続人の生前の弁や生活状況に鑑み,「明らかに遺言書など存在しない」場合には,きっちりした調査をしないのが通常です。しかし,「もしかしたら遺言書を書いていないかしら」という具体に少しでも遺言書の存在が疑われる場合はきっちり調査すべきです。

①自筆証書の場合

貸金庫,家の金庫,タンス,押入れ,テレビボード,サイドボード,デスク引出し,貴重品入れ等に探してなければないでしょう。

②公正証書の場合

平成元年以降に作成された公正証書遺言は,公証人連合会のシステムに登録されているので検索することができまます。全国どこの役場で作成された遺言書であってもこのシステムに登録されています。登録されているのは,遺言書を作成した公証人名,遺言者の名前,作成年月日等です。まずは,全国どこでもいいので公証人役場に行き,システムで検索をかけてもらいます。もし公正証書遺言が作成されていると判明したら,今度はその遺言書を作成した公証人役場に行って,遺言公正証書の謄本を請求します。もしあなたが不動産の相続人になっていれば,相続登記をするのにこの公正証書の謄本が必要になります。

公証人役場一覧

システムで検索をしてもらうには,以下の書類を準備して公証人役場に提出します。

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等
  • 申請人が相続人であることが分かる戸籍謄本等
  • 申請人の身分証明書(運転免許証やパスポート等顔写真付の公的身分証明書又は実印と印鑑証明書セット)
  • 認印

(2)戸籍謄本等を集めて法定相続人を確定する

①戸籍謄本等の収集

遺言書がない又は見つからなかったことを前提に継ぎのステップに進みます(遺言書があれば少し話が変わります)。まずもってすべきは,相続関係を立証する戸籍謄本等や住所証明書を収集して揃え,法定相続人の地位と住所氏名を確定することです。相続人が誰なのか公的書類をではっきりさせないと,法務局で相続登記は受け付けられません。市町村役場で取り寄せないといけない戸籍謄本等は次のとおりです。

  • 亡くなった被相続人が生まれてから死亡するまですべての経歴が間断なくつながって記載されている全部の戸籍謄本等(と,住所証明書)
  • 相続する権利のある法定相続人の全員分の現在の戸籍謄本(と,住所証明書)

要は,

  • 亡くなった人については生まれてから死ぬまで全部
  • 法定相続人(全員)については最新の

各戸籍謄本等が必要です。数ある戸籍謄本等のうち1通でも漏れると相続登記できません。完璧を求められます。

  • なお戸籍謄本は,戸籍の本籍地の市町村役場に請求します。
  • 住所を証する戸籍の附票も同じく本籍地の市町村役場に,住民票を取る場合は当然ですが住所地の市町村役場に請求します。

②相続関係説明図の作成

戸籍等が揃ったらこれにもとづいて相続関係説明図を作ります。次のような書類です。

相続登記を自分でする相続関係説明図

この相続関係説明図の作り方について法律に絶対の決まりはありません。なので,およそ次の手順で作り,人間関係を線でつなぎ,体裁を整えてください。

◎タイトルを書く

「被相続人 ○○○○ 相続関係説明図」

◎被相続人(死んだ人)の情報を書く
  • 最後の本籍地
  • 最後の住所地
  • 出生年月日
  • 死亡年月日
  • (被相続人)である旨
  • 氏名
◎法定相続人の情報を書く
  • 住所地
  • 出生年月日
  • 被相続人との続柄
  • 当該財産の(相続人)である旨
  • 当該財産の相続人とならない人についてはその法的な理由
    相続人廃除によって相続人にならない場合=(廃除)
    相続放棄によって相続人にならない場合=(放棄)
    遺産分割によって相続人とならない場合=(分割)
    特別受益によって相続人とならない場合=(特別受益)
    など
  • 氏名
◎人間関係を線でつないで図にする
  • 夫婦関係は,二重線でつなぐ
  • 離婚した夫婦は,二重線を引いてうえから×印(バッテン)をし,近くに離婚日を付記する
  • 親子関係は,両親をつないだ二重線の中心を起点として直角に単線(1本線)を引く
  • 兄弟関係は,親から引っ張った線を先ほどの見本のように分岐のツリー図で表現する
◎その他のこと
  • 作成者の氏名と押印をする
  • 「相続を証する書面は還付した」と書く
    この文言の近くに法務局の登記官が判子を押します。相続登記を申請すると,法務局は,提出された戸籍謄本等一式を確認し,この関係図のとおり間違いないことを確認して判を押します。そして,関係図だけを法務局に保管して,戸籍は申請人に返します。そうすることで,法務局は分厚い戸籍一式を保管せずに済みます。つまり,実は,「相続を証する書面は還付した」と言っているのは法務局の登記官なんです。ただ,どのみち法務局で,このように書くことが想定されるし,逐一法務局が書くのは面倒なので,相続登記を申請する申請人のほうであらかじめ先に書いておいてあげるのです。

戸籍謄本等のことは突き詰めると難しいです。こちらにより詳しく書いておきましたのでこの辺にして以下記事に譲ります。

戸籍謄本や除籍や原戸籍を取り寄せて相続人の全員を確定し相続関係説明図を作成する

(3)登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して現在の登記内容を確認する

次に肝心要の,相続する不動産物件の登記を調べましょう。登記の情報は,その物件の所在地を管轄する法務局にあります。法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して,その記載内容を確認します。相続登記は亡くなった人の名義の所有権の登記を移転して,相続人の名義に書き換える手続きなので,その前提として,現在の登記がどうなっているか調べないと話になりません。登記簿謄本・登記事項証明書を取得したら,以下のようなことを確認してみてください。

  • 所有者は本当に今回の被相続人名義になっているか,祖父や親族名義ではないか
  • 被相続人の住所氏名は間違いなく登記されているか
  • 被相続人が建てた建物ならそもそも登記はされているか
  • 所有者が配偶者や親子との共有になってないか,全部被相続人の名義になっているか
  • 土地の面積(地積)や建物の床面積は現状と合致しているか
  • 借金の担保として設定した抵当権の登記が残っていないか
    など

もしこれらのことがあったら,普通に相続登記ができない可能性がありますので司法書士に相談してください。

①登記簿謄本(登記事項証明書)は,次の方法で取得できます。

  • 法務局の窓口に請求書を出して取得する方法
  • 法務局に請求書を郵送して往復郵便で取得する方法
  • インターネットを利用してオンラインで請求し,法務局か自宅等に郵送してもらって取得する方法

法務局トップページ>各種証明書請求手続

②登記簿謄本を取らなくても登記の情報を確認する方法がある

なお,正式な登記簿謄本(登記事項証明書)ではなく,現在の登記状態のみが記載されたものであって,法務局の印鑑が押してない(正式な登記簿謄本としては使えない)情報でよければ,登記情報提供サービスを利用すればPC上で確認できます。一般的な相続登記をするために情報を得るなら,これで足りることが多いです。

登記情報提供サービス

登記簿謄本(登記事項証明書)の見方や読み方を知らない方はこちらを。

相続?贈与?離婚?不動産のことが気になったらまずすること(前編)

(登記事項証明書の交付等)
不動産登記法119条  何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
2  何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。
3  前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。
4  第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。
5  第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。

(登記事項証明書の交付の請求情報等)
不動産登記規則193条  登記事項証明書、登記事項要約書、地図等の全部若しくは一部の写し(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)又は土地所在図等の全部若しくは一部の写し(土地所在図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。以下この条において同じ。)の交付の請求をするときは、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この章において「請求情報」という。)を提供しなければならない。地図等又は登記簿の附属書類の閲覧の請求をするときも、同様とする。
一  請求人の氏名又は名称
二  不動産所在事項又は不動産番号
三  交付の請求をする場合にあっては、請求に係る書面の通数
四  登記事項証明書の交付の請求をする場合にあっては、第百九十六条第一項各号(同条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる登記事項証明書の区分
五  登記事項証明書の交付の請求をする場合において、共同担保目録又は信託目録に記録された事項について証明を求めるときは、その旨
六  地図等又は土地所在図等の一部の写しの交付の請求をするときは、請求する部分
七  送付の方法により登記事項証明書、地図等の全部若しくは一部の写し又は土地所在図等の全部若しくは一部の写しの交付の請求をするときは、その旨及び送付先の住所

(登記事項証明書等の交付の請求の方法等)
同194条  前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(第二百三条並びに第二百四条第一項及び第二項において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。
2  登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。
3  登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。

(4)固定資産評価証明書を取得して登録免許税額を計算する

登記簿謄本を取って物件の登記内容が確認できたら,続いて市町村役場で固定資産税の評価証明書を取得して評価額を調べます。相続登記をするには,登記と同時に,登録免許税という国税を国に納めなければいけないからです。登録免許税を計算し,その計算根拠となる資料を相続登記の申請と一緒に法務局に出さねばならないので,市町村役場で固定資産評価証明書を取得するのです。

①固定資産評価証明書の取り方

固定資産評価証明書の請求取得方法とその見方についてはこちらをご覧ください。要は,評価証明書の「評価額」とか「価格」欄に書いてある金額を調べます。

相続?贈与?離婚?不動産のことが気になったらまずすること(後編)

②登録免許税の計算の仕方

固定資産評価額(評価証明書の「評価額」「価格」)に税率をかけて計算します。相続登記の税率は1000分の4。具体的には次のとおり計算します。

  • 固定資産税評価額の1000円未満を切り捨てる。評価額が1000円未満のときは1000円とする。
  • これに相続登記の税率である1000分の4(0.4%)を掛ける。
  • 出てきた金額の100円未満を切り捨てる。計算結果が1000円未満のときは1000円とする。

計算結果の金額が相続登記と同時に国に納めるべき登録免許税額です。

なお,以下のような場合には特別の計算が必要です。

③固定資産評価額がない建物の場合

法務局や地方法務局が独自に定めた認定価格にもとづいて評価して計算します。

新築建物課税標準価格認定基準表等について

④登記簿の面積と評価証明書の面積が違う場合

こちらは専門的技術的なので司法書士に相談依頼してください。

(不動産等の価額)
登録免許税法10条  別表第一第一号、第二号、第四号又は第四号の二に掲げる不動産、船舶、ダム使用権又は公共施設等運営権の登記又は登録の場合における課税標準たる不動産、船舶、ダム使用権又は公共施設等運営権(以下この項において「不動産等」という。)の価額は、当該登記又は登録の時における不動産等の価額による。この場合において、当該不動産等の上に所有権以外の権利その他処分の制限が存するときは、当該権利その他処分の制限がないものとした場合の価額による。

(不動産登記に係る不動産価額の特例)
登録免許税法附則7条  新法別表第一の第一号に掲げる不動産の登記の場合における新法第十条第一項の課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該登記の申請の日の属する年の前年十二月三十一日現在又は当該申請の日の属する年の一月一日現在において地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十一条第九号(固定資産税に関する用語の意義)に掲げる固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格を基礎として政令で定める価額によることができる。

登録免許税法施行令附則3項本文  法附則第七条に規定する政令で定める価額は、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十一条第九号に掲げる固定資産課税台帳(以下「課税台帳」という。)に登録された価格のある不動産については、次の各号に掲げる当該不動産の登記の申請の日の属する日の区分に応じ当該各号に掲げる金額に相当する価額とし、課税台帳に登録された価格のない不動産については、当該不動産の登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産で課税台帳に登録された価格のあるものの次の各号に掲げる当該申請の日の区分に応じ当該各号に掲げる金額を基礎として当該登記に係る登記機関が認定した価額とする。

⑤収入印紙を買う

登録免許税は相続登記と同時に納めないといけないのでお金を準備しておいてください。法律上は現金納付が原則ですが,実務はほぼ印紙納付です(司法書士はインターネットによるオンライン登記申請をするので登録税もネットバンクで電子納付することが多い)。つまり収入印紙を後から説明する登記申請書に貼り付けて納めます。

なので,登録免許税額を計算し,お金を準備したら,郵便局等でその金額に相当する収入印紙を買っておいてください。登録免許税は国税なので買うのは収入印紙です。

(現金納付)
登録免許税法21条  登記等を受ける者は、この法律に別段の定めがある場合を除き、当該登記等につき課されるべき登録免許税の額に相当する登録免許税を国に納付し、当該納付に係る領収証書を当該登記等の申請書にはり付けて当該登記等に係る登記官署等に提出しなければならない。

(印紙納付)
同22条  登記等(第二十四条第一項に規定する免許等を除く。)を受ける者は、当該登記等につき課されるべき登録免許税の額が三万円以下である場合その他政令で定める場合には、当該登録免許税の額に相当する金額の印紙を当該登記等の申請書にはり付けて登記官署等に提出することにより、国に納付することができる。

(印紙納付ができる場合)
同施行令29条  法第二十二条 (法第二十四条の二第三項 及び第三十五条第四項 の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一  登記所の近傍に収納機関が存在しないため当該登記所においてつかさどる登記又は登録に係る登録免許税を法第二十一条 (法第二十四条の二第三項 及び第三十五条第四項 の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により納付することが困難であると法務局又は地方法務局の長が認めてその旨を当該登記所に公示した場合
二  登記等につき課されるべき登録免許税の額の三万円未満の端数の部分の登録免許税を納付する場合
三  前二号に掲げる場合のほか、印紙により登録免許税を納付することにつき特別の事情があると登記機関が認めた場合

(5)遺産分割協議書を作って相続人全員が実印を押す

戸籍の収集も終わった。登記簿も調べて間違いなく故人の単独名義になっていることが分かった。

そうしたら,次に,共同相続人で正式に遺産分割協議をして,遺産分割協議書を作成してください。遺産分割協議書には共同相続人の全員が実印を押して,これに対応する印鑑証明書を全員分,各1通用意します。遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書は,相続登記の申請書の必須添付書類になります。

①遺産分割協議書の書式記載例

 


遺産分割協議書

共同相続人である私達は,次の相続について,下記のとおり遺産分割の協議をした。

【相続の表示】
被相続人の最後の本籍 ●●●
最後の住所 ●●●
氏名 ●
相続開始の日 平成●年●月●日

1.●は,次の不動産を相続する。
所在
地番
地目
地積

所在
家屋番号
種類
構造
床面積

2.●は,次の預金を相続する。
南都銀行 王寺南支店 普通預金 ●●●
三井住友銀行 大和王寺支店 定期預金 ●●●
ゆうちょ銀行 通常貯金 記号● 番号●●●

3.その他の遺産があったときは,法定相続で相続する。

以上の協議を証するため,この協議書を作成し,各自署名押印のうえ,各1通を保有するものとする。

平成●年●月●日
住所
氏名 印

住所
氏名 印

住所
氏名 印


 

②遺産分割協議書の書き方のポイント

遺産分割協議とは,◎被相続人が,◎死亡して相続が開始し,◎残された相続財産・遺産について,◎相続人の全員が,◎どのように割振りするか合意することです。なので,その結果を証する遺産分割協議書に書くべき内容もおのずと決まってきます。

◎被相続人の表示

相続の当事者である故人を特定できるように以下のようなことを書きます。

  • 最後の本籍
  • 最後の住所
  • 氏名
◎相続開始日

相続は被相続人の死亡により効力が生じますから相続の開始日である死亡日を記載します。

例)

相続開始の日 平成●年●月●日

◎相続財産・遺産・物件の特定

遺産分割協議書において割振りをする遺産はちゃんと特定できる程度に書く必要があります。遺産が特定できていなければ,関係機関もどういう遺産分割が成立したのか判断できません。

例)

  • 南都銀行 王寺南支店 普通預金 1933723
  • 以下の土地
    所在 奈良県北葛城郡王寺町王寺二丁目
    地番 7番
    地目 宅地
    地積 ●㎡
◎相続人全員の署名押印(記名押印)

協議の当事者である共同相続人全員の住所氏名を書いて実印を押します。住所は,普段書いているように「-(ハイフン)」などで省略せず,住民票又は印鑑証明書を見ながら,そのとおりに書いてください。

◎協議内容

誰がどの財産をどのように相続するのか具体的に書いてください。「任せる」とか「一任する」とかでは駄目です。

例)

  • 以下の不動産は,●●が相続する。
  • 以下の預貯金は,●●が取得する。
  • 以下の現金は,●●と●●が,各2分の1の割合で相続する。

なお,遺産分割協議後に財産が見つかった場合に備えて,予備的な文言も必ず記載してください。次のような感じです。

例)

  • 協議後,その他相続財産が発見されたときは,法定相続人の全員が法定相続分の割合で相続する。

さらに詳しく遺産分割協議について知りたい方は以下をお読みください。遺産分割協議のやり方・仕方や,遺産分割協議書の作り方・書き方について全部説明しています。

遺産分割協議のやり方と遺産分割協議書の作り方

(6)「登記申請書」を作成する

ではいよいよ故人の不動産の所有権を移転する相続登記をするための登記申請書を作成します。

相続登記をするには,登記申請書と,登記申請書に記載された内容を裏付ける添付書類を用意し,これをセットにして管轄の法務局に提出します。登記申請書は,「要するにこういう登記をしてください」と国にお願いする結論を書いた書面です。添付書類は,「ほらほら確かにこういう事実関係があったことがこの書面から分かるでしょ?」という証拠書類です。これらをセットにして法務局に出すと,法務局の登記官が法律等にもとづいて書類をチェックしてくれます。問題なければ登記が実行されて登記識別情報(権利書・権利証)が発行されます。

  • 登記申請書
  • 添付書類

まずは登記申請書のほうから説明します。登記申請書は,要するにこういう登記をしてくれと結論を書いた書類なので,その内容はシンプルです。今回設定した事例に使用する登記申請書の書式見本は以下のとおりです。

相続登記を自分でする登記申請書

①タイトル

書類のタイトルとして,「登記申請書」と記載してください。

②登記の目的

要するにどういう登記をしてほしいかその趣旨を書きます。登記をする対象となる権利の種類と,その権利がどうなったか(どうしてほしいか)の組み合わせで記載します。今回登記の対象となるのは故人が持っていた住宅不動産に対する所有権という権利です。なのでまず「所有権」と書きます。次に,その権利がどうなったかです。今回所有権の権利主体(※)が親から子に移ったので「移転」と書きます。あわせると「所有権移転」です。

不動産登記は不動産に関する物権の変動(発生・変更・消滅)を登記するもの。物権とは,人が物に対して持つ権利のことです(法律上,人の物に対する直接的排他的支配権などと表現します)。人→物の関係です。この場合の人のことを権利のオーナーという意味で「権利主体」といい,物権の対象となる物のことを「権利の客体」といいます。その他所有権という権利そのものの態様のことを「権利内容」といいます。不動産登記では,権利主体がAからBに移ること,つまり権利主体の変更を「移転」と呼び,権利内容が変容することを「変更」と呼んでいます。また権利自体を新たに発生させる合意のことを「設定」と呼び,権利自体が消滅し権利内容が無に帰したことを「抹消」と表現します(ほかにもいろいろあります)。例えば銀行が債務者所有の物件に担保をつけたら「抵当権・設定」登記をし,ローン完済して担保が消えたら「抵当権・抹消」登記を行います。

③原因

物権変動が起こった日付と,物権変動を生じさせた法律上の原因事実を,組み合わせて記載します。今回は,相続という原因事実によって,不動産の所有権が親から子に移る物権変動が起こったので,登記原因は,「年月日相続」です。この年月日は相続開始の日,つまり被相続人の死亡日です。相続の効力は人の死亡によって生じるからです。

④相続人

相続の場合には,「相続人」とまず書いて,その下に「(被相続人●●●●)」と括弧付で死亡した人の名前を書きます。次に,申請人の住所氏名を住民票の記載どおりに一言一句書きます。ハイフンなどで省略してはいけません。

それから,連絡のつく電話番号も書きます。何かあれば法務局から直接電話があります。

最後に,申請人の氏名の横に,押印してください。この印鑑は認印でも大丈夫です。

(申請情報を記載した書面への記名押印等)
不動産登記令16条  申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。

⑤添付書類

今回の相続登記の場合は,「登記原因証明情報」と「住所証明書」の二つを書けばよいです。登記原因証明情報とは,先に収集した戸籍謄本等一式と遺産分割協議書さらには相続人全員の印鑑証明書をまとめたものであり,住所証明書は戸籍附票や住民票のことです。

⑥申請日と法務局

じっさいに登記申請書を提出する年月日と管轄法務局を記載します。

⑦課税価格

登録免許税の課税価格です。先にも説明のとおり,基本的には,固定資産評価証明書の1000円未満を切り捨てた金額です。

⑧登録免許税

課税価格に1000分4を乗じ,100円未満を切り捨てた金額です。結果が1000円未満でも,登録税は最低1000円納めます。

⑨不動産の表示

最初に取得した登記簿謄本・登記事項証明書のとおりに相続登記する不動産を特定するための情報を書きます。これは書き方が決まっています。登記簿のとおり写すようにしてください。

土地の記載事項は以下の項目です。
  • 所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積
  • 不動産番号
建物は以下の項目です。
  • 所在地番
  • 家屋番号
  • 種類
  • 構造
  • 床面積
  • 不動産番号

(申請の方法)
不動産登記法18条  登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一  法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
二  申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法

(申請情報)
不動産登記令3条  登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条 の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。
一  申請人の氏名又は名称及び住所
二  申請人が法人であるときは、その代表者の氏名
三  代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四  民法 (明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条 その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、申請人が代位者である旨、当該他人の氏名又は名称及び住所並びに代位原因
五  登記の目的
六  登記原因及びその日付(所有権の保存の登記を申請する場合にあっては、法第七十四条第二項 の規定により敷地権付き区分建物について申請するときに限る。)
七  土地の表示に関する登記又は土地についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
イ 土地の所在する市、区、郡、町、村及び字
ロ 地番(土地の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号 又は第三号 に掲げる者が表題登記がない土地について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない土地について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。)
ハ 地目
ニ 地積
八  建物の表示に関する登記又は建物についての権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
イ 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
ロ 家屋番号(建物の表題登記(合体による登記等における合体後の建物についての表題登記を含む。)を申請する場合、法第七十四条第一項第二号 又は第三号 に掲げる者が表題登記がない建物について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない建物について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合を除く。)
ハ 建物の種類、構造及び床面積
ニ 建物の名称があるときは、その名称
ホ 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
ヘ 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積(トに掲げる事項を申請情報の内容とする場合(ロに規定する場合を除く。)を除く。)
ト 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称
九  表題登記又は権利の保存、設定若しくは移転の登記(根質権、根抵当権及び信託の登記を除く。)を申請する場合において、表題部所有者又は登記名義人となる者が二人以上であるときは、当該表題部所有者又は登記名義人となる者ごとの持分
十  法第三十条 の規定により表示に関する登記を申請するときは、申請人が表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人その他の一般承継人である旨
十一  権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる事項
イ 申請人が登記権利者又は登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人)でないとき(第四号並びにロ及びハの場合を除く。)は、登記権利者、登記義務者又は登記名義人の氏名又は名称及び住所
ロ 法第六十二条 の規定により登記を申請するときは、申請人が登記権利者、登記義務者又は登記名義人の相続人その他の一般承継人である旨
ハ ロの場合において、登記名義人となる登記権利者の相続人その他の一般承継人が申請するときは、登記権利者の氏名又は名称及び一般承継の時における住所
ニ 登記の目的である権利の消滅に関する定め又は共有物分割禁止の定めがあるときは、その定め
ホ 権利の一部を移転する登記を申請するときは、移転する権利の一部
ヘ 敷地権付き区分建物についての所有権、一般の先取特権、質権又は抵当権に関する登記(法第七十三条第三項 ただし書に規定する登記を除く。)を申請するときは、次に掲げる事項
(1) 敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目及び地積
(2) 敷地権の種類及び割合
十二  申請人が法第二十二条 に規定する申請をする場合において、同条 ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、当該登記識別情報を提供することができない理由
十三  前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の申請情報欄に掲げる事項

(申請情報)
不動産登記規則34条  登記の申請においては、次に掲げる事項を申請情報の内容とするものとする。
一  申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先
二  分筆の登記の申請においては、第七十八条の符号
三  建物の分割の登記又は建物の区分の登記の申請においては、第八十四条の符号
四  附属建物があるときは、主である建物及び附属建物の別並びに第百十二条第二項の符号
五  敷地権付き区分建物であるときは、第百十八条第一号イの符号
六  添付情報の表示
七  申請の年月日
八  登記所の表示
2  令第六条第一項 に規定する不動産識別事項は、不動産番号とする。
3  令第六条 の規定は、同条第一項 各号又は第二項 各号に定める事項が申請を受ける登記所以外の登記所の管轄区域内にある不動産に係る場合には、当該不動産の不動産番号と併せて当該申請を受ける登記所以外の登記所の表示を申請情報の内容としたときに限り、適用する。
4  令第六条第一項第一号 又は第二号 の規定にかかわらず、不動産の表題登記を申請する場合、法第七十四条第一項第二号 又は第三号 に掲げる者が表題登記がない不動産について所有権の保存の登記を申請する場合及び表題登記がない不動産について所有権の処分の制限の登記を嘱託する場合には、令第三条第七号 又は第八号 に掲げる事項を申請情報の内容としなければならない。

※登記申請書の文字を書き間違えた場合どうするか

登記申請書は基本的にPCで作成すると文字が読みやすくてよいです。もし打ち間違えたり,法務局に提出する前に間違いに気づいたら,もう一度作り直して擦り出したほうがよいです。法務局に提出する間際に間違いに気づいてその場で修正したいときは,訂正等の方法が法律で決まっているのでそのとおりにしてください。いわゆる間接訂正のほか,直接訂正でも訂正(加入,削除)できます。以下条文のとおりです。

(申請書等の文字)
不動産登記規則45条  申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを除く。以下この款(第五十三条を除く。)において同じ。)その他の登記に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない。
2  前項の書面につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにし、かつ、当該字数を記載した部分又は当該記号を付した部分に押印しなければならない。この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。

※登記申請書のいろいろ

登記申請書はとてもシンプルです。しかし法務局に「こういう登記をしてくれ」という最終意思表示をする書類なので間違いは許されません。

法務局には,日々,いろんな権利関係や事実関係にもとづいて,大量に登記申請が持ち込まれます。法務局はこれを順番に審査して処理しないといけないので,申請書の内容は簡潔明瞭でないといけません。申請書の書き方が,申請人ごと,地域ごとにに様々異なったのでは,法務局もこれを登記していいのか判断に迷ってしまうからです。

ということで,どういう場合にはどういう登記申請をするという先例(約束事)の積み重ねが,不動産登記法施行以来100年分積み重なっています(申請書の書式・ひな形だけで数百種類ある)。相続登記についても実はいろんなパターンがあるので,ご自身の事例についてどう書いていいか分からなくなったら司法書士に依頼してください。

(7)その他「添付書類」等を整える

申請書ができたら次に添付書類です。登記申請書を含め,下記の順番で書類を準備して並べます。

並べたら今度は,これらの書類を二つの大きなグループに分けて,グループごとにクリップでとめてください。

  • 一つ目 法務局に提出してしまう書類のグループ
    「①登記申請書」から,「⑧固定資産評価証明書の写し(コピー)」までの書類です。
  • 二つ目 返してもらう書類(登記完了後)のグループ
    「⑨申請人(不動産を相続する人)の住所証明書の原本」から,最後の「⑭固定資産評価証明書の原本」までの書類です。

法務局に提出してしまう書類のグループ

①登記申請書

先ほど説明した申請書です。1番うえに申請書を置きます。

相続登記を自分でする登記申請書

②印紙台紙

登録免許税納付用に買っておいた収入印紙を準備します。この収入印紙は法律上登記申請書に貼る決まりですが,申請書の余白は小さいので貼りにくいです。なので,通常印紙台紙という印紙貼付用の白紙の用紙を準備します。これを申請書の次に重ねてホッチキスでとめ,申請書と印紙台紙のつなぎ目に契印(申請書に押した印鑑で)して1通の書類にすれば,印紙台紙も含めて登記申請書となり,印紙台紙は登記申請書の一部となります。こうして印紙台紙の部分に収入印紙を貼れば,印紙は登記申請書に貼ったことになります。

相続登記を自分でする印紙台紙

③申請人(不動産を相続する人)の住所証明書の写し(コピー)

相続人の住所証明書として,先に集めておいた住民票又は戸籍附票のコピーをとって添付します。コピーではなく原本を提出してもいいんですが,原本は他の相続手続きに使用するので通常は原本還付の処理をします。原本還付とは,法務局には写しを提出して,原本は登記完了後に申請人に返してもらう手続きのことです。法務局に写しと原本の両方を提出して,法務局の登記官が照合してその旨記録したのち,原本は返却処理をします。

この原本還付をしてほしいときは,住所証明書の写しを提出し,その写しに,「原本と相違ない」と記載して,「押印」しなければいけません。以下見本は司法書士が使用しているゴム印(から代理人司法書士の記載を削除したもの)ですが,このとおりの内容を,住民票等のコピーに書き込んで押印すればよいです。コピーが何通かになるときは,最初のページにこれを書いて押印し,2枚目以降は契印をしてつなぎます。

相続登記を自分でする原本還付

(添付書面の原本の還付請求)
不動産登記規則55条  書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項 、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第一項第三号 (第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号 の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2  前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3  登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。
4項以下略

(契印等)
同46条  申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請書が二枚以上であるときは、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。
2  前項の契印は、申請人又はその代表者若しくは代理人が二人以上ある場合は、その一人がすれば足りる。ただし、登記権利者及び登記義務者が共同して登記の申請をするときは、登記権利者又はその代表者若しくはその代理人及び登記義務者又はその代表者若しくはその代理人の各一人がしなければならない。
3  令別表の六十五の項添付情報欄に掲げる信託目録に記録すべき情報を記載した書面が二枚以上であるときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載し、各用紙のつづり目に契印をしなければならない。この場合においては、前項の規定を準用する。

④相続関係説明図

先に戸籍調査の後作成しておいた相続関係説明図をつけます。この相続関係説明図も戸籍類の原本還付請求のために作成するものです。つまり,相続関係説明図は,上記住民票の写し(コピー)と同じ役割を果たします。

相続登記を自分でする相続関係説明図

⑤被相続人の住所証明書の写し(コピー)

亡くなった人の徐住民票又は戸籍附票の除票の写しを取って付けます。同じく原本還付の処理をします。以下写しにはすべからく同様の処理をします。

⑥遺産分割協議書の写し(コピー)

相続人全員が実印を押した遺産分割協議書の写しです。遺産分割協議書の記載事項に間違いや漏れがないか,押印は漏れてないか(契印など)をもう一度チェックしておいてください。

⑦相続人全員の印鑑証明書の写し(コピー)

全員分の印鑑証明書をコピーして添付します。

⑧固定資産評価証明書の写し(コピー)

市町村役場で最初に取得した固定資産評価証明書の写しです。登記申請書に記載した登録免許税の課税価格や税額に間違いがないか法務局に証明するために添付します。

 

ここまで順番を維持したまま一まとめにしてクリップ!

 

返してもらう書類(登記完了後)のグループ

⑨申請人(不動産を相続する人)の住所証明書の原本

⑩相続関係を証する戸籍謄本等一式の原本

以下の書類の原本をまとめて提出します。

  • 被相続人の出生から死亡までが一連記載された戸籍,除籍,原戸籍謄本の全部
  • 法定相続人全員分の現行の戸籍謄本

なお,

亡くなった被相続人に関する戸籍類→相続人の戸籍類の順番

で添付します。さらに被相続人の書類は,

死亡時の戸籍→出生時の戸籍

の並びになるように,さかのぼってたどれる順番に添付するとよいです。

⑪被相続人の住所証明書の原本

⑫遺産分割協議書の原本

⑬相続人全員の印鑑証明書の原本

⑭固定資産評価証明書の原本

 

続いて順番を維持したまま一まとめにしてクリップ!

 

以上

(添付情報)
不動産登記令7条1項  登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。
一  申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報
イ 会社法 人等番号(商業登記法 (昭和三十八年法律第百二十五号)第七条 (他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法 人等番号をいう。以下このイにおいて同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法 人等番号
ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報
二  代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報
三  民法第四百二十三条 その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報
四  法第三十条 の規定により表示に関する登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第十六条第二項及び第十七条第一項を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
五  権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報
イ 法第六十二条 の規定により登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
ロ 登記原因を証する情報。ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場合にあっては当該(1)又は(2)に定めるものに限るものとし、別表の登記欄に掲げる登記を申請する場合(次の(1)又は(2)に掲げる場合を除く。)にあっては同表の添付情報欄に規定するところによる。
(1) 法第六十三条第一項 に規定する確定判決による登記を申請するとき 執行力のある確定判決の判決書の正本(執行力のある確定判決と同一の効力を有するものの正本を含む。以下同じ。)
(2) 法第百八条 に規定する仮登記を命ずる処分があり、法第百七条第一項 の規定による仮登記を申請するとき 当該仮登記を命ずる処分の決定書の正本
ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報
六  前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報

(添付情報の提供方法)
同15条  書面を提出する方法(法第十八条第二号 の規定により申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を登記所に提出する方法をいう。)により登記を申請するときは、申請情報を記載した書面に添付情報を記載した書面(添付情報のうち電磁的記録で作成されているものにあっては、法務省令で定めるところにより当該添付情報を記録した磁気ディスクを含む。)を添付して提出しなければならない。この場合において、第十二条第二項及び前条の規定は、添付情報を記録した磁気ディスクを提出する場合について準用する。

同別表30 所有権の移転の登記
イ 登記原因を証する情報
ロ 登記名義人となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)

(8)法務局に登記申請をする

①相続登記申請が却下,取下げ,補正にならないよう最終チェックをする

登記申請書を作成し,添付書類の写しをとって原本還付処理をして並び替え,申請書にセットして整え申請準備ができたら,いよいよ法務局に相続登記の登記申請をしましょう。その前に,ちゃんと次の作業ができているか最終確認をしておいてください。

これまでの作業)

  1. 遺言書の有無(あるかないか)を確認する
  2. 戸籍謄本等を集めて法定相続人を確定する
  3. 登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して現在の登記内容を確認する
  4. 固定資産評価証明書を取得して登録免許税額を計算する
  5. 遺産分割協議書を作って相続人全員が実印を押す
  6. 「登記申請書」を作成する
  7. その他「添付書類」等を整える

チェックしてください)

  • 戸籍謄本等は揃ってますか?被相続人の戸籍は,死亡から出生まできっちりつながっていますか?
  • 戸籍の記載におかしなところはないですか?市町村役場による記載間違い等はありませんか?
  • 登記簿上の被相続人の住所と,被相続人の住所証明の住所は同じですか?つながりはついてますか?
  • 登記簿上の被相続人の氏名と,戸籍謄本等の被相続人の氏名は同じですか?文字はどうですか?
  • 登記簿謄本(登記事項証明書)の面積と固定資産評価証明書の面積は同じですか?
  • 登記する物件は固定資産評価証明書に出てきますか?書いてないってことはありませんか?
  • 登録免許税の計算は合っていますか?
  • 遺産分割協議書に記載すべき事柄は漏れなく全部書いてありますか?
  • 遺産分割協議書には相続人の全員が署名押印(記名押印)していますか?
  • 遺産分割協議書に押印漏れはないですか?実印の印影ははっきりしていますか?印鑑証明書と照合できますか?
  • 遺産分割協議書の相続人の住所氏名に間違いはないですか?印鑑証明書の住所氏名と同じですか?
  • 遺産分割協議書の不動産の表示は登記簿謄本と同じですか?間違ってないですか?
  • 登記申請書は法律どおりに作られていますか?記載漏れや間違いはありませんか?
  • 登記申請書に間違いなく収入印紙を貼りましたか?全部又は一部金額の貼り忘れはありませんか?
  • 原本還付してほしい添付書類は全部コピーをしていますか?
    などなど

法務局に相続登記を申請した後に間違いや不足が見つかった場合,その内容により,登記申請が却下されたり,取下げや補正が必要になったりします。そうなると非常に面倒です。なので,法務局に申請書を提出する前に,しつこいくらいに間違いがないか確認するようにしてください。

一度窓口に提出したり,郵便ポストに投函してしまうと,もう申請行為が完了してしまうので,「ちょっと直させて」と簡単に間違いを訂正することはできません。そうなると,法律の規定と仕組みにしたがって,却下,取下げ,補正の処理にて進めるほかありません。

申請人であるあなたも面倒ですし,法務局にも余計な迷惑をかけますから,登記は可能な限り一発で審査通過するように申請すべきです。

(申請の却下)
第二十五条  登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
一  申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。
二  申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。
三  申請に係る登記が既に登記されているとき。
四  申請の権限を有しない者の申請によるとき。
五  申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
六  申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。
七  申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。
八  申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。
九  第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。
十  第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。
十一  表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。
十二  登録免許税を納付しないとき。
十三  前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。

(登記すべきものでないとき)
不動産登記令20条  法第二十五条第十三号 の政令で定める登記すべきものでないときは、次のとおりとする。
一  申請が不動産以外のものについての登記を目的とするとき。
二  申請に係る登記をすることによって表題部所有者又は登記名義人となる者(別表の十二の項申請情報欄ロに規定する被承継人及び第三条第十一号ハに規定する登記権利者を除く。)が権利能力を有しないとき。
三  申請が法第三十二条 、第四十一条、第五十六条、第七十三条第二項若しくは第三項、第八十条第三項又は第九十二条の規定により登記することができないとき。
四  申請が一個の不動産の一部についての登記(承役地についてする地役権の登記を除く。)を目的とするとき。
五  申請に係る登記の目的である権利が他の権利の全部又は一部を目的とする場合において、当該他の権利の全部又は一部が登記されていないとき。
六  同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされた場合(法第十九条第二項 の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)において、申請に係る登記の目的である権利が相互に矛盾するとき。
七  申請に係る登記の目的である権利が同一の不動産について既にされた登記の目的である権利と矛盾するとき。
八  前各号に掲げるもののほか、申請に係る登記が民法 その他の法令の規定により無効とされることが申請情報若しくは添付情報又は登記記録から明らかであるとき。

(申請の取下げ)
不動産登記規則39条  申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。
一  電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法
二  書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法
2  申請の取下げは、登記完了後は、することができない。
3  登記官は、書面申請がされた場合において、申請の取下げがされたときは、申請書及びその添付書面を還付するものとする。前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。

(補正)
同60条  登記官は、申請の補正をすることができる期間を定めたときは、当該期間内は、当該補正すべき事項に係る不備を理由に当該申請を却下することができない。
2  申請の補正は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。
一  電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請の補正をする方法
二  書面申請 登記所に提出した書面を補正し、又は補正に係る書面を登記所に提出する方法

②じっさいに登記申請をする

チェックができたら登記申請しましょう。相続登記の申請をする方法は,大きく分けて次の二つです。

  • 書面申請
    紙で作った相続登記の申請書(申請情報)と添付書類を法務局に提出して登記申請する方法です。
  • オンライン申請
    インターネットによるオンライン申請により登記申請する方法です。

トップページ > 法務省の概要 > 各組織の説明 > 内部部局 > 民事局 > 登記 -不動産登記- > 不動産登記の電子申請(オンライン申請)について

そして,うち書面申請には,さらに二つの方法があります。

  • 法務局の窓口に直接書類を持って行って提出し登記申請する方法(窓口申請)
  • 申請書と添付書類を管轄の法務局に郵便で送って登記申請する方法(郵送申請)

さて,司法書士が登記申請をする場合,ほぼオンライン申請と郵送申請を利用しますが,まず,現状,一般の方にはオンライン申請のハードルは高いはずです。なので書面申請をおすすめします。

さあ,ようやく登記申請をします。

■窓口申請の場合

最初に登記簿謄本(登記事項証明書)を取得したときに管轄の法務局を調べたはずです。その法務局に行って登記申請書を手渡します。

法務局の営業時間?は現状こうです。

奈良地方法務局本局,支局及び出張所の窓口取扱時間は下のとおりです。
なお,土曜・日曜・休日及び祝祭日は,すべての窓口の取扱いをしておりません。
窓口取扱時間
午前8時30分 から 午後5時15分 まで
(ただし,登記相談については,各庁にお問い合わせください)

法務局に行ったら担当窓口を探します。

法務局は相続登記だけをやってるのではありません。また不動産の登記だけをやってるわけでもありません。例えば奈良地方法務局に行くと,以下のような担当部署があることが分かります。このうちお世話になるのは不動産登記の部署です。

  • 不動産登記
  • 商業・法人登記
  • 成年後見登記
  • 国籍
  • 供託
  • 人権擁護

もう一つ言うと,不動産登記の部署はさらに二つに分かれます。およそ以下のような標記の看板がかかって,担当が分かれていると思いますから,権利部(権利の登記)のほうの窓口に行って申請書等を手渡してください。

  • 権利部(権利の登記)
  • 表示部(表示の登記)

「相続登記の申請をしたいんですが,,,」と窓口で話しかけたら書類を受け取ってくれるはずです(又は「こちらの箱に入れてください」と案内されます)。

■郵送申請の場合

郵送申請をする場合は同じく管轄の法務局と住所を調べてそちら(不動産登記の権利部)に申請書と添付書類一式を送ります。注意点を三つお知らせします。この注意点3点はとても重要ですのでくれぐれもご承知ください。

◎書留郵便等で送ること

法律で送り方が決まっています。それ以外の方法で送ってはいけません。以下のどちらかの方法で差し出してください。

  • 書留郵便
  • レターパックプラス

相続登記を自分でするレターパックプラス

◎封筒の表に不動産登記申請書が入っている旨記載すること

封筒の表紙に,大きく,「不動産登記申請書在中」を書きます。これも法律で決まっています。法務局には登記申請書以外の書類も届くため,それと分別してもらい,速やかに受付処理ができるようにするためです。

◎完了書類も郵送で送ってほしいときは以下のようにすること
  • 返信用封筒等を同封すること!
    「返信用封筒と切手(本人限定受取郵便での返信に足りる金額分)」又はレターパックプラスを一緒に入れてください。レターパックプラスをおすすめします。コンビニや郵便局で買えます。
  • 「登記申請書」に次の文言を書き加えること!(※)
    「送付の方法により登記完了証の交付を希望します。
    送付先の住所 申請人の住所地」
    「送付の方法により登記識別情報通知書の交付を希望します。
    送付先の区分 申請人の住所」

登記の完了書類を郵便で送ってもらう場合に必要になる「登記申請書」の記載事項です。先ほど見本をお見せした登記申請書にはこの記載をしていません。あのまま登記申請をすると,完了書類は法務局の窓口でのみ受け取ることができます。せっかく登記申請を郵送でしたんだから,完了書類も郵送でお願いしたい場合は,これらの記載を登記申請書に付け加えます。この文言を書く場所(挿入する場所)は,「添付書類」と「年月日法務局御中」の間でよいでしょう。

(申請の方法)
不動産登記法18条  登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一  法務省令で定めるところにより電子情報処理組織(登記所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法
二  申請情報を記載した書面(法務省令で定めるところにより申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法

(電子申請の方法)
不動産登記規則41条  電子申請における申請情報は、法務大臣の定めるところにより送信しなければならない。令第十条 の規定により申請情報と併せて送信すべき添付情報についても、同様とする。

(申請書等の送付方法)
同53条  登記の申請をしようとする者が申請書及びその添付書面を送付するときは、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律 (平成十四年法律第九十九号)第二条第六項 に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項 に規定する特定信書便事業者(以下「信書便事業者」と総称する。)による同条第二項 に規定する信書便(以下「信書便」という。)の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。
2  前項の場合には、申請書及びその添付書面を入れた封筒の表面に不動産登記申請書が在中する旨を明記するものとする。

(9)登記が終わったら登記識別情報と登記簿謄本(登記事項証明書)等を回収する

①申請したら法務局はどうするか

相相続登記の申請を窓口に出し,又は郵送申請をして法務局に書類が着いたら,法務局は登記の「受付」処理をします。

(受付)
不動産登記法19条  登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。
2  同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。
3  登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。
(申請の受付)
不動産登記規則56条1項2項  登記官は、申請情報が提供されたときは、受付帳に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。
2  登記官は、書面申請の受付にあっては、前項の規定により受付をする際、申請書(申請情報の全部を記録した磁気ディスクにあっては、適宜の用紙)に申請の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。

その後登記官は可能な限り速やかに申請書類を「調査」します。登記は法務局の受付順に処理されるので,前が混んでいれば処理に時間がかかります。なお,調査とは,審査のことだとお考えください。

(調査)
不動産登記規則57条  登記官は、申請情報が提供されたときは、遅滞なく、申請に関するすべての事項を調査しなければならない。

(登記の順序)
同58条  登記官は、法第二十条 に規定する場合以外の場合においても、受付番号の順序に従って登記するものとする。

調査の結果,相続登記の申請内容に却下事由(不動産登記法25条)がなければ,登記は必ず実行されます。法務局の登記官が責任を持って登記簿(登記記録)に登記をします。なお,申請書や添付書類に不備があれば法務局の登記官から電話がかかってくるので指示どおり対応してください。

(登記)
不動産登記法11条  登記は、登記官が登記簿に登記事項を記録することによって行う。

(権利部の登記)
不動産登記規則146条  登記官は、権利部の相当区に権利に関する登記をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、権利に関する登記の登記事項のうち、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付のほか、新たに登記すべきものを記録しなければならない。

②登記はいったい,いつ終わるのか

さて,申請した相続登記はいつ終わるんでしょうか。つまり,いつ完了して書類がもらえるんでしょうか。この点,先にも述べたとおり,登記は受付番号の順に処理されるので,どこの法務局に申請するか,その法務局の事件が混んでいるかどうかにより完了までの所要時間は変わります。なので,法務局は,そのときの混雑状況等を前提に,「登記完了予定日」というのを設定しています。いついつ申請受付された登記であれば,ほぼこの時期までに終わるでしょうという目途です。目途なので絶対終わるかどうか分かりませんが,余裕をみて設定されているので十中八九終わるはずです。

  • 相続登記を窓口申請した場合は,窓口横?にその登記完了予定日が書いてあるはずですからそれを控えて帰ってください。分からなかったら受付で聞いてください。
  • 郵送申請した場合は,その法務局のWEBサイト(ホームページ)を確認してみてください。登記完了予定日を掲載している法務局が多いです。例えば奈良地方法務局の場合は以下のとおり。

奈良地方法務局トップページ>登記完了予定日

③登記が完了したら法務局からどんな書類を受け取るのか

登記が完了したら,次の4点の完了書類を受領します。

  • 原本還付した添付書類
  • 登記完了証
  • 登記識別情報(いわゆる権利書・権利証)
  • 登記簿謄本(登記事項証明書)
「原本還付した添付書類」

前に説明しました。登記申請書のセットは,登記申請書ほか法務局に出し切りの書類のグループと,こちらに返却してもらう原本のグループに分けて提出したはずです。登記が完了すると,法務局は,提出した写し(コピー)と原本を照合して処理したうえ,原本のグループを返してくれます。

原本還付した添付書類は,登記完了と同時に,当然に,返還処理がされます。

この書類は,郵便で送ってもらうことができます。

(添付書面の原本の還付請求)
不動産登記規則55条  書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項 、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第一項第三号 (第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号 の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。
2  前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3  登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、当該請求に係る書面の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登記官印を押印しなければならない。
4  前項後段の規定により登記官印を押印した第二項の謄本は、登記完了後、申請書類つづり込み帳につづり込むものとする。
5  第三項前段の規定にかかわらず、登記官は、偽造された書面その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。
6  第三項の規定による原本の還付は、申請人の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、申請人は、送付先の住所をも申し出なければならない。
7  前項の場合における書面の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
8  前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
9  前項の指定は、告示してしなければならない。

「登記完了証」

登記完了証とは,文字どおり,法務局から申請人に対して,「こういうふうに申請された相続登記が完了しましたよ」と通知する書類です。この登記完了証はいわばお知らせ文書であり,登記が完了したことを通知する以上の法律的な意味や効力はありません。よく,この登記完了証と,後に説明する登記識別情報を混同する方がおられますのでご注意ください。この登記完了法を大事に保管しておいてもそれほど意味はありません(捨てることもありませんが笑)。

登記完了証は,登記完了と同時に,当然に,交付処理がされます。

この書類は,郵便で送ってもらうことができます。

(登記完了証)
不動産登記規則181条  登記官は、登記の申請に基づいて登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨を通知しなければならない。この場合において、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りる。
2  前項の登記完了証は、別記第六号様式により、次の各号に掲げる事項を記録して作成するものとする。
一  申請の受付の年月日及び受付番号
二  第百四十七条第二項の符号
三  不動産番号
四  法第三十四条第一項 各号及び第四十四条第一項 各号(第六号及び第九号を除く。)に掲げる事項
五  共同担保目録の記号及び目録番号(新たに共同担保目録を作成したとき及び共同担保目録に記録された事項を変更若しくは更正し、又は抹消する記号を記録したときに限る。)
六  法第二十七条第二号 の登記の年月日
七  申請情報(電子申請の場合にあっては、第三十四条第一項第一号に規定する情報及び第三十六条第四項に規定する住民票コードを除き、書面申請の場合にあっては、登記の目的に限る。)

(登記完了証の交付の方法)
同182条  登記完了証の交付は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法による。
一  電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記完了証を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
二  書面申請 登記完了証を書面により交付する方法
2  送付の方法により登記完了証の交付を求める場合には、申請人は、その旨及び送付先の住所を申請情報の内容としなければならない。
3  第五十五条第七項から第九項までの規定は、送付の方法により登記完了証を交付する場合について準用する。
4  官庁又は公署が送付の方法により登記完了証の交付を求める場合の登記完了証の送付は、嘱託情報に記載された住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものその他の郵便又は信書便によって書面を送付する方法によってするものとする。
(登記が完了した旨の通知を要しない場合)
第百八十二条の二  登記官は、次の各号に掲げる場合には、第百八十一条第一項の規定にかかわらず、申請人に対し、登記が完了した旨の通知をすることを要しない。この場合においては、同条第二項の規定により作成した登記完了証を廃棄することができる。
一  前条第一項第一号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに登記完了証が記録され、電子情報処理組織を使用して送信することが可能になった時から三十日を経過しても、自己の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該登記完了証を記録しないとき。
二  前条第一項第二号に規定する方法により登記完了証を交付する場合において、登記完了証の交付を受けるべき者が、登記完了の時から三月を経過しても、登記完了証を受領しないとき。
2  第二十九条の規定は、前項の規定により登記完了証を廃棄する場合には、適用しない。

「登記識別情報」

登記識別情報とは,従来一般に言われるところの登記済権利書や権利証に該当する書類です。これが最も大事な完了書類になります。登記が完了したら原則として申請人に登記識別情報が(権利書)が通知されます。

登記識別情報通知書(現在さらに形式が変わり,番号の目隠しは以下のようなシール式じゃなく袋とじの方式になってます)

相続登記を自分でする登記識別情報通知書

さて,この登記識別情報通知(書)ですが,

登記識別情報は,原則として,登記完了と同時に,当然に,申請人に通知されます。

登記識別情報も,郵便で送ってもらうことができます。

(登記識別情報の通知)
不動産登記法21条  登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。

(登記識別情報の通知の相手方)
不動産登記規則62条  次の各号に掲げる場合における登記識別情報の通知は、当該各号に定める者に対してするものとする。
一  法定代理人(支配人その他の法令の規定により当該通知を受けるべき者を代理することができる者を含む。)によって申請している場合 当該法定代理人
二  申請人が法人である場合(前号に規定する場合を除く。) 当該法人の代表者
2  登記識別情報の通知を受けるための特別の委任を受けた代理人がある場合には、登記識別情報の通知は、当該代理人に対してするものとする。

(登記識別情報の通知の方法)
同63条  登記識別情報の通知は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によるものとする。
一  電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記識別情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人(以下この条において「申請人等」という。)の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
二  書面申請 登記識別情報を記載した書面を交付する方法
2  登記官は、前項の通知をするときは、法第二十一条 本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者及び前条第一項各号に定める者並びに同条第二項の代理人(申請人から登記識別情報を知ることを特に許された者に限る。)以外の者に当該通知に係る登記識別情報が知られないようにするための措置を講じなければならない。
3  送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、申請人は、その旨並びに次項及び第五項の場合の区分に応じた送付先の別(第五項に規定する場合であって自然人である代理人の住所に宛てて書面を送付することを求めるときにあっては、当該代理人の住所)を申請情報の内容とするものとする。
4  前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。
一  申請人等が自然人である場合において当該申請人等の住所に宛てて書面を送付するとき、又は申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき(第三号に掲げる場合を除く。) 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法
二  申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の住所に宛てて書面を送付するとき(次号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの
三  申請人等が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法
5  前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により代理人が登記識別情報の通知を受ける場合であって、当該代理人が法第二十三条第四項第一号 に規定する代理人(以下「資格者代理人」という。)であるときは、登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。
一  当該代理人が自然人である場合において当該代理人の住所に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法
二  当該代理人が自然人である場合において当該代理人の事務所の所在地に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の住所に宛てて書面を送付するとき 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの
6  送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、送付に要する費用を納付しなければならない。
7  前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを申請書と併せて提出する方法により納付しなければならない。
8  第六項の送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。第四項第二号若しくは第三号又は第五項第二号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。
9  前二項の指定は、告示してしなければならない。

(登記識別情報の通知)
不動産登記事務取扱手続準則第37条

1.登記識別情報の通知は,登記識別情報のほか,次に掲げる事項を明らかにしてするものとする。
一 不動産所在事項及び不動産番号
二 申請の受付の年月日及び受付番号又は順位番号並びに規則第147条第2項の符号
三 登記の目的
四 登記名義人の氏名又は名称及び住所
2.規則第63条第1項第2号又は同条第3項に規定する登記識別情報を記載した書面(以下「登記識別情報通知書」という。)は,別記第54号様式によるものとし,同条第2項の措置として,登記識別情報を記載した部分が見えないようにするシールをはり付けるものとする。
3.登記識別情報通知書は,申請人に交付するまでの間,厳重に管理しなければならない。
4.登記識別情報通知書を登記所において交付する場合には,交付を受ける者に,当該登記の申請書に押印したものと同一の印を登記識別情報通知書交付簿に押印させて,登記識別情報を交付することができる者であることを確認するとともに,当該登記識別情報通知書を受領した旨を明らかにさせるものとする。
5.前項の場合において,登記官が必要と認めるときは,身分証明書等の文書の提示を求める方法により,登記識別情報を交付することができる者であるか否かを確認し,その際,交付を受ける者の了解を得て,当該文書の写しを作成し,登記識別情報通知書交付簿に添付するものとする。ただし,了解を得ることができない場合にあっては,文書の種類,証明書の番号その他文書を特定することができる番号等の文書の主要な記載内容を登記識別情報通知書交付簿に記載するものとする。
6.登記識別情報通知書を送付の方法により交付する場合には,登記識別情報通知書交付簿に登記識別情報通知書を送付した旨を記載するものとする。

以上3点の書類は,法律の条文に記載のとおり,いずれも郵便で送ってもらうことができます。相続登記を郵送申請をする場合,返信用のレターパックプラスを同封して必要事項を記載しておけば,3点まとめて封入して返送してくれます。

もちろん法務局に行って窓口で受け取ることもできます。窓口で受け取る場合は以下のものを必ず持参してください。大事な書類なのでこれらを持参しないと受け取れません。間違って関係ない人に交付してしまったら大変だからです。

  • 登記申請書に押印した申請印(実印かどうかは問いません。登記申請書の申請人のところに押した印鑑が必要です。いくら実印だと言っても,登記申請書に押印していなければダメです)
  • 身分証明書
「登記簿謄本(登記事項証明書)」

登記簿謄本は,登記が完了したからといって当然に交付されるわけではありあせん。サービスで1通くらいくれないの?と思われるかもしれませんが,まったくもって,くれません。登記完了後に自分で請求しないといけません。

相続登記の申請にチャレンジする初期段階で,現在の登記状態を調べるために登記簿謄本(登記事項証明書)を取得しました。あれと同じ手続きを,登記完了後に,もう一度やらないといけません。

相続登記の申請→受付→調査→登記の実行→前記3点の完了証類の交付という一連の流れの中に,登記簿謄本(登記事項証明書)の発行や受取りというのは含まれません。要するに,新しい登記簿の請求と取得は,相続登記の申請とは全く切り離された別個の手続きになります。最初に法務局で取得したように,登記が完了したら,改めて登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する,ただそれだけのことです。

  • 窓口申請をした場合,登記が完了し,窓口で完了書類を受領した後,その場で登記簿の請求をしてください。
  • 郵送申請をした場合,登記が完了し,完了書類3点が送られて来たら,改めて法務局に郵送で登記簿の請求をしてください。

もっとも,登記簿謄本(登記事項証明書)が必要ない方は請求しなくてもかまいません(その他の3点で登記が完了していることは分かります)

ただ,司法書士が登記をお受けしたら,必ず相続登記完了後の登記簿謄本(登記事項証明書)を各1通取得します。依頼を受けた登記が確実に登記簿(登記記録)に登記実行されているかチェックをしてからお客様に完了報告をするためです。法務局の登記官も人間ですから,まれに間違って登記されていることがあります。そういう場合,司法書士からすぐに法務局に連絡して,登記を訂正(職権更正)してもらいます。

④登記識別情報(権利書)等はどのように保管したらいいか

最後に,完了書類の内容の説明と,その保管方法に触れておきます。

そもそも登記識別情報とは何か

従来いわゆる登記済権利書とか権利証とかいわれていた書類のコンピュータバージョン(電子化された登記制度版)だと思ってください。先だって不動産登記法が100年ぶりに抜本改正されました。従来の紙の権利書は新たに発行されなくなって(前のものはそのままで有効),今後はこの登記識別情報が発行されます。具体的には,12ケタの英数字の組み合わせで組成されたパスワードです。自分の登記のパスワードキーだとお考えください。従来は紙の権利書に押してある法務局の判子を見て本物の権利書かどうか判断していたものを,現在はこのパスワードキーを法務省のコンピュータに入力照合して本物かどうか判定する仕組みになっています。

登記識別情報の管理保管方法

要は,厳重保管してください。登記識別情報は紙に印刷されて登記識別情報通知として申請人に渡されます。そして,この通知書には,情報が直ちに見られないように目隠し(従前はシール,現在は袋とじ)がしてあります。これを開けないようにしてください。見ても面白くありませんので。できれば,これをさらに封筒等に入れて封をして誰にも見られないようにしてください。封を開けたら開けたことが分かるようにしておくとよいです。開封後があれば情報が漏れた危険性が判明します。貸金庫があれば入れておくのをおすすめします(代わりに登記簿謄本(登記事項証明書)などを手元に置いておけばおよそ登記状態は分かります)。

登記識別情報の使い道

基本的にしまっておけばいいんですが,今度新しく当該物件について登記をする際(売却,生前贈与,財産分与,担保設定等)に必要になることがあります。そのときは登記を依頼する司法書士に封をしたまま渡してください。司法書士以外の人間に渡すのは危険です。「司法書士に渡してあげる」と言われても,「直接司法書士に渡します」と言って断ってください。

登記識別情報が盗み見られた・漏れた・紛失したかもしれない場合どうするか

次の3点を押さえてください。

  • 紛失しても登記識別情報通知は再発行されません。なのでパスワードキーを知る方法はありません。ただに紛失しただけで,誰かに盗られたのじゃないかぎり,そのままにしておいて差し支えありません。ただし,今度登記をするときに,いわゆる権利書がない状態になるので,本人確認等特別な手続き(司法書士に本人確認情報の作成を依頼する)が必要になる可能性があり,その場合は余分にお金がかかります。
  • 盗まれたか,誰かに漏れたかどか分からず不安な方は,法務局に対して,登記識別情報の「失効申出」をすることができます。文字どおりパスワードキーを無効にする手続きです。こうしておくと,不正利用は防げます。ただし,後から登記識別情報が見つかっても復帰はできません。一度失効させると,いわゆる権利書を無くした状態になります。つまり上記1.と同じことになります。
  • 「不正登記防止申出」という制度を利用することもできます。登記識別情報が不正利用されないよう,管轄法務局に警戒を呼び掛ける制度です。

登記識別情報,いわゆる権利書を紛失した場合については,この記事に詳しく書いておきました。長いですが,知っておきたい方や,いままさに権利書を紛失等した方は,是非ご一読ください(少しふざけた記事ですがご容赦ください笑)。

【保存版】家の権利書を紛失したらどうなるか完璧に説明します

⑤やっぱり権利書らしい書類がほしい?

相続登記が完了したら,以下の書類を受領すべきと説明しました。

  • 原本還付した添付書類
  • 登記完了証
  • 登記識別情報
  • 登記簿謄本(登記事項証明書)

ところで,相続登記を自分で申請した場合,これらの書類は「素」で手元に来ます。つまり「裸」のままの書類が手元にやってきます。これ,ちょっとイメージと違うんじゃないでしょうか。

  • これが例の「権利書」か,,,正直チープだ
  • ばらばらで整理しにくい
  • 保管方法に困る
  • どれが重要書類が分からない
  • 識別情報が盗み見られるリスクがある
  • そして,有難味がない,,

司法書士に依頼すると,完了書類は,このような用紙にセットされてやってきます。

相続登記を自分ですると権利書の表紙や冊子がない

以上,「相続登記を自分でする方法」について説明しましたが,いかがでしたでしょうか。自分で頑張ってみるもよし,司法書士に依頼するもよしです。

途中で挫折したり,分からなくなったら,いつでも事務所にご連絡ください。ご依頼があれば適正迅速に対応します。そして,あなたのお手元に,少々有難味のある権利書をお届けいたします(笑)

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

無料メール相談はこちら。司法書士が2時間以内にお答えします!

 

不動産の登記のことは奈良王寺の明徳司法書士事務所まで!

 

銀行の預貯金の相続はこちら

預貯金の相続手続きをして解約払戻しする(遺産整理業務)

 

証券会社の株の相続はこちら

証券会社の株の相続手続きをして売却する(遺産整理業務)

 

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

認知症になったら遺言書を書いてもらうには遅すぎる??その理由

前々から遺言書を書いてくれと頼んでいたんだけど伸び伸びになっていて気が付いたら両親は認知症になってしまった。時折「遺言書を書くよ~」と言ってくれてるんだけど本心かどうかわからない。というより認知症になっているので遺言書を …続きを読む

認知症の親の遺言書

家で遺言書を書いてもらうときにチェックすべきポイントをお教えします

今度両親に遺言書を書いてもらうことになったんですが,,とりあえず自分で書いてもらう自筆証書遺言?を作って,今度改めて公正証書遺言をお願いしたいと思うんです。よくテレビなんかで遺言書が有効とか無効とかやってるんですが,知識 …続きを読む

自筆証書遺言のポイントや要件や注意点

遺産分割協議のやり方と遺産分割協議書の作り方

今日は遺産分割協議や遺産分割協議書についてお話します。 遺産分割とは要するに,共同相続人が,相続分にしたがって,誰が何を具体的に相続して取得するかを話し合って,遺産を振り分け,所有を確定することです。 では遺産分割協議の …続きを読む

奈良王寺で遺産分割協議書の作成の依頼や相談

遺産分割(遺産分け)の方法を全部お教えします

どんな遺産があるか分かって,誰が相続人になるのかと,それぞれの相続人の相続分も計算できたら,次にしないといけないのは,具体的な遺産分けです。この具体的な遺産分けのことを法律では「遺産分割」と呼びます。「いさんぶんかつ」で …続きを読む

遺産分割調停の話合いを家庭裁判所に申請(申立て)する方法

共同相続人で遺産をどう分けるか話合いがまとまらない場合,仕方がないので家庭裁判所に場所を移して再度話合いをします。このまま相続人だけでやっていても進展せず,したがっていつまで経っても相続財産は自分のものにならないからです …続きを読む

奈良王寺の司法書士に遺産分割調停を相談依頼