相続大全集

使っていない土地(遊休地)には賃貸アパートを建てると相続税を節税できる!

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使ってない(余ってる)土地に賃貸アパートを建てて節税対策を!

このままだと将来相続税がかかる資産を持っているのに所有している土地を更地のまま放置していませんか?先祖から相続で引き継いだ土地をそのままにして遊ばせていませんか?もし遊休地を持っているなら,その土地に賃貸アパートを建てて貸し出し,大きく相続税を節税できる可能性があります。

 

相続税における不動産の評価

このことを説明するために,まずは,相続税の計算上,不動産がどのように財産評価されるのかを確認しておきます。土地は路線価(路線価の設定がなく路線価方式で評価できない地方は固定資産倍率方式で評価)にて,建物は固定資産評価額で財産価値を評価します。

参考)不動産価格のいろいろ

  • 公示価格=国土交通省
  • 基準地価=都道府県
  • 路線価=国税庁(財務省)
  • 固定資産評価額=市町村
  • 鑑定評価額=不動産鑑定士
  • 取引価格=民間人の取引による

 

遊休地に賃貸アパートを建てると相続税の「節税対策」になる

では,遊休地に賃貸アパートを建築して貸し出すと相続税の節税対策になる理由を説明します。

建物を建築すると資産を圧縮できるから

相続税は相続人が相続又は遺贈によって取得した財産に課税され,財産が多ければ多いほど負担増になる仕組みです。よって遺産を圧縮減少させることが相続税の節税対策にストレートに効きます。

一般に現金を不動産に変えること,そのこと自体が資産の圧縮効果を生みます。相続税において,土地は路線価で,建物は固定資産税評価額で評価すると言いましたが,不動産の市場価格・時価と,路線価や固定資産税評価額といった公的評価には価格にギャップがあるからです。一般に,時価>公的評価額の関係にあり,土地の路線価は時価の8割以下,建物の固定資産税評価額は時価の7割以下程度になります。

手元の現金でアパートを建築すれば,現金が減って建物に変わります。現金は額面通りの相続税評価を受けますが,建物は固定資産税評価額で評価でき,現金に比べて資産を圧縮することができます。アパートを建築すると資産圧縮ができるので,この点において相続税の節税対策になります。

建物を賃貸に出すと貸家として建物の評価を減額できるから

さらに,建物を賃貸に出すとさらに相続税評価を下げることがでいます。賃貸アパートは貸し出すことが前提なので当然賃貸に出します。建物を賃貸に出すと,その建物は,「貸家」としての相続税評価をすることができます。貸家は第三者に物件を貸し出して利用してもらうのであり,大家は通常同時に物件を利用できません。その意味で,大家の所有権は,賃借人の利用権によって制限を受けているので,貸家の価値はその権利制限の分割り引けるのです。

この割引率のことを「借家権割合」と呼びます。借家権割合は現在一律30%です。つまり建物を借りることは,所有権の3割の価値があるという意味です。建物を貸家にすると,建物の相続税評価は,以下の計算式で計算した額に減額できます。これによりまた資産を圧縮できるので,相続税の節税効果があります。

貸家の評価=建物の固定資産評価額*(1−0.3)*賃貸割合

賃貸アパートのうち空き部屋(貸し出せていない部分)があるときは,貸し出している部分だけ減額できます。空き部屋は権利の制限を受けていないので減額対象になりません。なので,建物全体の相続税評価は,上記算式のように,最後に「賃貸割合」(貸し出せる部分に占める貸し出している部分の割合)を乗じて計算します。

賃貸アパートの敷地は貸家建付地として土地の評価を減額できるから

今度は土地の話です。今まで更地だった土地。今度は土地の上に賃貸アパートが乗っています。更地は何にでも速やかに利用できる土地ですが,上に賃貸アパートを建築してしまうとそうはいきません。つまりこの土地は当面賃貸アパートの敷地として現状を継続するほかない土地になります。土地はこのように一定の制限を受けるので,更地に比べて相続税の評価を減額できます。通常更地に比べて2割程度は評価減ができるはずです。

このように貸家の敷地になっている土地のことを相続税法上「貸家建付地」と呼びます。貸家建付地の相続税評価は以下の計算式によって求めます。

貸家建付地の評価=更地価格−(更地価格*借地権割合*借家権割合*賃貸割合)

借地権割合というのは文字通り借地権の財産的評価を表す土地の価格に対する割合です。借地権は土地を借りて利用する権利ですが,賃貸アパートを建てて貸し出すと土地も事実上使えないので借地権の制限の要素を加味して土地評価をします。借地権割合は路線価と同じく土地ごとに国税庁が決めているので上記の路線価図を見ればこれも書いてあります。最後に賃貸割合を掛けるのは貸家評価の場合に同じです。

以上のように,更地の上に賃貸アパートを建築して貸し出すと,土地自体の相続税評価も圧縮できます。よってこれがさらに相続税の節税に寄与します。

具体例(モデルケース)

では最後に具体的な当てはめをしてみましょう。

賃貸アパート建築前

  • 現金=5000万円
  • 更地=5000万円
    相続税の財産評価額=1億円

賃貸アパート建築後

賃貸アパートを5000万円で建築し全室貸し出したとすると,,,

  • 現金=0円
  • 建物=3000万円
  • 土地=4250万円
    相続税の財産評価額=7250万円

注)

  • アパートの固定資産評価額を3000万円
  • 借地権割合を50%
  • 借家権割合を30%
  • アパートは満室
    とする。

単純な計算ですが,このような形で,財産評価額を圧縮し,相続税を節税できます。

 

遊休地に賃貸アパートを建てると相続税の「納税資金対策」になる

賃料収入で納税資金対策をする

更地を更地のままで所有していてもその土地は1円もキャッシュを生みません。むしろ固定資産税の負担がある分キャッシュフローはマイナスになります。しかし賃貸アパートを建築すれば,毎月賃料(家賃)の収入が入ってきます。この家賃を一定程度貯蓄しておけば,相続人が相続税を支払う際の納税資金対策になります。なので,手元現金を賃貸アパート建築費にある程度つっこんでもよいケースが構わないケースがあるでしょう。

銀行借入でアパートを建築して手元現金(キャッシュ)を温存し納税資金とする

もし手元の現金が無くなるのが不安なら,銀行から借入れをして建築費に充てることも可能です。ちゃんと収益性のある計画ならば,銀行も建築費を融資してくれるはずです。銀行が融資を付けてくれるかどうかを,その計画の妥当性を判断する基準にしてもよいかもしれません。建築費を銀行からの借入れで賄えば,手元キャッシュをそのまま温存することができます。きっちり計画され,条件のよい計画をすれば,賃料収入で借入金利息をまかなうことができます。

なお,銀行から借入れをして債務を増やすことがすなわち相続税の節税に効果があるわけではありません。借入金の有無と相続税の節税対策には何の関係もありません。借入れをしたお金で不動産を購入して初めて相続税の節税効果が生まれます。

 

まとめ

以上のように,更地で遊ばせている遊休地に賃貸アパートを建築することは次のとおり節税対策や納税資金対策になります。

  • 現金で賃貸アパートを建築すると課税財産の圧縮効果で節税対策になる
  • 一方借入れで建築すると納税資金対策になる
  • アパートをじっさいに貸し出せば「貸家」としての評価減で節税対策になる
  • アパートの敷地も「貸家建付地」として評価減を受けられるので節税対策になる

 

蛇足

趣味でアパート経営をするのではない限り,アパート経営には一定のノウハウが必要です。

  1. まずもってアパート経営に適した土地で賃貸需要があるかどうかが重要です。
  2. またコストパフォーマンスに優れたリーズナブルな物件を建築してもらうことも大切。
  3. そして相続税の節税対策としてアパート建築と経営をするなら,狙った経済効果を得られる見込みの程度をきっちり計算できているかどうか,そのために不動産会社や建築会社とどういう契約をするのかなど,諸々のことを見極める法律知識及び市場に関する目利きの力が必要です。

アパートを建てても賃貸需要がなく,建築物も粗悪で,アパート経営としてまったく成立しなければどうなるでしょうか?そのようなことになると,場合によっては,相続税の節税効果を上回る損失が発生する可能性もないわけではなく,何のためにアパートを建てたのか分かりません。

よって,相続税の節税対策のために賃貸アパートを建築するときは,アパート経営そのものとして成立するのか,又は経済的にプラスになるところ(アパート経営としては損失でも相続税の節税効果との損益通算でプラスになればよい)で売却処分して現金化することが可能なのか,どちらかの目算が立つ計画をすることが何より大切です。

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