相続大全集

親が元気なうちに子供が相続でやっておくべきことのポイントについて整理します

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親が元気なうちに遺産相続でやっておくこと

親はまだまだ元気だけど,ある程度資産があるので,将来の遺産相続に備えて今からやっておけることはないかな?親もだんだん弱ってきたし,遺産相続で困らないように今すぐやっておくべきことはないかな?

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

そんな疑問をお持ちの方にお答えします。親が元気なうち(死期が迫っていたり,完全に認知症になっている親以外が対象)に子供であるあなたが相続でやっておくべきことのポイント。遺産相続以外の内容も入っていますが確認しておくとよい内容です。

 

遺産相続に対する基本的な考え方について

遺産相続に関する基本的な知識を増やしておく

インターネットで調べたり,簡単な書籍を読むなどして,遺産相続に関する基本的な知識を増やしましょう。このサイトのほかのページを読んでいただいてもいいです。遺産相続とは?法定相続人とは?遺産分割とは???あなたが疑問に思っていたり,分からなかったりするところを調べておきます。

遺産相続に関する親の考えを聞いておく

親は,自分の資産・遺産を,誰に相続してほしいと考えているのでしょう。また,どのように使ってもらいたいと思っているのでしょう。今のうちに本人に聞いておきましょう。

あなたがどういう財産を相続したいか考えておく

対して親の遺産を相続する相続人のあなたは,親の持っている財産のうち,どの財産を取得したいと思いますか?もちろんそのとおりに相続できるとは限りませんが,将来に備え,自分の考えを整理しておいてください。

将来の相続について法定相続人の考えを聞いておく

もしあなたに兄弟等がいて,親に相続に関し,共同相続となるなら,あなたのほかの法定相続人が相続についてどう考えているかを聞いておきましょう。聞きにくいことかもしれませんが,何かの機会をとらえて,だいたいの考えを聞いておくことをおすすめします。

 

争族対策・遺言対策について

将来法定相続人と揉めそうかどうか考えておく

親の相続に関する自分の考え,他の法定相続人の考えや境遇を知れば,将来親の遺産相続がスムーズにいくかどうか想像できるはずです。揉めそうか?スムーズにいきそうか?それは間違いないか?考えておきましょう。

遺言書の作成を親にお願いする

将来親の相続で揉める可能性があるなら,親にお願いして,遺言書を作成してもらいましょう。公正証書遺言を作成することをおすすめします。遺言書作成の相談は,親といっしょに,司法書士のところに行ってください。

遺言書がある場合は保管場所や内容を聞いておく

すでに親が遺言書を作成したら?あなたはその遺言書の保管場所を知っていますか?できれば親にお願いして,保管場所を聞くほか,内容についても教えてもらっておいてください。

 

節税対策について

親の財産を把握して節税対策の必要性を判断する

あなたは親の財産の額や内容を把握していますか?細かいことはいいので,だいたいのことを聞いておけるとよいです。もし親の財産が相続税基礎控除額を超えるようなら,節税対策が必要かもしれません。

生前に墓を購入してもらえないか

墓地や墓石,仏壇など祭祀財産は相続税の非課税財産になります。親が自分でお墓を用意してくれれば(契約して代金まで納入済みに限る),その分相続税の課税財産を減らせるので節税対策になります。

土地を測量してもらえないか

もしあなたが相続した土地を売却したりするなら,土地を測量して隣地との境界をはっきりさせておく必要があります。これには結構な費用がかかり,どのみち必要なことなので,親が生前にやっておいてくれると節税になります。

相続税対策にマンション購入できないか

タワーマンションの上層階は,相続税の評価額と,時価に乖離があります。つまり時価よりも相続税の評価額が相当低いので,現金をマンションにしておくと節税になります。相続が済んでしばらくしたら時価で売却します。

都市部に引っ越ししてもらえないか

相続税法には,自宅の敷地等に限って,相続税の評価を大幅減額できる制度があります(小規模宅地等の特例)。相続税の支払いのために自宅を手放さなくてもいいようにする制度です。現在の法律では,自宅敷地の330㎡まで,80%分減額して評価できます。つまり自宅敷地は20%の値段で評価できるのです。この減額は,金額ではなくて割合でするので,地価の安い地方に住むより,地価の高い都市部に住んでいただいたほうが,より大きく節税できます。

同居の自宅をリフォームしてもらえないか

同居するあなたの好みに沿った仕様で,親の生前に,リフォームしておいてもらうと節税になります。どのみちリフォームが必要な家なら,親のお金でやっておいてもらうと得です。

孫や子供へ生前贈与をしてもらえないか

節税対策の基本はやはり生前贈与です。毎年贈与税の基礎控除内の110万円ずつ贈与したり,住宅資金,教育資金等の特例を利用して一括贈与したりすれば,贈与税の負担なく親の財産を生前に移転できます。

その他の節税対策に協力してもらう

節税対策にはいろんな方法があります。節税対策をするしないによって,相続税の負担が大きく変わるケースもありますから,専門家に相談してできることはやっておきたいものです。ただ何をするにしても親の協力が必要です。節税対策は親の財産を動かす作業だからです。是非親によく説明して,協力してもえるようにしましょう。

 

生前の親の財産管理等について

親が判断能力がなくなったときに誰がどうやって財産管理するか話し合う

ボケたり寝込んだりして親が自分で財産を管理できなくなったらどうするか,誰にどうしてほしいか,を確認しておきましょう。

任意後見契約を締結する

親が元気なうちに,公証人役場で任意後見契約を結んでおけば,親が将来自分で財産管理ができなくなったとき,第三者が親の財産を管理することができます。任意後見契約は,将来親が判断能力を失った際に,誰がどのように親の財産を管理するか,事前に決めておくための契約です。あなたを任意後見契約の受任者として親と契約しておけば,将来親の財産をあなたにおいて管理できます。もしこの任意後見契約がない場合,親が判断能力を失ってから,家庭裁判所に法定後見開始の申立てをして,成年後見人を決めてもらいます(この場合,誰が後見人になるかは裁判所が決めるので,あなたが後見人になれるとは限りません)。

継続的見守契約や死後事務委任契約を締結する

親の生活状況や判断能力の程度を定期的にチェックする契約を結んだり,遺言書で決めることができない財産以外の死後事務を誰がどのようにするのか生前に契約で決めておくこともできます。例えば葬儀,納骨,永代供養のことなど。

 

終末期医療について

終末期医療に関する親の希望を聞いておく

文字どおり,親の最後をどのように迎えたいか,ご本人の希望を聞いておきます。医療機関の選定,受ける医療の程度,延命治療の必要性などです。

 

死後の手続きに関する参考情報について

所有不動産について確認する

親が所有している不動産の所在地や地番,地図,登記名義人を確認しておきましょう。権利書,登記簿謄本,固定資産税通知書などから判明します。

預貯金口座について確認する

なるだけ全部の金融機関口座について聞いておきます。銀行名(金融機関名),支店名,口座種別,口座番号,口座名義人をメモしておきます。

ネット銀行の利用がないか確認する

ネット銀行を利用しているなら,IDとパスワードを聞いておいてください。

証券口座について確認する

株式投資や投資信託などをしているなら,証券会社名,支店名,名義人,銘柄名,株数などを聞いてください。親宛に送ってきている取引報告書や残高の報告書等を見せてもらえば分かります。

貸金庫について確認する

貸金庫があるなら,銀行名,支店名,開錠方法,そして中に何が入っているのか確認してください。貸金庫に分からない財産が入っていると遺産分割に困ることがあります。開錠するのに法定相続人全員の協力が求められるからです。

親族や第三者への貸金がないか確認する

親は誰かにお金を貸してないですか?貸金債権を持ってないですか?もしあれば,相手方債務者の住所氏名,貸した年月日,債権額(貸した金額),残額を聞き,借用書等の証拠書類を確保しておいてください。

生命保険について確認する

保険会社の会社名,連絡先,保険契約の内容,契約者・被保険者・受取人を聞いて,保険証券の所在場所を教えてもらってください。

貴金属や絵画について確認する

もしあるなら品名,保管場所と連絡先,購入価格,およその時価などを確認してください。

ゴルフ会員権がないか確認する

運営会社の所在,会社名,連絡先及び会員権の内容を聞いておいてください。証書の所在も確認してください。

現金を置いてないか確認する

へそくりをどこかに隠してないですか?あれば必ず聞いておきます。でないと,死後,家財を業者に処分してもらう前に,タンスの奥の奥まで探索しなければいけなくなります。

インターネット回線等について確認する

親の家のインターネット回線の通信事業者やインターネットプロバイダーについて聞いておきます。業者から送られてきた契約に関する冊子などあれば,その所在を確認しておいてください。

その他,何かの会員になってないか確認する

互助会等,親は何かの会員になっていませんか?もしあれば全部聞いてメモしておいてください。退会等の処理をする必要があります。死亡によって何等かの財産給付を受けられるものかもしれません。

借金がないか確認する

借金があるのかないのか,あればその内容を詳しく聞いておいてください。借金も相続財産になるので,支払うのか,相続放棄するのか,事前に検討しておきます。債権者の住所氏名,借りた年月日,残額,借用書等があればそれも確認です。金融業者からの借金については,信用情報機関に照会をして,一括に詳細を調べる方法もあります。

保証人になってないか確認する

身内や取引先等の連帯保証になってないですか?あるのかないのか,もしあるなら詳しく内容を聞き出しておいてください。親に聞いてもよくわからなかったら,主債務者(じっさいにお金を借りた人)らしき人に問い合わせたり,銀行等の金融会社に問い合わせるなどして,確かな情報を仕入れておくことです。

クレジットカードの内容について確認する

親は,銀行系,スーパーなどの流通系,その他のクレジットカードを所持していませんか?平素の買い物はカードを切っていなかったですか?もしクレジットカードがあれば,その全部を集めて確認してください。クレジット残高や,キャッシングサービスを利用していればその残高も知りたいところです。毎月業者から送付の明細書を見せてもらえればだいたいのことは分かります。

親の住所,本籍について改めて確認する

親の住民票上の住所地や,本籍地を,改めて確認しておいてください。住民票や戸籍謄本を取得してはっきりさせておくとなおよいです。将来相続が開始したときに,司法書士等に渡すこともできます。

死んだら連絡してほしい人を聞いておく

死後誰に連絡してほしいのか,リストにして書き出しておいてもらいましょう。できれば,住所,氏名,電話番号,携帯電話の番号,メールアドレスなども分かるとよいです。親が亡くなると忙しいので,葬儀等の連絡をするのにできるだけ情報が多いほうが望ましい。なかなか連絡がつかないと大変です。

頼んでいる司法書士の連絡先を聞く

遺言書の作成や不動産のことなど,親が相談したり依頼したりしている司法書士があれば,その司法書士の事務所名,名前,連絡先も確認しておいてください。

頼んでいる税理士の連絡先を聞く

顧問税理士のほか,親がなにか税理士に相談しているときは,税理士の事務所名や連絡先も聞いておきましょう。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

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