相続大全集

親の家(住宅・家屋)には価値がある?相続税ではどのように評価されるかご説明します

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

自宅家屋の相続税評価

将来の相続に備えて父親の財産を整理しているところです。どうやら相続税がかかるかかからないかという微妙なところなので,財産の価値をある程度正確に調べていきたいと思います。父親は持ち家に暮らしていて,土地建物が父親の所有になります。土地は路線価方式で計算するとのことですが,建物の相続税の評価はどうなるんでしょうか?中古の建物なので,価値はないのでしょうか?

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

相続税における財産評価のうち,父親が所有している家屋の評価はどうやって決まるのか。今日はこのことについて簡単に説明します。

家屋の相続税評価も,土地と同じく,国税庁の「財産評価基本通達」によって評価します。それによると,土地は,路線価によって決まり,路線価がない土地は,固定資産倍率方式で決まると前に説明しました。今度は家屋です。

 

家屋の相続税評価額

ズバリ,家屋は,固定資産税評価額によって評価します。つまり,毎年5月か6月に,市町村から送られてくる固定資産税の通知書の「価格」とか「評価額」の欄に記載のあるあの金額によって決まります。固定資産税評価額は,市町村民税である固定資産税の課税価格を決めるための価格ですが,相続税の評価もこれを用いましょうと,先の財産評価基本通達で指示されています。

原則として,固定資産税評価額=相続税評価額

 

貸家の場合(借家の相続税評価額)

いま「原則として」と言いました。原則があれば例外があります。仮に,父親の所有する建物が,貸家になっていたら?つまり借家に出されていたらどうでしょうか。借家として第三者に貸し出されている建物(貸家)の相続税評価はどうのように決まるのか。

借家に出されているということは,父親の所有でありながら,父親が自由に使うことができない家屋(貸家)です。自由にどころか,ほぼ利用はできません。所有はしているけれども利用はできない。つまり,当該建物の財産的価値を求めるには,所有権の価値から利用権の価値が控除されるべきです。

この点,貸家の相続税評価額は次のように決まります。

貸家の相続税評価額=固定資産税評価額*(1-借家権割合賃貸割合

借家権割合とうのが控除すべき利用権の価値です。これは,国税庁が30%と固定しています。賃貸割合というのは貸し出している部分の面積の割合です。一部貸し出しているならその部分の価値だけ控除すべきだからです。次の計算式で求めます。

賃貸割合=賃貸されている各独立部分の床面積の合計/家屋の各独立部分の床面積の合計

貸出可能な部屋面積のうち,どれだけ貸し出しに出ているか,というだけのことです。

 

家屋の周辺はどうなる?

家屋は家屋だけ評価の対象になるかといえばそうではありません。細かいところは税理士の評価に任せて,あなたは,家屋以外にも評価するものがあることだけ覚えておいてください。

家屋と構造上一体となっている設備

電気設備,ガス設備,衛生設備,給排水設備などのことで,家屋に取り付けられて,家屋と構造上一体になっているものは,家屋の価額に含めて評価します。

門・塀などの付属設備

次のとおりの算式で評価します。

相続税評価額=(当該物件の再建築価格-経過年数による減価額)*0.7

庭園設備

庭木,庭石,あずまや,庭池などのことで,次のとおり計算して評価します。

相続税評価額=調達価額*0.7

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

無料メール相談はこちら。司法書士が2時間以内にお答えします!

 

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

信託銀行の遺言信託(とか遺産整理業務)を頼んではいけない理由を知っていますか?

最近テレビやインターネットでよくよく信託銀行の遺言信託や遺産整理,そして相続業務のコマーシャルが流れています。銀行さん,とりわけ信託銀行はお金持ちが大好きなので,次々と富裕層や準富裕層にターゲットした商品を開発してきます …続きを読む

信託銀行の遺言信託や遺産整理業務はどう?

財産以外のことがいろいろ書いてあった遺言書の効力について説明します

父親が亡くなって自筆証書遺言が出てきたんです。遺言書にはこんなことがいっぱい書いてあったんです。ちょっと抜粋してみます。 結婚するなら公務員としなさい。金貸しとだけはするな。 孫はあんまり勉強しろと言わないで伸び伸び育て …続きを読む

遺言事項以外の遺言

なぜ親に家・住宅を建ててもらうと相続分が減るのかご説明します

相続の取り分,つまり相続分の話合いや,具体的な遺産分けの途中で,「だれだれは家を建ててもらってるからもらい過ぎよ」とか,「だれだれは土地をもらったから相続はしなくていいだろう」とかいうことを聞いたことがありませんか。よく …続きを読む

法定相続人でも相続人になれない三つのケースついて説明します

法定相続人というのは,法律で,ある人が亡くなった場合に,遺産相続の相続人になると決められている人のことです(遺言があればまた別ですが,これは別のところで説明します)。 「身内の関係が近い順から相続するんでしょう?」という …続きを読む

父親の事業・家業を相続で継ぐ(事業承継)のに遺言書が必要な理由を詳しく説明します

もし父親が会社の社長やオーナーで,あなたが将来父親が亡くなったときにその事業を継ぐ(事業承継・事業相続)予定をしているなら,父親の元気なうちに,父親に遺言書を書いてもらうことをおすすめします。いや,父親の生前に事業を引き …続きを読む

父親から相続で事業や家業を承継する場合の遺言書