相続大全集

信託銀行の遺言信託(とか遺産整理業務)を頼んではいけない理由を知っていますか?

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信託銀行の遺言信託や遺産整理業務はどう?

最近テレビやインターネットでよくよく信託銀行の遺言信託遺産整理,そして相続業務のコマーシャルが流れています。銀行さん,とりわけ信託銀行はお金持ちが大好きなので,次々と富裕層や準富裕層にターゲットした商品を開発してきます。企業努力ですね。さて,今日は銀行をほめるためにこの記事を書いているわけじゃありません。むしろ銀行のそういった業務をある面で否定して,司法書士に任したほうがいいよ,と宣伝するために書いているわけです(正直)。えらく攻撃的ですが,人様を騙そうというのではなく,本当にそう考えていますので,誠実さに免じてご一読のほどを何卒宜しくお願いします。

さてタイトルを繰り返します。

「信託銀行の遺言信託を頼んではいけない理由を知っていますか?」

さすがにこれはちょっと言い過ぎました。信託銀行に頼むなら司法書士に頼んだほうがお得ですよ,と言い換えておきます。遺言書の作成等は司法書士に頼んだほうが「得」だと。得とは何がか。何が得なのか。

現代社会で損得と言えば普通はお金です。経済的なことです。要は,信託銀行に頼むと高いから,司法書士に頼んだほうが安くてお得ですよ,とそういうお話です。そんなこと言うけど信託銀行は大きい会社だし,ビルもでかい?し,やっぱりやってくれることが違うんじゃない?もしやってくれる仕事が違うんなら,それを比べて高いも安いもないんじゃないの?という声が聞こえました。その疑問に端的に答えたうえ,本題に話を進めます。

 

信託銀行の遺言信託と司法書士の遺言書作成・遺言執行業務の違い

違いはない。同じです。どちらもやることは次のとおり。

  • 遺言書作成
  • 遺言書保管
  • 遺言書の執行(遺言執行)

つまり

  • 遺言書を作成するお手伝いをして
  • 遺言書を大事に預かって
  • 遺言者が亡くなったら財産の相続手続をする

この三つの仕事をぬかりなく適正迅速に実行するだけです。信託銀行に頼んだら素晴らしい遺言書が出来上がったりしません。信託銀行に頼んだら遺言書を預けているうちに金の用紙に変わったりしない。そして信託銀行のする遺言執行業務には特別の国家権力が付与されていてスムーズだ,なんていうこともない(不動産の相続登記は不動産登記法にもとづいてするし,税務申告は相続税法によってする。信託銀行だけ特別法があってこれらの法律をすっ飛ばして手続きできるものではない)。

業務は同じです。やってもらえる仕事の項目は同じでクオリティも同じです。いや当事務所に任してもらえれば,やることは同じでも,より細やかに,より迅速に対応するので,逆に信託銀行より満足いただける自信はありますが,独断と偏見なのでこれ以上言いません(笑)。

それではいいですか?仕事が同じなのにどうして信託銀行の遺言信託は高いのか?のお話。

 

信託銀行の遺言信託と司法書士の遺言書作成・遺言執行業務の費用(手数料)の違い

これはもうズバッ!といきましょう。費用(手数料)の違いを生む理由(原因)は二つ。

一つ目の理由

単に信託銀行がたくさん儲けたいからです。利益を多く取りたいから。民間企業なので当然です。これ,もうちょっと詳しくいうと二つに分類できるかと思います。

  • 大企業で組織が大きく,企業経営にコストがかかっているので,大きく儲ける必要がある(切実な問題)。
  • 大企業で組織が大きくブランド力があり,広告などにコストをかけられるので,大きく儲けることが可能である(少なくとも信託銀行は思っている)。

二つ目の理由

俗な言葉で言うと,「下請けに出す」からです。信託銀行が直接手続しないからです。とりわけ一番大事な遺言執行業務において,信託銀行は業務の手配と進捗管理をしてるだけです。

つまり信託銀行に遺言執行業務を依頼しても,例えば不動産の相続登記(名義変更)をじっさいに法務局で手続きしているのは司法書士事務所です。信託銀行に出入りしている司法書士事務所なんです。相続税の申告が必要な場合,じっさいに相続税申告業務を行って税務署に出す申告書を作成するのは信託銀行じゃなくて税理士事務所(又は公認会計士事務所)です。出入りの税理士事務所等が具体的な仕事をしているんです。

そうするとどうなるか。信託銀行の利益になる信託銀行の手数料に,司法書士事務所や税理士事務所の正規手数料が加算されるんです。信託銀行は,遺言信託業務にかかった「経費・実費」として,その司法書士事務所や税理士事務所に支払う報酬分を,お客さんであるあなたに請求するわけです。これでは言わば二重取りになって,費用が嵩むのは当然の理です。

イメージ図)

信託銀行に依頼した場合

  • お客さん → 信託銀行 → 司法書士 → 法務局
  • お客さん → 信託銀行 → 税理士 → 税務署
    ※信託銀行は,銀行報酬に加え,下請けに出した司法書士報酬や税理士報酬を「実費」としてお客さんに請求

司法書士に依頼した場合

  • お客さん → 司法書士 → 法務局
  • お客さん → 税理士 → 税務署
    ※司法書士が窓口になって税理士等を紹介する場合,ご紹介するだけで紹介料等は受け取りません。

もっとも,給料の高い信託銀行の従業員が直接動いて手続きをしていたら(実務能力的にそれができるかどうかはともかくとして),現状よりさらに手数料が高くなるはずで,下請けに出しているから高くなるとは,本当は理由にならないかもしれません。要は,信託銀行のような巨大企業に遺言書のことを任せると,どうやったって手数料が高くなるのを避けられないのです。

遺言書作成や保管,そして遺言執行業務については,お手盛りではなくリアルに,信託銀行よりも司法書士事務所に競争力があるってことです。

 

結論(まとめ)

「信託銀行の遺言信託を頼んではいけない理由を知っていますか?」

今日のタイトルは以上のとおりでした。

「知ってるよ。やること同じなのに,高いからでしょ。」

誰にもこのように答えていただけるよう我々司法書士はしっかり仕事をするとともに,世の中にアピールしていかないといけませんね。

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