相続大全集

遺言書を書いてもらったら遺言書をどうやって保管するのか説明します

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遺言書の保管方法

今度両親に遺言書を書いてもらえることになったんですが,書いてもらった遺言書はどうやって保管しておいたらいいですか?誰が持っておけばいいですか?また気を付けることがあったら教えてください。

遺言書を書いてもらったはいいがその遺言書の現物をどうしておいたらいいか?と相談されることがあります。各人が自由にすればいいことではありますが,確かに重要な問題ではあります。というのも,遺言書を紛失してしまっては,せっかく書いてもらった意味がないからです。

では今日は,よく使われている遺言書の方式である自筆証書遺言公正証書遺言の保管方法を説明します。あくまで一例であって,遺言書をどう保管するかは自由なので,あくまで参考程度にご覧ください。

 

自筆証書遺言の保管方法について

一番いい方法

親に遺言書を書いてもらう際,まったく同じ内容で遺言書を2通書いてもらってください。
うち1通をあなたが保管し,もう1通を親に保管してもらってください。
親もあなたも,もし貸金庫を借りていたら,そこに遺言書を入れてください。

これで紛失する可能性はほぼゼロです。どちらかの遺言書を紛失しても,便宜もう1通で遺言執行できます。

おすすめする方法

親に遺言書を書いてもらったら,まず写し(コピー)をとってあなたが保管してください。
原本は親に保管してもらってください。貸金庫があれば貸金庫に入れて。
(親が許すなら,原本をあなたが預かり,写しを親が持っていてもかまいません)

こうしておいても,万一親が原本を紛失したら,遺言書にもとづいて相続処理をすることはできません。自筆証書遺言を使って相続をするには遺言書の原本が必要であって,写しでは足りないからです。写しでは遺言書として通用しません。しかしながら,前に作成されたであろう遺言書の内容は,写しを見れば分かりますので,以下のようなメリットがあります。

  • もし他の相続人に遺言書が変造されていたら,変造されている事実が分かる。
  • 遺言書として通用しなくても,その内容から,生前の親の考えが分かる。これを相続人に見せて,遺産分割(協議)をする際に他の相続人に譲歩をお願いすることができる。もちろん強制力はありませんが,親の考えを尊重してくれる相続人もいるかも知れません。

ダメな方法

原本1通だけ親が手元に保管する方法はおすすめしません。生前又は死後に紛失してしまう可能性があるからです。大事にどこかの奥にしまいこんでしまって,逆に見つからないという笑い話?もあります。

 

公正証書遺言の保管方法について

公正証書遺言を作成したら,保管の方法についてあれこれ心配する必要はありません。公正証書遺言の作成が終わったら,「原本」は公証人が保管し,遺言者には,「正本」と「謄本」の合計2通の遺言書を持って帰ることができます。内容は同じで,法的効力もほぼ同じものです。相続が開始して遺言の効力が生じても,公証人に原本をもらう必要はありません。持って帰った正本や謄本で相続手続ができます。

そうですね。正本は遺言者である親が保管し,謄本は受遺者であるあなたが保管してはどうでしょう。もちろんどちらも親が保管してもかまいません。あなたは,いついつ付どの公証人役場で親が遺言書を作成したという字事実を書きとめて忘れないようにしておけば十分です。

というのも,遺言書の原本は,公証人役場で20年間保管されることになっています。最近は電子化されたデータまで保管され大災害が来てもバックアップから復元できるよう対策されています。もし,親やあなたが,遺言書の正本と謄本を両方紛失しても,公証人役場にお願いすれば,もう一度謄本を発行してくれます。公証人役場に保管してある原本にもとづいて,謄本は何度でも発行できる仕組みです。

なお,前記のとおり,法律上,公正証書の保存義務があるのは,作成後20年までなのですが,この期間は義務つまり最低でもこの期間は保存しなさいという法律上の命令にすぎません。遺言者が120歳まで保存したり,一度も破棄せず保存したりするのが一般的な公証人役場の実務運用です。気になる方は遺言書を作成してもらった公証役場に確認しておいてください。

以上,公正証書遺言は,遺言書を間違いなく保管する,その意味からもおすすめできる遺言の方式です。

公証人法施行規則27条  公証人は、書類及び帳簿を、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる期間保存しなければならない。ただし、履行につき確定期限のある債務又は存続期間の定めのある権利義務に関する法律行為につき作成した証書の原本については、その期限の到来又はその期間の満了の翌年から十年を経過したときは、この限りでない。
一  証書の原本、証書原簿、公証人の保存する私署証書及び定款、認証簿(第三号に掲げるものを除く。)、信託表示簿 二十年
二  拒絶証書謄本綴込帳、抵当証券支払拒絶証明書謄本綴込帳、送達関係書類綴込帳 十年
三  私署証書(公証人の保存する私署証書を除く。)の認証のみにつき調製した認証簿、確定日付簿、第二十五条第二項の書類、計算簿 七年
2  前項の書類の保存期間は、証書原簿、認証簿、信託表示簿、確定日附簿及び計算簿については、当該帳簿に最終の記載をした翌年から、拒絶証書謄本綴込帳、抵当証券支払拒絶証明書謄本綴込帳及び送達関係書類綴込帳については、当該帳簿に最終のつづり込みをした翌年から、その他の書類については、当該年度の翌年から、起算する。
3  第一項の書類は、保存期間の満了した後でも特別の事由により保存の必要があるときは、その事由のある間保存しなければならない。

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