相続大全集

親と一緒に公証役場で遺言書を作成する場合に注意すべきポイントをお教えします

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親と一緒に公証人役場で公正証書遺言

ここでは,あなたが両親などと一緒に公証人役場公正証書遺言を作成してもらうと思っている場合に注意すべきポイントをご紹介します。

 

公正証書遺言の作成費用は子供が出してあげる

可能なら遺言公正証書を作成するときにかかるお金は財産をもらう受遺者のあなたが出してあげましょう。あなたが遺言書を作ってほしいと頼んでいるのに両親がのらりくらりしているような場合は,「お金は私が出すから」と言ってお尻を叩いてあげてください。

もしかすると公正証書遺言作成にかかる費用は,ご両親にとってはたいした金額じゃないかもしれません。一方あなたにとっては大金で,生活費や子供の教育費に大変なこの時期にそんなお金出せないよ,と考えるかもしれません。

しかし,遺言書によって財産をもらうのはやはりあなたですから,あなたが出してあげるとご両親はうれしいかもしれませんね。ところで遺言書をきっちり作成することによって,あなたが相続できる財産はいくらになるでしょう?遺言書がなくて,法定相続で遺産相続をした場合,あなたが受け取れる遺産との差額は?それに比べて公正証書作成費用はどれほどの割合を占めますか?そのあたりをよく考えて,是非あなたのほうから,「費用は私が出す」と提案してみてください。ご両親も重い腰を上げてくれるかもしれません。

なお,公正証書遺言を作成する場合にかかる費用は次のリンクのとおりです。

公証人連合会WEBサイト

公正証書作成の手続きを司法書士に依頼する場合は,公証人手数料に加えて司法書士手数料がかかります。

明徳司法書士事務所の料金表

これらを合算した額が,公正証書遺言を作成する際にかかるおよその費用です。戸籍や印鑑証明書を取得する際に支払う市町村役場の発行手数料が別途かかります。

 

あなた又は司法書士を遺言執行者に指定してもらう

遺言書を作成する際は,遺言書の中で,必ず遺言執行者を指定してもらいましょう。遺言書は,ご両親が亡くなった後に財産をトラブルなく相続するための手続きです。よって遺言書を実際に使用して,スムーズに相続手続きができないと意味がありません。

ではその相続による法的手続は誰がやるのか?それは,財産をもらった受遺者や遺言執行者です。しかし,財産をもらったあなたが手続きまで全部やるのは大変ですよね,,,そういうことを誰かに代行してもらえないのか?

できます。遺言執行者を指定しておけばいいのです。

遺言書のとおりに財産に関する手続き等をやってくれる人,遺言が効力を生じた後,遺言書の内容を実現する手続きをしてくれる人を「遺言執行者」といいます。遺言の内容を執行(実現)するから遺言執行者です。これを決めておいてもらいましょう。遺言執行者は誰がやるのか,誰がやってくれるのかを決めておいてもらう。このことを,「遺言執行者の指定」といいます。両親に遺言書を書いてもらうときには,是非,遺言書にて,遺言執行者を指定してもらってください。

あなたを指定しておくと,複数の相続人がいる場合に,あなたが代表者として相続手続をすることができます。窓口が一本化できて非常に便利です。不動産の登記手続や預貯金等の解約払戻し等具体的な手続は司法書士等に任せればいいんです。あなたが,遺言執行者として,専門家に処理を任せることもできるのです。

司法書士を遺言執行者に指定しておくとなお安心です。遺言執行者である司法書士は,次のような流れで遺言執行の仕事を行いますので,きちんと相続手続がされていることを確認することができます。

  1. 相続人や受遺者に遺言執行者就任通知を出す
  2. 財産目録(相続財産のリスト)を作成して相続人や受遺者に渡す
  3. 遺言書のとおりに不動産の名義変更をしたり,預貯金・株式の解約払戻し等をする
  4. 仕事が終わったら相続人や受遺者に任務終了の報告をする

民法1006条1項
遺言者は,遺言で,一人又は数人の遺言執行者を指定し,又はその指定を第三者に委託することができる。

同1012条1項
遺言執行者は,相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。

遺言執行者がいるときは,法定相続人は,遺言執行者の遺言執行を妨害できないことになっています。

同1023条
遺言執行者がある場合には,相続人は,相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

 

受遺者であるあなたは遺言の証人にはなれません

公正証書で遺言をするには,証人2人以上の立会いがないといけません。しかしあなたは財産をもらう受遺者なので,証人になることができません。財産をもらう人はこの遺言に特別に利害関係が強いので,遺言の証人には適さないからです。

なお,司法書士に公正証書遺言作成の手続きを依頼すると,司法書士と事務員が証人を引き受けます。よって遺言者やあなたのほうで証人を探していただく必要がありません。

民法974条
次に掲げる者は,遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者,四親等内の親族,書記及び使用人

 

受遺者であるあなたは遺言に同席できません

公正証書遺言を作成するとき,まさにその本番は,公証人のデスクの前に遺言者と証人が並んで座り,公証人とやりとりして手続きをすすめます。この際,公証人の面前に並んで座ることができるのは,遺言者と証人だけです。受遺者であるあなたはご両親の横に座ることができません。したがって,遺言書を作成している最中に,遺言者であるご両親に口添えしたり,援助したり,確認したりすることはできません。

遺言書を作成する公証人役場に入ることはできます。待合室でご両親と一緒に待つことはできますが,肝心の本番だけは,ご両親と離れて,そのまま待合室等で待機することになります。公証人は,遺言者であるご両親が本心からその遺言書を作成しているのか客観的に確認したいので,本番作成をそのように段取りしているのです。

よって公証人役場に行く直前までに,遺言者や司法書士とよく話をして,予定しているとおりの遺言書を作成していいか,ご両親がおよそ遺言書の内容を分かっているかどうか,確認しておいてください。もし公証人の面前,本番の際,ご両親が,準備している遺言書と異なる意思を表明されたら,遺言書の作成は取り止めになります。

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