相続大全集

「死んだら全部お前にやる」と口頭で遺言してもらっても無効だと知っていますか?

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

同居していた父が亡くなりました。父は生前私を一番可愛がってくれており,同居していたこともあって,「俺が死んだら財産は全部お前にやる。俺の財産はお前のものだ」と言っていました。特に亡くなる間際は頻繁にそのように言っていました。父の遺志なので,相続財産は全部私のものですよね?特に遺言書というような形式ばった書類は残してかったようなんです。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書士中尾哲也

結論から言います。

 

相続財産は法定相続になります。

あなたが全部相続財産を相続できるわけではありません。個人の遺言書がない以上,法定相続人共同で遺産を相続します。法定相続人遺産分割協議をして,財産を全部あなたが相続していいと納得してもらわない限り,お父さんの遺志のとおりにはなりません。

ひどいですか?非常だと思われますか?しかし法律ではそうなっています。お父さんが自分の亡くなった後,遺された財産をどうするかを法的に決めておくためには,遺言書を書かなければいけなかったんです。口で言っているだけでは駄目だったんですね。

 

遺言書がないとダメ!

故人が生前自分が所有していて,亡くなったときに遺された財産の行く先を決めるなど財産処分をするには,遺言書を書かないといけません。そのように法律で決まっています。遺言書によらない故人の死後の財産処分は,法的には無効です(生前贈与したなら別ですが)。このようなことをもって「遺言は要式行為である」といいます。法的に有効な遺言をするには,法律つまり民法に書いている方式にしたがって遺言書を作らなければいけないという意味です。民法に書いてある方式にしたがわない遺言書はで無効です。遺言書があっても,法律に書いてある方式に合致していなければ無効。遺言書がないとなれば,問答無用で無効なのは言うまでもありません。

 

遺言書がないといけない理由

厳しいようですがそれが法律です。そのようになっていることににはそれなりの理由があります。というのは,「死人に口なし」という言葉があるように,故人の遺志がどうだったかということは,故人が亡くなって本人の意思を尋ねることができない今,誰も正確に知ることができないからです。つまりこのように言っていた,あのように言っていたと相続人が好き放題言い合って,紛争が生じることがあり,そうなると誰の言い分が正しいのか一概には判断することができないのですね。

なので法律は,法律に決まっている方式に従って誰にでもパッと見て故人の遺志が判断できるような遺言書を作っていなければ,故人による法律行為(財産の処分行為)は無効である,としているんです。

 

あなたにできること!とるべき手段!

このことが分かったところであなたにできることは限られています。

もし設例と違って,父や母,つまり今後亡くなって財産を遺される予定の人がまだ生きているなら,法律に書いてある方式によってちゃんとした遺言書を書いてもらいましょう。ちゃんとした遺言書の作り方が分からなければ司法書士に相談してください。

遺言書の作成を司法書士など専門家に頼むメリットとデメリットをお教えします

もし設例どおりすでに父等が亡くなっているなら,故人が言った言わないは法的に無効であると受け止めましょう。そのうえで,それを踏まえて,他の法定相続人との話し合い,つまり遺産分割協議書をしましょう。あなたが遺産を法定相続分を超えて受け取りたいなら,「お父さんの遺志」は,遺産分割協議において他の相続人に譲歩してもらうための「一つの事情」として持ち出しましょう。「お父さんもこのように言っていたし,お父さんの言い分を尊重してあげてほしい」と。決して,「お父さんがこう言っていたから絶対そうするのだ!!」と切り出してはいけません。あなたにはその権利がないのですから。

遺産分割協議のやり方と遺産分割協議書の作り方

営業エリア・業務地域を教えてください。

奈良県北葛城郡王寺町の司法書中尾哲也の写真楕円形

無料メール相談はこちら。司法書士が2時間以内にお答えします!

 

« »

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

遺産相続の手続きは「どこの」「誰に」相談や依頼をしたらいいのか(司法書士?弁護士?税理士?)

両親が亡くなって少し落ち着いたので,遺産相続の手続きを進めていきたいと思います。親の遺産は,住宅と,あと田舎に農地が少し,それから預貯金や証券口座にある株式・投資信託くらいです。母がまだ存命で,私を含めて3人兄弟です。遺 …続きを読む

遺産相続の相談依頼は誰に

いま「相続」ということの意味について知っておかなければならない理由

今これを読んでいるあなたは,今まさに両親などが亡くなって遺産相続の手続をしなけれればならないか,又は将来両親などの遺産を相続することが分かっていて,ちょっと相続について調べておかないといけないなと考えている人のどちらかだ …続きを読む

相続とは

生前贈与でもらうなら賃料・地代・家賃の入る収益物件から優先して!

私の親は先祖からついた不動産をいくつか所有しています。また,長年地方公務員をしていたので金融資産(預貯金と証券口座の投資信託等)もある程度持っています。親も一線を退き,いまは他人に貸している収益不動産の管理をして生活して …続きを読む

収益不動産(マンション,アパート)の生前贈与を優先して先に

未成年者と親では遺産分割できないので家庭裁判所に特別代理人を申請する

そのままでは遺産分割協議ができないケース その2   今日も,相続が開始して共同相続人で遺産分割協議をしたいが「そのままでは遺産分割協議ができない」という事案を紹介します。遺産分割協議がでいないと相続の手続きが …続きを読む

いくら?いつ?遺産相続した財産の評価方法を全部説明します

遺産相続について相続人で話し合ったり,相続税がかかるのかどうか考えたりする場合に,遺産の値段をどうやって計算したらいいのか困っていませんか? 遺産相続が起きたら,いろんな場面で,遺産の値段を計算しないといけなくなります。 …続きを読む